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    心にもない「ナイス!」の掛け声 むやみに言うべきではない納得の理由【ゴルフが整う自律神経のトリセツ】

    ゴルファーなら仲間がバーディを取れば「ナイスバーディ!」、パーを拾えば「ナイスパー!」というのは普通。しかし、「あまり『ナイス!』を連発すると自律神経が乱れます」と、順天堂大学医学部の小林弘幸教授。人のプレーを褒めるのは本当にそう思ったときだけで十分だ。

    配信日時:2023年3月24日 02時30分

    • ゴルフライフ
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    イラスト・のり
    イラスト・のり
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    一般ゴルファー同士のラウンドでは、同伴競技者のショットを褒めることは、ある程度お決まりになっています。中には他の人が打つほぼ全ストロークに「ナイスショット!」、「ナイスアプローチ!」、「ナイスパット!」と、ナイスの掛け声を連発する人もいます。

    ■違和感や矛盾が自律神経を乱す
     
    打球の行方もろくすっぽ見ず「ナイスショット!」と声を掛けるものだから、その後、球はあれよあれよという間にスライスしてOB……となりバツの悪い思いをするケースもあります。
     
    自律神経のバランスを維持するためには、「ナイス!」の連発は明らかにマイナス行為になります。私だったら、同伴者のプレーに対して「ナイスパー!」とか「ナイスバーディ!」とか声を掛けることは滅多にしません。思ってもいないことを口に出すと自分の中で違和感や矛盾が生じ、それが心に引っかかって自律神経が乱れてしまうからです。
     
    それに、例えば自分のパーパットがカップに蹴られてボギーを打ったときに、相手がたまたまパーを取ったりしたのを褒めるのは癪じゃないですか。相手を持ち上げた反動で、自分の潜在的な対抗心や不満、自信喪失が膨らんでしまうこともあります。
     
    ■回数を減らすぶん、ひと言つけ加える
     
    もちろん本当にいいプレーには私も自然に「ナイス!」といいます。下り傾斜から絶妙アプローチで寄せたり、外しごろの嫌なパットをきっちり入れてパーを取ったりしたら、すごいなあ、うまいなあと思うからです。いうというより「自然に出る」のほうが近いでしょうか。
     
    自然に出るわけですから違和感はないし、気持ちと言葉が一致しているので矛盾も感じません。ストレスがなければ交感神経は高まることなく、また副交感神経も下がりすぎず、自律神経の安定を維持することができます。
     
    皆さんも、さほどでもないショットに「ナイス!」をいうのは、そろそろやめにしませんか? ナイスの基準を少し上げ、それに達していれば自然にいう、達していない場合は静かにスルーしていいと思います。
     
    ナイスの回数は減りますが、もし接待だったら、何をナイスと感じたかつけ加えてはどうでしょう。「柔らかいボールですね。私もそういう寄せ方に憧れます。うらやましいなあ」という感じです。
     
    これならストレスになりませんし、相手も自分のプレーをしっかり見てくれたと感じる
    はず。褒めるほうも褒められるほうもリラックスして自律神経が整うでしょう。(文・小林弘幸 構成・野上雅子)
     
    ●小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
    1960年生まれ、埼玉県出身。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手やアーティストのパフォーマンス向上指導にかかわる。自律神経のバランスを意識的にコントロールすることにより心身の潜在能力を最大限発揮できることを提案し、テレビ番組等で解説している。著書も多数あり、2022年12月『ゴルフが上達する自律神経72の整え方』(法研)を刊行。

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