ゴルフの準備はいつしている? 早すぎるのは逆効果だった!【ゴルフが整う自律神経のトリセツ】
皆さんはゴルフの準備をいつしているだろうか。順天堂大学医学部の小林弘幸教授によると「当日の朝はもちろん、早すぎても自律神経を乱します」。直前もよくないが、2〜3日前の荷造りも用意周到なようで逆効果というから意外だ。最適な準備タイムを教えてもらった。
配信日時:2023年4月26日 22時30分
大事なゴルフや気合の入ったゴルフのときほど2〜3日前に準備万端持ち物をそろえ、安心して出発を待つばかりにしておきたい気持ちは分かります。直前になってバタバタしないよう、やることは早め早めにやっておくほうが効率もいいようにも思います。
しかし実は、準備が早すぎるとかえって非効率的になりがちです。不安が生じて自律神経は乱れがちになることにも、多くの方は気づいていないようです。
■バッグ類は内玄関に置き、ウェアは枕元にたたんで寝る
というのも、2〜3日あると天気予報が変わります。体調や気分も変わり、記憶も曖昧になります。「雨用のズボンに換えたほうがいいかな」、「ハイネックを入れたけど暑くなるかな」、「帰りに履く靴下は入れたっけ?」、「そういえばボールの補充をしていないな」……用意した荷物に過不足はないか、換えたほうがいいか、荷造り後も不安で心配し続ける人もいるのではないでしょうか。これでは自律神経も乱れます。
そこで私は、夕飯を終えてから寝るまでに翌日のゴルフの準備をしています。前夜には気温、湿度、降水確率、風など詳細な予報が出ていますので必要なものをテキパキそろえられます。
クリーニングから戻ってくるのを待ったり、ゴルフショップで買ってきて後で入れようと思って忘れることもありません。キャディバッグとボストンは玄関に、ウェアはベッド脇にたたんで床に就きます。翌朝もし寝坊しても着替えてすぐ出かけられる点もプラスαの安心になります。
■心地よい入眠を得るには、夕飯後の入浴前が狙い目
「寝る前に準備をすると頭が冴えてしまい、なかなか寝つけない」という方は、夕飯から就寝までの流れを見直してみてはいかがでしょうか。
そもそも準備を夕飯後に行うのは、胃腸の負担を少なくするため就寝の3時間前までに夕飯を終えたいからです。さらに、入浴後30分から小1時間経過して体のほてりが冷め、副交感神経が高まってくると睡眠に入りやすくなるのを逃したくありません。
例えば10時半に寝たいなら、夕飯は7時くらいから食べ始めて7時半までに終え、入浴は9時半か遅くとも10時には終えているように行動します。そうすると、入浴にかかる時間にもよりますが、ゴルフの準備は8時から9時までの間にするのがよいでしょう。
湯船に浸かりながら頭の中で準備したものを再確認して、入れ忘れに気づいたら入浴後に補充できます。
体が冷めてきて寝る態勢が整ったら、スマホを手の届かないところに置いて布団に入ります。そして「3番ホールまでドライバーを使わない」、「ショートパットは強めに打つ」など明日の方針を2つか3つ決め、理想のプレーをイメージしましょう。心身ともリラックスして自律神経のバランスが整い、心地よい眠りに入れますよ。(文・小林弘幸 構成・野上雅子)
●小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
1960年生まれ、埼玉県出身。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手やアーティストのパフォーマンス向上指導にかかわる。自律神経のバランスを意識的にコントロールすることにより心身の潜在能力を最大限発揮できることを提案し、テレビ番組等で解説している。著書も多数あり、2022年12月『ゴルフが上達する自律神経72の整え方』(法研)を刊行。