憂鬱な雨ゴルフ 傘やレインウェアより大事なのは……【ゴルフが整う自律神経のトリセツ】
雨のゴルフは憂鬱なものだが、天気をコントロールすることはできない。最大の雨対策は「自律神経を乱さないこと。そのためにレインウェアより効果的なグッズがありますと、順天堂大学医学部の小林弘幸教授。誰でも持っているそれを意識的に使うことで集中力が高まるという。
配信日時:2023年4月6日 23時30分
楽しみにしていたゴルフの日が、あいにくの雨模様。久しぶりのゴルフに二の足を踏んでしまう方もいらっしゃるでしょう。ただ、少々の雨予報なら、運動不足とストレス両方の解消にゴルフを楽しみたいものです。
雨の日に自律神経を乱す要素は、強風時のプレーに比べればそう多くはありません。というのも、風の日は吹き方に応じてショットの方向や距離感や打ち方を変えなければならず、誰でもストレスを受けて交感神経が優位になりがちです。
■レインウェアは余裕を持って着脱
一方、雨の場合はキャリーの距離感とグリーンの転がりさえつかめば、気持ちもストロークも落ち着きやすいからです。そう神経質にならなくても強風時ほどの大叩きをすることはないでしょう。
とはいえ、雨の日特有の仕事として、レインウェアの着脱、傘の開閉、打つ前に手やグリップをタオルで拭いたりする動作が増えます。雨さえ降っていなければする必要のない余計な動きはプレーのリズムを崩し、交感神経が優位になる原因にもなるので要注意です。
■ひさしが外部を遮断 自分の世界に入れる
特に気をつけたいのはレインウェアの着脱です。よくあるのは袖やフードのつけ外し、ボールやティの出し入れをしているうちに自分の番がきてしまい、素振りもせずに打ってOBになるケース。レインウェアの摩擦音や窮屈感から早打ちを招き、チョロやテンプラをするケースもあります。
こうした大きなミスからさらに交感神経が上がることのないよう、着脱は自分が打ち終わってからか最後に行うことで余裕を持ちましょう。素振りを2~3回して着用感に慣れることも大切です。
私は滅多にレインウェアを着ません。傘を差さないこともあります。その代わり常にキャップを欠かさないので、急な雨でも慌てませんし、ザーザー降りでもない限りレインウェアや傘は必要ないのです。
キャップをかぶっていればスイング中も雨が気になりませんし、髪がぬれたときの不快感もありません。一番のメリットはひさしが雨を遮断してくれるおかげで自分の世界に入れることです。
雨の日はとかくネガティブになって「早く終わらせたいなあ」と思いがちですが、自分だけの空間があるとリラックスして楽しめます。集中できるため、雨の割にスコアもまとまるのでオススメです。(文・小林弘幸 構成・野上雅子)
●小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
1960年生まれ、埼玉県出身。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手やアーティストのパフォーマンス向上指導にかかわる。自律神経のバランスを意識的にコントロールすることにより心身の潜在能力を最大限発揮できることを提案し、テレビ番組等で解説している。著書も多数あり、2022年12月『ゴルフが上達する自律神経72の整え方』(法研)を刊行。