初体験の誤球 そしてツアーの厳しい戦いを見て思うゴルフの難しさ【原田香里のゴルフ未来会議】
沖縄オープンゴルフ選手権に出場させていただきました。
配信日時:2023年3月22日 02時30分
ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。先週、沖縄に行ってきたお話からしましょう。昨年に続いて、沖縄オープンゴルフ選手権に出場させていただきました。
かねひで喜瀬CCを舞台に14日に行われた大会は、昨年、沖縄の日本復帰50周年を祝って始まったものです。男女プロとアマチュアが入り混じり、112人が出場しました。アマチュアは厳しい予選があり、ジュニアも出場していました。
プロは宮里聖志さんや山城奈々さん、シニアでは倉本昌弘さんや塚田好宣さん、鬼澤信子さんも参戦。まさに老若男女が一緒のフィールドでプレーできる、ゴルフのよさが際立つ大会でした。ゴルフというスポーツならではの素晴らしさを、しみじみと感じました。
4人1組でプレーしたのですが、同じ組には富村真治さんという32歳の地元、沖縄・那覇出身の男子プロがいました。近所に住んでいた宮里美香さんと同世代で、ジュニア育成の盛んな沖縄で腕を磨き、強豪、東北福祉大学に進学。2年生のときには朝日杯日本学生に優勝している実力者です。その後、プロになり、全英オープン出場の経験もある選手です。
ものすごくいいプレーをしていたし、自分のゴルフを追及しているな、と感じる好青年でした。それを見ていると、こういう若い選手がたくさんいるのに男子ツアーの試合が少ないのは残念だな、と改めて思いました。
試合でプレーする機会というのは、プロにとってはとても大切な成長の場です。どんなに練習でできても、試合でできるようにならなければいけないことがたくさんあるし、ギャラリーのみなさんに見ていただいて賞金をもらうのがプロだからです。業界全体のためにも、何とかならないかと思いました。
さて大会ですが、私自身は途中まで2オーバーで踏ん張っていたのですが、14番で誤球をしてしまってから、集中力が切れてしまいました。そこから3連続ダブルボギーを叩いてスコアは81、90位タイでした。試合では人生初の誤球。気持ちのコントロールがうまくいかず、残念な結果に終わりました。
今さらながら、流れのリズムというのは本当に大切だな、と痛感する試合になりました。それに、やはり誤球というのはその組の雰囲気を悪くしてしまうので、申し訳なく思いました…。思い込みはいけませんね。反省です。
ただ、ホールアウト後には、うれしいこともありました。富村くんから「地元なのでダイキンオーキッドを見に行っていたんです。だから原田さんと回れるって決まって、昨日から楽しみにしていました」と、言ってもらって、なんだかうれしくなりました。
まだ開幕していない男子ツアーをよそに、女子ツアーは熱戦が続いています。3戦目のTポイント×ENEOSゴルフトーナメントは、最終日にまさかの大逆転劇がありました。単独首位スタートの上田桃子さんが5連続バーディでスタートし、一時は8打差をつける独走態勢になりました。
ところが、後半に入って流れがガラリと変わり、11番でダブルボギー。13番もダブルボギーで、このホール、バーディの青木瀬令奈さんに逆転され、そのまま流れを取り戻せずに負けてしまったのです。
まさにゴルフの怖さを感じさせる試合となりました。上田さん本人が一番悔しいでしょうし、いろんなことを考えていると思います。上田さんの悲願である公式戦優勝に向けて、また新たな一歩を踏み出してほしいです。
優勝した青木さんに関しては、徹底的に自分のプレースタイルを貫くのが強み。今回も、それを生かしての優勝を見せてくれました。自分のプレースタイルを貫くことは、実はとても難しいことです。
たとえその週、貫くことができても、それが優勝という結果につながるとは限りません。でも、自分を信じて貫くことを毎週毎週続けることができるのが、強い選手だと思います。
盛り上がっている女子だけではなく、男子も含めて、みなさんの応援で成り立っているのがプロのツアーです。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
■原田香里(はらだ・かおり)
1966年10月27日生まれ、山口県出身。名門・日大ゴルフ部にで腕を磨き1989年のプロテストに合格。92年の「ミズノオープンレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。93年には「日本女子プロゴルフ選手権大会」、「JLPGA明治乳業カップ年度最優秀女子プロ決定戦」勝利で公式戦2冠を達成。通算7勝。その後は日本女子プロゴルフ協会の運営に尽力し21年3月まで理事を務めた。
原田香里のゴルフ未来会議