カツカレーVS醤油ラーメン 疲労を回復させて後半の大叩きを防ぐランチはどちら?
You are what to eat. あなたは、あなたが食べたものでできている。ゴルフもしかり。何をどう食べたかはプレーの良し悪しに表れる。パフォーマンスを上げる「ゴルフ飯」をスポーツ栄養士の土屋麻佑さんに教えてもらった。
配信日時:2024年1月18日 02時30分
前半は好スコアだったのに午後のハーフでまさかの大叩き。その一因は昼食にもあるかもしれない。何を、どう食べたら後半もいいパフォーマンスを維持できるのか。最終ホールまで疲れにくく、スイングを乱さないための昼食選びの基本をスポーツ栄養士の土屋麻佑さんに聞いた。
ゴルフ場レストランで人気の定番メニュー『カツカレー』と、これもまた人気の麺類から定番の『醤油ラーメン』。さて、どちらがゴルフランチに適しているのだろう?
「昼食は疲労から体を回復させ、午後イチの準備をすることが最重要になります。当然エネルギーを蓄えることが大切です。これらのヒントから考えると、昼食にカツカレーは『◯』、醤油ラーメンは『×』です。体の回復には、傷ついた筋肉を修復するたんぱく質が最も重要です。カツに使われる豚肉には、たんぱく質はもちろん疲労回復に役立つビタミンB1が豊富に含まれています。またカレーのルーには野菜や肉が含まれているため、しっかり栄養が摂れるのです。ただ、油脂が多くカロリー過多になりやすいのでダイエット中の方は要注意です」
では、醤油ラーメンは?
「醤油ラーメンだけでチャーシューや煮卵のトッピングがないものだと、たんぱく質が少なすぎ。そのうえ、ごはんがついていたりすると糖質が多すぎます。ゴルフ場のレストランでは肉焼売がついていたりしますが、中身のひき肉は脂質が多いため総合的に×としました」
カロリーも気になるところだが……。
「50歳の平均体重(71kg)の男性が1日にとっていいのは約2300kcalから2600kcal。18ホールのプレーで消費するカロリーは、乗用カートの場合450〜600kcal、歩行の場合は680〜1000kcalです。歩行ラウンドではカートより80kcal〜550kal多く消費するため、昼食でしっかりエネルギーを蓄えることが大切です。ちなみに朝食(500〜600kcal)を引くと持ち分はあと1700〜2100kcalほどあります。ダイエット中や食事制限のある方以外は疲労回復とエネルギー貯蓄を優先し、1日のトータルで調整しましょう」
メニューの選び方の方向性は分かった。だけど、食べ方にも注意が必要だと、土屋さんは言う。
「食べ方によってはプレーに悪影響が出かねません。食べ方3箇条を紹介しましょう。
1.腹八分目を心がける。ガッツリ満腹にすると後半身体が重く、眠くなる
2.早食いをしない。運動後は特に緊張状態にあり消化機能が低下。食物をよく噛まないと体への負担が大きい
3.スタート15分前までには食べ終え、後半に向け体にスイッチを入れる
次のゴルフでは、気候や体調によって『今日は何を食べたらいいスコアで回れるかな』とメニュー選びを楽しみ、食べ方にもぜひ気をつけてみてください。最後まで疲れにくく、スイングが乱れないラウンドを実感してください」
■解説・土屋麻佑
管理栄養士(スポーツ栄養士)。女子栄養大学実践栄養科卒。(株)ティップネスでのトレーナー業務を経て、全国の病院・介護施設向けの治療食を扱う組合本部で商品開発等に携わる一方、2019年からアスリートの栄養指導や調理の指導を開始。プロを目指す学生アスリートからJリーガー、アメフト選手など幅広く指導を行っている。2020年からアスリートと栄養士を繋ぐプラットフォーム「FOODLETE!」を運営