カート道に止まったボールは救済を受けられる! 正しい救済方法とポイントを解説
カート道にボールが止まっているのを見つけたとき「コンクリートから打つのは怖いから動かしたい」「動かしても良いと分かっているものの、正しい方法が分からない」と思ったことはないだろうか? この記事では、カート道からの救済の正しい受け方とポイントを解説している。競技ゴルファーだけでなく、エンジョイゴルファーにとっても覚えていて損はない情報だ。
配信日時:2023年3月31日 08時05分
1.【Q】カート道にボールが止まっている場合、救済は受けられるのでしょうか?
例えば、ティーショットを打ったらカート道にボールが止まっている場合、そのまま打つとクラブが傷ついたり、手を怪我したりしそうだと思います。普段は近くのラフに適当に置いているのですが、競技に出てみたいと思っており、救済を受けられるのか教えていただきたいです。
【A】カート道にボールが止まった場合、無罰の救済を受けられる。
カート道は「動かせない障害物」に該当し、無罰の救済が受けられることが、「規則16 異常なコース状態(動かせない障害物を含む)、危険な動物の状態、地面にくい込んだ球からの救済」で定められている。カート道にボールが止まった場合はもちろん、スタンスがカート道にかかるときも救済の対象だ。
ニヤレストポイントを基点に、1クラブレングス以内の救済エリアに、ピンに近づかないようにドロップしてプレーを再開しよう。
2.カート道からの正しい救済方法3ステップ
カート道にボールが止まったときや、アドレスしたときに足がカート道にかかる場合は以下の3ステップで救済を完了させよう。
- 【STEP1】ニヤレストポイントを決定する
- 【STEP2】救済エリアを決定する
- 【STEP3】ボールを膝の高さからドロップする
【STEP1】ニヤレストポイントを決定する
カート道を完全に避けてショットができ、ピンに近づかず、元のボール位置から最も近い場所を決めて、ティやグリーンフォークなど目印となるものをその場に立てよう。
例えば、ボールがカート道の真ん中に止まっていた場合、右打ちであれば基本的にカート道の左側がニヤレストポイントになる。カート道の右側はスタンスを取る分元のボール位置から遠ざかるため、ニヤレストポイントにはならないのだ。
また、ターゲット方向に木が立っている場合、木を避けられるほうにニヤレストポイントを決めたくなってしまうが、そういった事情は考慮されないことも覚えておこう。
【STEP2】救済エリアを決定する
ニヤレストポイントを基点に、パター以外のクラブで一番長いクラブを置き、基点と反対側に目印となるものを立て、救済エリアを決定しよう。基本的にはドライバーを使用するが、パター以外のクラブであればどのクラブを使っても問題ない。
【STEP3】ボールを膝の高さからドロップする
決定した救済エリアに、膝の高さからドロップし、ボールが止まったら救済完了となる。
もし、膝の高さからドロップしたボールが救済エリアに止まらなかった場合、ボールを拾い上げて再度ドロップを試みよう。それでも止まらないときは、2度目のドロップをした地点にプレースしてプレーを再開できる。
ただし、昔のルールのように肩の高さからドロップしたり、膝の高さより低い位置からドロップした場合「間違った方法」とみなされてしまう。間違った方法でドロップしたボールをショットすると、救済エリア内であれば1打の罰、救済エリア外であれば2打の罰が科されてしまうことも留意してほしい。
3.カート道からの救済を受けるときに覚えておきたいポイント
カート道からの救済を受けるとき、覚えておくとより有利にプレーを進められるポイントとして以下の3つが挙げられる。救済を受けられるからと毎回動かしていると、不利な状態に陥ることもあるため、押さえておこう。
- ・カート道内にスタンスがあるときも救済を受けられる
- ・救済を受けるかは自分で決められる
- ・悪いライにドロップしても救済エリア内では再ドロップできない
カート道内にスタンスがあるときも救済を受けられる
ボールが芝の上にあったとしても、アドレスをしたときに足がカート道にかかっていれば救済を受けることができる。
カート道がコースの左側にある場合は積極的に活用すると良いだろう。例えば、目の前に木があって邪魔になるシチュエーション。カート道にスタンスがかかっていれば、ニヤレストポイントを基点に1クラブレングスまで動かせるので、木が邪魔にならないところまでボールを出せる可能性があるからだ。
救済を受けるかは自分で決められる
救済を受けることで急斜面から打つことになったり、木の後ろから打たなければならなかったりする場合、カート道からの救済を受けないという選択もできる。もちろんクラブが傷ついたり、怪我を避けたりしたいならば救済を受けることをおすすめする。
しかし、競技に出ていて一打を争う場面であれば救済を受けない選択肢を取ってもいいだろう。その場の状況に応じて自分で判断しよう。
悪いライにドロップしても救済エリア内では再ドロップできない
救済を受けてドロップした球がぬかるみで埋まってしまった場合でも、救済エリア内で止まっていればプレーを再開しなければならない。せっかく救済を受けても、難易度が上がってしまっては意味がない。ボールをドロップするときは、救済エリアの中でもライの良い場所を選ぶことを心がけよう。
4.まとめ
現在では多くのゴルフ場でカートが使われており、コース保護の観点からカートが通行する道が整備されている。カート道上や付近にボールが止まることも少なくないだろう。救済方法を正しく理解していれば、クラブを傷つけたり、怪我したりすることなく、さらによりスコアにつながりやすくプレーできる。競技に出ているゴルファーはもちろん、エンジョイゴルファーにとっても覚えていて損はないルールだ。