ゴルフに行く車で好みの曲を聴くのはNG ラウンド前はなにを聞けばいいの?【ゴルフが整う自律神経のトリセツ】
BGMは車の運転につきものだが、「ゴルフに行く朝は、自分の好きな曲を聴いたらダメです」と、順天堂大学医学部の小林弘幸教授はいう。ゴルフ場へ向かう車中では、どんな音楽をかければよいのか。自律神経を整えるBGMについて教えてもらった。
配信日時:2023年4月9日 23時00分
朝ゴルフ場へ向かうとき、ほとんどの方はBGMをかけて車の運転をされると思います。車中一人きりの場合は、お気に入りの曲を数十曲も用意して乗り込む方もいるのではないでしょうか。
このBGMですが、ゴルフの前に聴くのに適した音楽は何かという話になると、決まって、「自律神経には、やはり優雅なクラシックがいいのですか?」と質問されます。
■曲に聴き入ると自律神経は乱れる
「クラシックでもロックでもポップスでも、ジャンルは何でもいいですよ。ただ……」。私の答えに少し安心した人が「えっ!?」となるのは、この後です。「ただ、ゴルフに行くときは好きな曲を聴いちゃダメです。自律神経が不安定になってしまいますから」。いつも聴いている好きな曲がNGだとは、意外に思われるでしょう。
その理由は、好きな曲はどうしても「聴き入ってしまうから」です。
それによってリズムにしても歌詞にしても、右から左へ流れることなく、脳でとらえられます。いろいろな考えがめぐり感情が豊かになることによって、交感神経が急激に優位になることもあれば副交感神経が下がりすぎることもあり、バランスが乱れてしまうのです。
■自然に耳に入るFMがオススメ
朝は、交感神経と副交感神経とがゆっくり入れ替わる時間帯です。それまで優位だった副交感神経が下がり始め、交感神経は目覚めとともに高まっていくことで、心身が睡眠モードから活動モードへと切り替わります。
これをスムーズに行うには、ジャンルにかかわらず自然に耳に入って、自然に抜けていくBGMが最適です。試合会場へ向かう車で洋楽、それもアップテンポなロックをかけるアスリートが案外多いのは、歌詞や曲に入り込まず、リズム重視で耳に入ってくるからだと考えています。
一般ゴルファーの方にオススメするBGMは、音質のいいFMラジオです。さまざまな分野の曲、普段聴かない曲、初めて聴く曲もかかるので、聴き入ってしまうことはまずありません。パーソナリティの話もゲストとの会話も実にバラエティに富んでいます。
音として自然に耳に入ってくる軽快さがいいのです。個人的には、別所哲也さんがパーソナリティをされているJ-WAVEの番組をかけて運転することが多いでしょうか。声のトーンや進行に安定感があり、落ち着いてハンドルを握れます。
皆さんも、ぜひ自然に耳に入ってくるBGMを見つけてください。(文・小林弘幸 構成・野上雅子)
●小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
1960年生まれ、埼玉県出身。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手やアーティストのパフォーマンス向上指導にかかわる。自律神経のバランスを意識的にコントロールすることにより心身の潜在能力を最大限発揮できることを提案し、テレビ番組等で解説している。著書も多数あり、2022年12月『ゴルフが上達する自律神経72の整え方』(法研)を刊行。