洗顔中や椅子から立ち上がるときにも“ギックリ腰”のリスクが⁉ ゴルフもデスクワークでも「伸ばす」「反らす」を意識して!
普段、当たり前のように使っているスマホが、実は腰痛の原因になっている。突然の“ギックリ腰”に見舞われないためには、日常の動作に注意する必要がある。
配信日時:2024年10月17日 07時00分
本来、首と腰は側面から見ると反っているが、スマホ操作やデスクワークなどで下を向く姿勢を長時間とると、首のカーブが失われることで腰が曲がって反らなくなり、椎間板に負荷をかけてしまう。結果としてギックリ腰を誘発するわけだが、その失ったカーブを取り戻す方法があるという。代々木あおいカイロプラクティック院長の秋山誠司氏に話を聞いた。
「腰が曲がって椎間板が潰されても、日常生活は送れます。ただし、常に圧力がかかっている椎間板のコンディションは、すでに悪化している状態。そこまでいったらギックリ腰が起こるのは時間の問題です。例えば、前かがみの姿勢でパットの練習を5分、10分続けただけで、終わって腰が伸びないなと思った瞬間、『ギックリ腰になっちゃった!』というケースもあります」
「腰痛やギックリ腰の発症を防ぐには、その要因を作らないこと、本来の背骨の形状を取り戻すことが唯一の方法です。日常生活でできるだけ椎間板を広げるしか根本的な改善は望めません。日々あらゆる場面で、前かがみの姿勢をとるときは、腰を曲げずに股関節を使うことを意識しましょう。仕方なく前かがみになった場合は、すぐに腰を伸ばすこと。それによって後傾しがちな骨盤を立てて腰を反らせ、背骨本来のカーブで頭を支えるようにすることが大切だからです」
ここでは、ギックリ腰が発症しやすい動作をするときの注意点を紹介。自宅やオフィスでも実践する機会があるので、意識するといいだろう。
また、首と腰のカーブを復活させる「ストレッチ」は、朝晩ベッドの上で各30秒、3種類を合計1分30秒行うのが効果的。簡単にできるので、腰痛に悩んでいる人は是非実践してほしい。
■ギックリ腰にならないための日常動作
・足を引いてから立ち上がる
立ち上がる前に、椅子に浅く座り直して足を体の下に入れるように引く。次に上を向き、顔全体を天井に向けてから、上に向かって体を持ち上げるように立ち上がろう。前かがみのまま立つと椎間板を潰してしまう。
・くしゃみをするときは壁に向かってハクション!
くしゃみはギックリ腰の引きがねになりやすい。特に、下を向いて「クシュッ」は厳禁。前かがみの姿勢に下向きの力が加わり、首と腰の椎間板を痛めるからだ。壁に手をついて顔を上げ、壁に向かってくしゃみをしよう。
・顔を洗うときは股関節から前傾する
アドレスの手順を思い出そう。足を肩幅に開いて足の付け根に手を置き、腰を反らしてお尻を後ろに突き出し、股関節から上体を倒す。倒すときは前の鏡を見て、倒し終えたら顔を下に向ける。体を戻すときは逆の順番で。
■首と腰のカーブを取り戻すストレッチ3選
・猫体操
四つん這いになり、猫が「シャーッ」と威嚇をするときのように背中を丸める。ここから一気に脱力して腰を落とし、体を反らせよう。次に背中をさらに反らせて顔を上げていく。少々痛くても正面が見えるまで首を起こし、反らせる。
・ラッコ体操
布団に仰向けになり枕を外し、アゴを引いて思い切り“二重アゴ”を作る。首の後ろのくぼみを布団に強く押し付けよう。背中が浮くほど力を入れること。後頭部ではなく襟足付近で思い切り布団を下に押し潰す感じだ。
・股関節のストレッチ
椅子に浅く腰掛け、右足のくるぶしを左太モモの上に乗せる。胸を張って良い姿勢をとろう。股関節をほぐして後ろに倒れていた骨盤を立たせると、座高が高くなってくるはずだ。腰を反らせるイメージで、右のお尻の筋肉を伸ばす。左足も同様に行う。
秋山誠司
あきやま・せいじ/日本カイロプラクティック医学協会認定カイロプラクター。2009年に代々木あおいカイロプラクティック( 東京都渋谷区)を開業。11年からゴルフの痛みに関する解説をゴルフ雑誌で開始し、同時に書籍やDVDも発行。腰痛ベルトやストレートネック対策枕などを開発し、ベストセラー商品にもなっている。ゴルフのベストスコアは75。
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