日々、ゴルフ代の捻出ばかりを考えている編集者K。だが物価高の昨今、なかなかゴルフ代は貯まらない。そんな彼は今、金投資に夢中。だが、同じくらい熱い視線を向けているのがパリ五輪。日本人選手の活躍や松山英樹の銅メダル獲得を見て興奮する最中、ふとあることに気づいた。「金だけじゃなくて銀と銅も投資できるのでは？」。そこで、信頼を置く美人トレーダー、若林史江さんに疑問をぶつけてみた。

――金はいざというときに現金の代わりになる。『有事のときほど金』が信頼できるというのは、私も理解できました。
 
そういう意識は、大事だと思いますね。
 
――それで、五輪を見ていて思ったんですが、銀とか銅はどうなんですか？
 
銀も銅もプラチナも、取引できます。銀は金に比べての割安感から、価格が上昇しています。
 
――銅はどう？（笑）。
 
ダジャレですか（笑）。銅の場合はモノを作る材料としてすごく必要。銅は柔らかくて電気伝導性や熱伝導率が高いから、電線やエアコンの熱交換器など幅広く使われています。
 
――そうなんですね。
 
チリ、ペルー、豪州などに埋蔵量が多いといわれています。経済成長が続く中国の銅需要が、世界の銅市場を左右しています。
 
――中国ですか。銅はまだ価格が上がっていくんですかね。
 
世界の銅需要は2,600万トンと言われていて、すでに400万トンは供給不足といわれています。さらに、100万トンの追加需要が必要になるニュースが流れて銅価格がバーンと上がったんです。
 
――それはスゴイ。銅はゴルフクラブには使用されないですが、一体何に？
 
脱炭素や再生可能エネルギーにも、銅はすごく必要。AI技術に必要なデータセンターや電気自動車などにも必須であり、単純に需要としての銅が足りなくなるので、銅価格が今上がっていて面白いです。
 
――銅は魅力的ですね。前回出た『純金積み立て』みたいなものは、銀や銅にもありますか？
 
銅はないですが、『純銀積み立て』、『プラチナ積み立て』があります。銀は値動きが激しいので短期的なリターンを狙えますがリスクも大きい。
 
――ハイリスクというのはちょっと……。
 
であれば、プロに任せる投資信託はどうでしょう？
 
――金にもありましたね。それがいいかも。
 
銀や銅を扱う企業もありますから、そこの投資信託で積み立ててドルコスト平均法で購入するのが、初心者にはオススメの方法かと思います。ETF（上場投資信託）だと、銀や銅の価格に連動した商品が上場されていますね。
 
――金以外にもそれぞれ魅力があるんですね。それならゴルフ代も捻出できるかも。
 
銅や銀にももちろん先物取引があります。商品を購入する時期よりも前に価格を定めて取引を成立させる売買方法ですが、銅の価格が上がると予想して満期日での売買契約をしておいて差額を狙う手もあります。ただしリスクがかなり大きく初心者にオススメできないので注意してください。
 
【覚えておきたい用語】
ETF：上場投資信託。「Exchange Traded Fund」の頭文字を取ったもの。投資信託の大部分は上場していないが、ごく一部にあたる上場している投資信託。購入は証券会社に限られる。
 
先物取引：ある商品を、将来の決められた日に、取引の時点で決められた価格で売買することを約束する取引。売買商品としては、大豆やとうもろこしなどの農産物や石油、貴金属などがある。
 
解説／若林史江
20歳で株式投資を始めた元祖・美人トレーダー。近著に『証券口座の開き方から教えます！ 投資の学校 1年生1学期』（宝島社）。TOKYO MX『5時に夢中！』出演中。ゴルフ歴23年、ベストスコア76。

（取材・文／日本ゴルフジャーナリスト協会会長・小川 朗）

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