嫌いなものを無理して食べない「無理に口にした瞬間、バランスを崩す」【ゴルフが整う自律神経のトリセツ】
ゴルフの朝は慌ただしいが、エネルギー補給と自律神経を目覚めさせるためにも朝食は欠かせない。ただし「嫌いな物を食べるのはNGです」と、順天堂大学医学部の小林弘幸教授。ストレスがかかって血流や腸内環境まで悪化するというから要注意だ。
配信日時:2023年4月17日 22時30分
新型コロナウイルス感染防止の観点から、昼食なしの18ホールスループレーを採用するゴルフ場がコロナ禍以降増えてきました。朝、時間がなくて朝食を食べずに出かけてしまい、後半はおなかがすいてつらかった……という苦い経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
昔から「朝食は金」といわれるように、エネルギーを取り入れるのにも自律神経をバランスよく働かせるのにも、朝食は欠かせません。
■肉、魚、卵などは自律神経の源に
消化管への負担を考えても朝昼晩を2対1対2のバランスで取るのが理想ですから、ゴルフの日は特に朝食が最重要といえるでしょう。
では、何を食べるかですが、以前はよく「朝食はバナナとヨーグルト程度で十分」といわれていました。しかし自律神経の面からいうと、例えばゴルフ場のレストランメニューにある和定食、「ご飯、みそ汁、焼き魚、納豆、卵焼き、お新香」などをしっかり食べるのがベターです。
特に、肉、魚、卵といった動物性タンパク質は自律神経の源になりますのでオススメです。時間があれば自宅で食べてもいいですし、途中のファミレスやゴルフ場のレストランで食べるのもいいでしょう。
朝早く出発してゆっくり朝食を取ることも自律神経のバランスを整えるのにプラスになります。
■無理に口にした瞬間、消化管は動かなくなる
ただし、いくら健康のためとはいえ、嫌いな物を無理して食べる必要はまったくありません。魚、納豆、漬物……人によって苦手な食材はそれぞれあると思いますが、嫌いな物を食べなければいけないと思うと、どんな人でもストレスを感じ、交感神経がグンと上がってしまうからです。
それによって血流や腸内環境が悪化し、嫌いな物を口に入れた瞬間には消化管の動きがほとんど止まり、吸収もされなくなります。そこまでしてあえて食べることはありませんし、スタート前にエネルギー補給と自律神経を整えるための朝食を取ろうというのに、逆にバランスを乱してしまっては本末転倒になりますので、無理は禁物です。
嫌いな物はさらりと残し、自分の好きな食材で、炭水化物、脂質、タンパク質をバランスよく上手に取るよう心がけましょう。
朝コップ1杯の水を飲むことで脱水を補い、消化管の働きを活発にする飲み方についてはすでにお話ししました。実践された方はお気づきでしょうが、それによって交感神経も目覚めて食欲が出ます。
さらに、しっかり朝食を取ることで体内時計も動き始めるはずです。(文・小林弘幸 構成・野上雅子)
●小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
1960年生まれ、埼玉県出身。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手やアーティストのパフォーマンス向上指導にかかわる。自律神経のバランスを意識的にコントロールすることにより心身の潜在能力を最大限発揮できることを提案し、テレビ番組等で解説している。著書も多数あり、2022年12月『ゴルフが上達する自律神経72の整え方』(法研)を刊行。