「SLDO.」のブラックはやんちゃとも、モードとも違う 【忙しい大人がカッコいいゴルフスタイルを手に入れるには】
“一度着るとやめられない”、“着るだけでスタイルがよくなる” と言われる「SLDO.」のゴルフウエア。なんとも心をそそられるキャッチフレーズのウラにあるこだわりを聞いてみた。
配信日時:2023年5月24日 09時37分
「SLDO.」というゴルフウエアブランドをご存じだろうか。その特徴は超シンプルなデザインで、カラーはほぼ “ブラック” でまとめられていること。お馴染みの大手ゴルフショップではお目にかかれないが、直営オンラインショップや取り扱いのあるコースのプロショップを通じて、ユーザーが右肩上がりで増えているという。そんな “ブラック” にこだわる異色のゴルフウエアブランド「SLDO.」が目指すところを、このブランドを手がけるクロコデザインの社長を務める黒田裕也さんに聞いてみた。
ここ数年、エントリー層のゴルファーが急増したこともあって、ゴルフウエアの世界は活況を呈しており、ニューカマーの登場も相次いでいる。そんな中で、ストリートファッションやモードを意識した、“ブラック” でまとめたゴルフウエアが目立ちはじめている。とはいえ、ゴルフウエアを俯瞰すれば、まだまだ少数派だ。「SLDO.」を立ち上げたばかりのころを黒田さんはこう振り返る。
「できあがった製品をゴルフ場に持ちこむと、“ゴルフウエアに黒は似合わない。ホワイトやネイビーはないのか?” といつも言われました。なかなか受け入れてもらえませんでしたね」
確かに非日常を楽しむためのゴルフウエアのカラーは地味色よりも派手色が注目され、ホワイトやネイビーといったいわゆる定番色がバリエーションだった。そのためブラックを好んで着る空気はあまりなかった。もちろんストリートファッションやモードとゴルフウエアの接点もほとんどなかった頃だ。
「SLDO.」の “ブラック” のウエアはストリートテイストのやんちゃな黒でも、モードな黒でもない。「SLDO.」が “ブラック” にこだわる理由を黒田さんはこう話す。
「 “ブラック” のウエアはコーディネートするのが簡単です。シャツとパンツの組み合わせにあれこれと悩むことなく、なのにカッコよく見えるのが “ブラック” なんです」
下手に個性的な色を着るよりも黒を着ておけばハズさないし、おかしなルックスにはならないというのは確かかもしれない。かくいう自分も黒のアウターを選びがちだし、黒のタートルネックセーターの登場頻度が高いのを思い出す。それにリクルートスーツの主流が黒になっているのもそんな表れかもしれない。だがそれは日常生活で着るものであって、ゴルフウエアにも当てはまるのだろうか? 黒田さんはこう続ける。
「主にミドル世代の大人ゴルファーに向けて「SLDO.」を作っています。ですがその世代は体型に気をつかう間もないほどこれまで一生懸命働いてこられたと思います。そのため気がつくとお腹まわりが気になっている人が多いですよね。どれを買おう。どれをはいて行こう。なかなかしっくりくるパンツが見つからない。そんなゴルファーに私たちは寄り添いたい。買い物の手間を省きたい。そのために 「SLDO.」はネットを通じてお客様のずっとそばにいます(笑)」
コースでおしゃれ番長になれなくても、カッコいいゴルファーではありたいという色気は誰にでもあるのでは。理想はいいスコアを出して、見た目もカッコいい。ゴルフをはじめたころから変わっていないはずだ。だからといって、そのカッコよさを追求するために時間を割くほど暇ではない。だからこそ「SLDO.」を着れば、オートマティックにカッコいいゴルファーになれるというのがありがたいのだ。
「SLDO.」がこだわる “ブラック” の大きな特徴が、膨張色とは対極にある収縮色であること。つまり引き締め効果が期待できる色なのだ。ゴルファーらしいアイテムとされている白いパンツを思い浮かべてほしい。グリーンに鮮やかに映えるホワイトだが、実は典型的な膨張色といわれている。お腹まわりが気になるミドル世代には、この膨張色はコーディネートしにくく、カッコよく見せにくいカラーだ。だから鍛えぬかれたプロのようなルックスを再現するのは容易ではない。だが “ブラック” にはこうした厄介なハードルが存在しない。
それゆえに「SLDO.」のラインナップはほぼ “ブラック” で構成されている(全身がブラックになってしまうのはちょっと…という人向けに、ホワイトも一部用意されてはいるが…)。とはいえ “ブラック” を着ておけば、すべてが解決するというわけではない。「SLDO.」のウエアには “ブラック” のポテンシャルだけでなく、ミドル世代をカッコよく見せる工夫もたくさん凝らされているのだが、それはまた次回、黒田さんにうかがう。
コースでしか着られないような一発勝負の派手色や、もっさりとしたコンサバトラッド風の渋いカラーももちろん悪くない。だが黒いウエアがゴルファーっぽくないという思い込みは忘れてほしい。着る人を選ばず、どんなコースでも、ゴルファーを引き立ててくれる “ブラック” の価値に気づいてほしい。ブランド名には、身にまとう盾 “SHIELD” という意味が込められていると黒田さんは話してくれた。「SLDO.」の光沢感を抑えた深い “ブラック” には、コースに臨むミドル世代のゴルフスタイルにとっての頼もしい盾の役割もあるはずだ。
撮影/蜂谷哲実