初心者は7本で十分?最低限必要なゴルフクラブ本数と組み合わせ
実は、ゴルフのラウンドに持っていけるクラブの本数には限りがあることをご存知でしょうか? 初心者の方には、あまり馴染みのないルールかもしれません。決まった本数を超えるとペナルティを科されてしまうので、これからゴルフを始めようとしている方や、初めて自分のゴルフクラブを購入しようと考えている方は覚えておきましょう。この記事では、ラウンドに持ち込めるクラブの本数や、初心者向けのセッティング、ゴルフクラブ選びのポイントを解説しています。
配信日時:2024年2月7日 08時27分
1.ラウンドに持っていけるゴルフクラブ本数は最大14本
ラウンドするとき、コースに持っていけるゴルフクラブの本数は14本までと定められています。もちろん「14本まで」なので、それ以下の本数であれば何本でも、どのクラブを組み合わせても、ルール上は問題ありません。
ちなみに、持っていけるクラブの本数が最大14本と決められた背景には、1859年の全英アマチュアゴルフ選手権で、ある選手が55本もクラブを持ち込んだ出来事があるとされています。クラブ選びに時間がかかりすぎてしまい、それをきっかけに「最大14本」というルールが定められたようです。
ゴルフクラブ14本の組み合わせは?
ラウンドに持っていけるゴルフクラブの組み合わせは「14本まで」。つまりそれ以下の本数であれば組み合わせは自由ですが、14本で揃える場合は、下記のセッティングが一般的とされています。
▼一般的な14本の組み合わせ
【1】ドライバー(1W)
【2】3番ウッド(3W)
【3】5番ウッド(5W)
【4】7番ウッド(7W)
【5】ユーティリティ(UT)
【6】5番アイアン(5i)
【7】6番アイアン(6i)
【8】7番アイアン(7i)
【9】8番アイアン(8i)
【10】9番アイアン(9i)
【11】ピッチングウェッジ(PW)
【12】アプローチウェッジ(AW)
【13】サンドウェッジ(SW)
【14】パター
それぞれクラブの詳細については「ゴルフクラブの種類と役割」で後述しています。
競技ではペナルティに注意!
プライベートなら問題ありませんが、競技で14本を超えるゴルフクラブを持っていった場合は、ペナルティが科されてしまうので注意しましょう。具体的には「1ホール目で発覚したら2打罰」「2ホール目以降なら4打罰」のペナルティを受けることになります。なお、1ラウンドのペナルティは「最大4打罰」です。
加えて注意したいのが、持ち込んだゴルフクラブが14本以下であるにもかかわらず、ペナルティが科されるケースです。例えば、他のプレイヤーのクラブを借りたり、間違って使ったりした場合もペナルティの対象となります。他人のクラブを使ってしまわないよう注意しましょう。
2.初心者は7本のゴルフクラブで大丈夫!
ルール上、ラウンドに持ち込めるゴルフクラブは最大14本ですが、初心者の方は、7本あれば十分にコースを回れます。
先ほどご紹介した「一般的な14本」のうち、初心者の方は下記の○印のクラブの使用がおすすめです。
ゴルフクラブの種類 | 初心者が最低限 使うべきクラブ | |
---|---|---|
ウッド | ドライバー(1W) | ○ |
3番ウッド(3W) | - | |
5番ウッド(5W) | - | |
7番ウッド(7W) | - | |
ユーティリティ(UT)(4U or 5U) | ○ | |
アイアン | 5番アイアン(5i) | - |
6番アイアン(6i) | - | |
7番アイアン(7i) | ○ | |
8番アイアン(8i) | - | |
9番アイアン(9i) | ○ | |
ウェッジ | ピッチングウェッジ(PW) | ○ |
アプローチウェッジ(AW) | - | |
サンドウェッジ(SW) | ○ | |
パター | ○ |
各メーカーから初心者用のクラブセットが10万円以下で販売されているので、初めてゴルフクラブを購入する方は、そうした商品を購入するのもよいでしょう。
また、新品で揃えようとすると数十万円程度かかることもあるので、出費を抑えたい方は中古品を買うのも手です。初心者セットとさほど変わらない値段で好きなモデルを揃えられるのも、中古品の良いところです。
3.ゴルフクラブの種類と役割
「そもそもゴルフクラブの違いがわからない」という方は、ゴルフクラブを購入する前に、主な種類と特徴を押さえておきましょう。
ゴルフクラブは「ウッド」「ユーティリティ」「アイアン」「ウェッジ」「パター」に大きく分けることができ、さらにそれぞれの中に細かな番手が含まれています。
ウッド
ウッドはヘッドが大きく、飛距離が出やすいクラブです。もともとヘッドが木製のゴルフクラブの総称でしたが、ヘッドにチタンやステンレスなどの素材が用いられるようになった今も、昔の名残で「ウッド」と呼ばれています。
ドライバー(1W)
「1番ウッド」とも呼ばれるドライバーは、主にパー4、パー5の1打目を打つときに使うクラブです。ゴルフクラブの中で最もシャフトが長く、最もヘッドが大きいため、最も飛距離が出ます。基本的に、ボールをティアップした状態から打ちます。
3番ウッド(3W)、5番ウッド(5W)
いわゆる「フェアウェイウッド」と呼ばれるクラブです。ドライバーよりもヘッドがやや小さく、地面にあるボールを打てるクラブの中では最も飛距離が出ます。ドライバーの着弾地点が狭いホールでのティショットや、長い距離が残った2打目で使用することが一般的です。
フェアウェイウッドの中で主に使われるのが、「スプーン」と呼ばれる3番ウッドと、「クリーク」と呼ばれる5番ウッドです。両者を比較すると、3番ウッドはより距離が出やすく、5番ウッドはよりコントロールしやすいという違いがあります。ちなみに、フェアウェイウッドには2番ウッド(2W)、4番ウッド(4W)というクラブもありますが、最近ではあまり使う人がいないため、市販されていることは多くありません。
ユーティリティ
ユーティリティは、ヘッドの大きさがアイアンより大きく、フェアウェイウッドより小さいクラブです。ミートしやすく飛距離も出るため、アイアンとフェアウェイウッドの「良いとこ取り」をしたようなクラブと言えます。一般的に3番から6番までがラインナップされています。
アイアン
アイアンはヘッドが金属製のクラブで、飛距離に応じていくつかの番手があります。そのため「○番アイアン」のように、番手で呼ぶのが一般的です。ここでは、5番より上の番手を「ロングアイアン」、6番、7番を「ミドルアイアン」、8番以下を「ショートアイアン」として紹介します。
ロングアイアン(〜5i)
「ロングアイアン」は長距離を打ちたい場合に使用するアイアンです。近年は3番や4番を入れることは少なくなり、5番アイアンをロングアイアンと呼ぶことが増えました。アイアンの中でもシャフトが長いためボールを当てづらく、初心者にとっては難易度の高いクラブと言えます。
ミドルアイアン(6i、7i)
アイアンの中でもシャフトが長めのクラブを「ミドルアイアン」と呼びます。このうち、コントロールしやすく、飛距離も出しやすいのが7番アイアンです。長い分、6番アイアンはやや扱いが難しいため、初心者の方はまず7番アイアンを使いこなせるようになることを目標にするとよいでしょう。
ショートアイアン(8i、9i)
「ショートアイアン」はシャフトが短い8番アイアンと9番アイアンの総称です。ショートアイアンはボールをコントロールしやすく、120~130ヤードほどのグリーンを狙うときに主に用いられます。また、グリーン周辺からの転がすアプローチや、ラフからの脱出などにも役立つものです。ちなみに、ほとんど使われることはありませんが、8番アイアンは「ピッチングニブリック」、9番アイアンは「ニブリック」という呼称があります。
ウェッジ
アイアンよりもロフト角が大きく、シャフトが短いクラブが「ウェッジ」です。グリーン周りからのアプローチショットやバンカーショットなど、主に100ヤード以内の距離を打ちたいときに使用します。
ピッチングウェッジ(PW)
「ピッチングウェッジ」はウェッジの中でロフト角が最も小さいクラブです。一般的にアイアンセットに含まれており、ロフト角は44~48度ほどになっています。100~120ヤードほどを狙うときに用いられるだけでなく、コロがしのアプローチで使用されることもあります。
アプローチウェッジ(AW)
ピッチングウェッジと、後述するサンドウェッジの中間程度のロフト角がついたクラブが「アプローチウェッジ」です。一般的に50度~54度のロフト角で、ボールを転がしたいときも、浮かせたいときも使えます。
サンドウェッジ(SW)
「サンドウェッジ」はボールを浮かせやすいクラブです。名前から想像できるように、主な用途は砂場であるバンカーからボールを脱出させることですが、そこまで飛距離を出したくないアプローチショットでも使えます。ロフト角は56度~58度。ちなみに、60度以上のウェッジもあり、「ロブウェッジ」と呼ばれています。
パター
パターは基本的にグリーン上で使用し、ボールをカップに入れるためのクラブです。ロフト角がほぼついておらず、ボールを転がすことに特化しています。
ピン型
上から見ると長方形のような形をしたクラブが「ピン型パター」です。ヘッドが面長なのでコントロールしやすく、最もオーソドックスなパターとされています。
マレット型
ヘッドがかまぼこのような形をしたクラブを「マレット型パター」と言います。ヘッドサイズが大きめで重心が後ろのほうにあるため距離を出しやすく、パターが左右にズレにくいのが特徴です。
ネオマレット型
マレット型よりもさらにヘッドが大型なのが「ネオマレット型パター」です。コントロールしやすく距離も出やすいという特徴があります。
4.ゴルフクラブ選びのポイント
初心者の方は、以下で紹介するポイントを押さえながらゴルフクラブを選ぶとよいでしょう。
重さの階段をつくる
異なる種類のクラブを同じように振ることができれば、ボールの飛距離や打ち出す方向性が安定します。長さの違うクラブを同じように振るためには、長いクラブから短いクラブになるにつれて、だんだんと重くなるように揃えるのがポイントです。
ミスのしづらさ
初心者のうちは、クラブがボールに当たりやすくなるよう、ヘッドが大きめのものを選ぶとよいでしょう。また、アイアンやウェッジはソール幅が広いものを選ぶのがおすすめです。ソールの幅が広いと芝の上を滑りやすく、ミスショットをカバーしてくれます。
アイアンはロフトが立ち気味のモデルを
アイアンは同じ番手でも、モデルによってロフト角が異なります。基本的にロフト角が小さいほど飛びやすく、大きいほど高さが出やすいのですが、7番アイアンであれば、30度以下のクラブが比較的優しく、初心者の方におすすめです。見た目重視で難易度の高いクラブを選ぶのもよいですが、背伸びしすぎないことも大切です。
アイアンの番手やロフト角についてより詳しく知りたい方は、「ゴルフクラブのロフト角とは? クラブ別のロフト角と飛距離目安を一覧で紹介」をご覧ください。
自分に合ったシャフトの硬さを
シャフトには「素材」や「重さ」などによる違いがありますが、最もわかりやすいのが「硬さ」です。初心者の方はそこに着目し、体力やヘッドスピードに応じて選びましょう。
男性は「S」か「SR」を選ぶことが一般的ですが、体力的にそれで振りづらいと感じる場合は、「R」を選んでも問題ありません。女性は「L」が基本と考えてください。パワーに自信がある方は「A」でも問題ありません。それでもまだ柔らかいと感じる方は、男性向けクラブの「R」を試してみてもよいかもしれません。
実際に手に取ってみる
ゴルフショップなどを訪れてクラブを手に取り、振りやすいもの、自分の身体にしっくりくるものを選ぶことも大切です。より正確に感覚を掴むためには実際に打ってみることも大事なので、可能であれば試打をさせてもらうことをおすすめします。
積極的に質問する
ゴルフクラブ選びでわからないことがあれば、ショップの店員さんや、ゴルフをしている知り合いなどに積極的に質問するとよいでしょう。人によって選び方や重視しているポイントが異なるので、自分に合ったゴルフクラブを選ぶうえで、よい参考になるはずです。
5.まとめ
ラウンドに持っていけるゴルフクラブは最大14本。15本以上持ち込んだり、他のプレイヤーのクラブを使ったりするとペナルティが科されるので注意しましょう。
もちろん「14本」という数はあくまで上限です。必ず14本用意しなければならないわけではなく、それ以下であれば自由にセッティングすることができます。まずは今回ご紹介した初心者向けの7本の組み合わせを参考にしていただき、慣れていくにつれて買い足したり、自分好みのモデルに買い替えたりしながら、自分にマッチしたセッティングを追求していくとよいでしょう。