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    黙っているほうが気は散りやすい「プレー中の会話はよいリズムをつくる」【ゴルフが整う自律神経のトリセツ】

    ラウンド中よくおしゃべりするタイプの人と、黙ってプレーするタイプの人がいる。性格も関係するのだろうが、順天堂大学医学部の小林弘幸教授によると「眉間にしわを寄せて黙々とプレーをする人にうまい人はいません」。プレー中の会話はよいリズムをつくり、自律神経を整えるのに効果的なのだ。

    配信日時:2023年3月28日 02時30分

    • ゴルフライフ
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    イラスト・のり
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    ゴルフは楽しくおしゃべりしながら回りたい。これはいつも私が心がけているモットーの一つです。もちろんマナーや場をわきまえてのことですから、誰かがアドレスに入ったら静かに見守りますし、大声で話したり笑ったりすることもありません。

    ただ、ラウンド中ムスッと押し黙ることがないよう、意識しておしゃべりしています。というのは、自分の世界に入り込みすぎる人が一人でもいるとパートナーに気を使わせます
    し、口を利かなければ自分のゴルフに集中できそうに思えますが、実はそうではないからです。
     
    ■会話をしている間は左脳が活性化する
     
    ゴルフでは、どこへどのクラブで打つかを決めるのに時間はかかりません。スイングチェックも同じです。それ以外の圧倒的に長い時間をどう過ごすかのほうが大切で、黙っているとどうしても前の組のプレーや仲間のショットが目に入ってきて気が散り、かえって落ち着かなくなってしまうのです。
     
    「前の組は遅いなあ」、「あの人より飛ばしたい」などと思った途端、交感神経が高まって、自律神経のバランスは崩れます。眉間にしわを寄せ黙々とプレーをする人にうまい人がいないのは、そのためではないでしょうか。
     
    同伴競技者とおしゃべりしながら回ると、ゴルフをしていてもその状況と離れた別の世界に意識を置くことができます。会話をしている間は左脳が活性化して話題に集中しますから、他の必要ないことを考えなくなり、前の組のプレーや打球に目がいかなくもなるのです。
     
    そのため自分の順番が来たときには、余計な情報に惑わされることなく、会話からショットへ素早く意識を移せます。スムーズな切り替えがよいリズムをつくるのです。
     
    ■自然に口角が上がり副交感神経が高まる
     
    またラウンド中はクラブやスイングの話から始まって仕事の話、友人となら健康や近況など話したい、聞きたい、興味あることが話題になると思います。身近な人とそうして話しているときは自然と笑顔になり、口角が上がって表情筋を使うため、副交感神経が高まり自律神経が整うのです。
     
    プロが試合中も意外とキャディと雑談をしているのは、その効果を知っているからでしょう。
     
    18ホールにかかる時間は、新幹線なら東京から広島近くまで行くのと同じです。「早く着かないかなあ」と退屈に思うより、せっかくなら「もう着くの!? 早いなあ」と感じるような過ごし方をしたいものです。
     
    そのためにもプレー中は話をして、よいリズムをつくってください。(文・小林弘幸 構成・野上雅子)
     
    ●小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
    1960年生まれ、埼玉県出身。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手やアーティストのパフォーマンス向上指導にかかわる。自律神経のバランスを意識的にコントロールすることにより心身の潜在能力を最大限発揮できることを提案し、テレビ番組等で解説している。著書も多数あり、2022年12月『ゴルフが上達する自律神経72の整え方』(法研)を刊行。

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