スイングを劇的に向上させる、ゴルフに生かせる簡単ストレッチ【7選】を紹介!
スイングの際に体の硬さを感じているものの、ゴルフに柔軟性はさほど必要ない、と考えているゴルファーも多いのではないでしょうか。しかしスイングの質向上のためには、やはりある程度の体の柔軟性は備えておきたいものです。そこでこの記事では、ゴルフに生かせるストレッチ【7選】を紹介します。すべて自宅でも簡単にできるストレッチなので、ぜひ毎日の習慣にしてみてください。
配信日時:2024年10月1日 06時32分
1.ストレッチの効果
適切になされたストレッチが運動のために良い効果があるのを疑う人はいないと思いますが、ストレッチは、以下の通りゴルフのプレーにもメリットをもたらします。
・スイングの質が向上する
・ケガの予防になる
ストレッチを行うと、筋肉の伸びに対して反射的に縮もうとする「伸張反射」(しんちょうはんしゃ)が緩やかになったり、筋肉や筋(腱や靭帯)の弾力性に変化が起こったりします。
ストレッチの効果で特に重要なのは、筋肉を柔らかくする点です。筋肉が柔らかくなると、それだけ筋肉が伸ばしやすく、体全体を使って大きく動かせるようになるからです。
上記2つのメリットを詳しく解説します。
スイングの質が向上する
ストレッチで筋肉に柔軟性を持たせておくと、スイングの質が向上しやすくなります。
ストレッチで筋肉を丁寧に伸ばしておくと、筋肉の柔軟性が上がり、可動域が広がるため、スイング時の「捻転(ねんてん)」が深まります。
ゴルフのスイングは、身体を捻転させて、溜まったパワーを解放してボールを飛ばします。捻転が深まると、スイングが大きくなりヘッドスピードが上がるので、飛距離が伸びやすいのです。筋肉(特に「筋膜」)の柔らかさは、弾力性のよさ(筋膜はバネのような性質を持つ)につながり、捻転によって生み出したパワーをボールに効率よく伝えられます。
また、肩甲骨(けんこうこつ)や股関節(こかんせつ)は、スイングで重要な役割をはたすため、これら部位の可動域を広げると、ストレッチの効果を感じやすいでしょう。
肩甲骨や股関節の役割、そして各部位のストレッチ方法については後述します。
ケガの予防になる
運動前のストレッチで体の柔軟性を高めておくと、ケガを予防できます。
要は、ウォーミングアップは必ずした方が良いということですが、その科学的な理由は、体温が低いままだと、筋肉が硬く、関節の動きもある種制限された状態となっているからなのです。筋肉が硬いまま無理にスイングをすると、ケガをする恐れがあります。
仮にケガをしなくても、最大限のパフォーマンスは発揮できていないでしょう。ラウンドを回る前や打ちっぱなしで打つ前は、必ずゆっくりと入念なストレッチを行ってください。
ストレッチの運動強度は、ゴルフのラウンドと同じくらい(3メッツ/METs程度)とされていて、ゆっくり丁寧にストレッチを行えば適度に体を温められます。
2.ゴルフのためにストレッチしておきたい部位
ここではゴルフのために特にストレッチしておきたい部位を紹介します。
・肩甲骨
・股関節
・背中(広背筋)
なお、「関節や骨をストレッチする」といっても、「結局、伸ばしているのは関節や骨の周辺の筋肉である」という点が、ストレッチそのものを理解するうえで大変重要です。
肩甲骨
肩甲骨は、肩にある平たい骨で、左右1枚ずつ存在しています。肩甲骨は肩関節を形成し、上腕骨と連結して腕の動きをサポートする重要な役割を担います。
肩甲骨周辺の筋肉を柔らかくすれば、上半身のブレを防いでスイングを安定させられます。
筋肉が硬いまま上半身のねじりを無理に深くしようとすると、スイング軸がブレてしまいますが、柔らかくすることで軸を保ったまま捻転できるからです。
肩甲骨を動かす筋肉には僧帽筋(そうぼうきん)と、その内側の肩甲挙筋(けんこうきょきん)などの筋肉があります。僧帽筋は首から肩、背中の中央くらいまで続く大きな筋肉。僧帽筋の内側には肩甲挙筋などのインナーマッスルがあります。
ストレッチで肩甲骨周りの筋肉をしっかりほぐせば、肩甲骨の可動域が上がるため、スイングの際に肩が上がり、自然と飛距離が出やすいです。
また、スイング時に腕の力みがなくなり、ボールに力を伝えやすくなる効果もあります。
股関節
股関節は、骨盤と大腿骨(だいたいこつ)をつなぐ関節で、身体の重心を支えながら脚の広範囲な動きを可能にする重要な役割を持ちます。
股関節はスイング時に深く捻転したり、前かがみの姿勢を維持するのに役立ちます。股関節に柔軟性があると腕から上体、下半身を連続的に動かせるので、スイングに安定感が生まれるのです。
股関節は脚の筋肉やお尻の筋肉、大腿骨と骨盤をつなぐ小さい筋肉など、さまざまな筋肉で支えられています。股関節には腸腰筋(ちょうようきん)が付着しており、上半身と下半身をつなぐ関節でもあります。
また、ゴルフでは特に股関節の回旋(回旋には外旋と内旋があり、特に内旋)の動きが重要です。スイング時に股関節の内旋の動きがうまくいかないとスエーの原因になります。
テークバックでは右股関節が内旋、切り返しからフィニッシュにかけては左股関節が内旋するのが理想です。股関節が硬くて内旋がうまくできていないと、体勢が安定せずに崩れてしまいます。
背中(広背筋)
背中(広背筋・こうはいきん)は、体全体を支えている筋肉で、両脇の下から背中全体を覆うように腰まで伸びた大きい筋肉です。広背筋が硬いと、テークバックやフォローの時に身体を十分にひねれません。
また、広背筋の硬さが原因でワキを締められず、スイング中にヒジが曲がって、過度な手打ちのクセがついてしまいます。きれいなスイングフォームのためには、広背筋の柔らかさも重要です。
3.自宅でもできるゴルフのストレッチ【7選】
ここでは、自宅でもできるゴルフのストレッチを7つ紹介します。
ストレッチには、スイングの質向上とケガ防止効果に合わせて、リラックス効果もあるとされているので、日々の習慣やラウンド前の習慣としてぜひ取り入れてみてください。
肩甲骨のストレッチ
肩甲骨のストレッチを2つ紹介します。
1つめのストレッチは肩甲骨と同時に胸も伸ばせるストレッチです。肩の前後を伸ばせば、スイング時に肩の可動域がより広がります。
【1】胸&肩甲骨のストレッチ
1.両手でクラブの端を持ち、バンザイの体勢で体を後ろに反らす
2.その状態のまま肘をまげて、腕を背中の後ろに下ろす
3.再び腕を上げたら、今度は上体を前に倒す
ヒザをまげて上体を反らしすぎたり、倒しすぎたりしないようにしましょう。家の中でやる時は、クラブの代わりにタオルを外側にピンと張りながらやると危険なくできます。
【2】肩甲骨のストレッチ
1.前かがみの姿勢を取ってクラブを立て、両手でグリップエンドを抑える
2.お尻を後ろに引き、背中を真っすぐ伸ばしたまま頭を下げる
背中がじわじわと温まってきたら効いている証拠です。背中に注意を向けながら行いましょう。
上記2つのストレッチについて、詳しく知りたい人は、関連記事「”肩甲骨”をほぐすだけじゃダメ!ヘッドスピードを速くしたいなら”胸”も伸ばそう」をご覧ください。
他にもゴルフクラブを使ってラウンド前にできるストレッチが知りたい人は、以下の記事もご覧ください。
関連記事「朝イチからミス知らずのストレッチ「スタート前に3分、背面の筋肉もしっかり伸ばす」」を読む
股関節のストレッチ
股関節のストレッチを2つ紹介します。スイングの時に重要な回旋の動き。内旋の動きと外旋の動き、どちらも柔らかくできるようにしておきましょう。
以下、紹介する2つのストレッチを毎日行えば、股関節の柔軟性アップが期待できます。
【3】内旋ストレッチ
1.ヒザを閉じて四つんばいになり、ヒザ・足を外側に開く
2.ヒジを床について腰を落とす
(体と太モモのライン、ヒザ、足首の3か所の角度が90度になるように意識)
3.余裕があればお尻を後ろに引くとよりストレッチ感が増す
4.四つんばいに戻る
【4】外旋ストレッチ
1.骨盤を正面に向け、右ヒザを立てて左足を真横に軽く伸ばす
2.左足を踏み込んで左ヒザを曲げる(左ひざが前に倒れないよう注意)
3.余裕があれば両腕を横に開き、左手を床、右手を真上に上げる
4.右側も同様に行う
どちらも、股関節が硬くなっている人にはキツいストレッチかもしれません。痛みを我慢して伸ばすと筋を痛めてしまいます。無理して脚を開かず、気持ちよく感じる程度に、ゆっくり伸ばしていく感覚でやりましょう。
上記2つのストレッチについて、より詳しく知りたい人は、以下の記事もご覧ください。
関連記事「やるとやらないでは大違い!たった3分で股関節をほぐして飛距離アップ」を読む
背中のストレッチ
背中を柔らかくするストレッチを2つ紹介します。背中はゴルファーがケガしやすい部位の1つです。しっかり柔軟性をつけてケガを予防しましょう。
【5】猫と牛のポーズ
1.頭からお尻を一直線にして四つんばいになる
2.息を吸いながら頭のてっぺんを下に向け、背中を丸めて持ち上げる
3.次に息を吐きながら頭とお尻を上に向け、背中を反らせる
できるだけ腰の位置を変えず、背骨だけ動かす意識で行ってください。
【6】針の糸通しのポーズ
1.両肩の下に手首、股関節の下にヒザがくるように四つんばいになる
2.息を吐きながら左手のヒラを上に向け右ワキの下に通し、左側頭部と左肩を床につける(腰を反らずに背中を平らにしたまま行う)
3.余裕がある場合は、右手を上げて両肩と一直線になるまで胸を開く
(お尻が後ろに動かないように気を付ける)
4.四つんばいに戻り、反対側も行う
どちらもヨガのポーズで、寝る前の3分ほどで簡単にできます。背中の柔軟性がアップするだけでなく、猫背や腰痛の改善にも役立つので、ぜひ日々の習慣に取り入れてください。
上記2つのストレッチについて、より詳しく知りたい人は、以下の記事もご覧ください。
関連記事「たった3分!肩と背中をほぐして美アドレスを手に入れよう「猫背&腰痛予防にも◎」」を読む
体の側面を伸ばすストレッチ
最後に、体の側面を伸ばすストレッチを紹介します。体の側面をストレッチして緩めておくとスイングの際、深く捻転しやすくなります。
【7】体の側面をストレッチ
1.片脚を伸ばし、もう片脚はヒザを立てて座る
2.伸ばした脚とクロスさせるように、ヒザを立てた方の足をもう片方の脚の外側につく
3.息を吸いながら立てたヒザと反対側のヒジをヒザにひっかける
4.息を吐きながら、へそ⇒胸⇒肩の順に身体をゆっくりひねる
5.反対側も同様に行う
背筋を伸ばしながらやるように意識しましょう。1日3分ほどでいいので、地道に続ければスイングの際に違いを感じるようになるはずです。
上記のストレッチについて、より詳しく知りたい人は、以下の記事もご覧ください。
関連記事「毎日たったの3分で効果が出る!大きな筋肉を使って飛ばしたいならワキ腹を締めよう」を読む
4.まとめ
ゴルフに生かせるストレッチを7つ紹介しました。ゴルフのスイングでは、特に肩甲骨、股関節、背中(広背筋)を柔らかくしておくのが重要です。
ラウンド前の習慣としてだけでなく、毎日の習慣として、ぜひこの記事で紹介したストレッチを実践してください。