めったにないウォーターショット 球を“前”に飛ばすのと“上”に打つのはどっちが脱出できるのか?
打ったボールが池ポチャ。でも、ライが悪くなければウォーターショットを狙うのも一つ。その脱出のコツとは?
配信日時:2024年7月30日 22時32分
トーナメント中継を観ていると、たまにプロが池からのショットに挑戦していることがある。水しぶきを上げながら見事に脱出させるさまがとても印象的だが、実際、アマチュアでもウォーターショットは打てるのだろうか。かつて世界一にも輝いた宮里藍の父でありコーチの優氏は、「バンカーショットを応用すれば、ウォーターショットが打てます」という。そのコツを教えてもらった。
「砂に比べて水の抵抗のほうが断然大きく、インパクトでのヘッドスピードがより必要になります。それを踏まえたうえで、まずは打てるか打てないかのライを見極めてください。球のテッペンが水面下にギリギリ沈んでいるくらいが、プロでも打てる限界になります。そして、打ち方のポイントはフェースを開かないこと。フェースを開くとバンスが作用して、水に当たる瞬間の抵抗力がものすごく増します。ソールではなく、リーディングエッジからクラブを水に入れていくようにしましょう」
フェースを開かないバンカーショットということは、目玉からの打ち方に近いということか。
「そのとおり。球をスタンス中央にセットして左足体重のハンドファーストで構えます。そして、コックを積極的に使って上から鋭角に叩き込みましょう。池から脱出させるには、球をクリーンに打ったほうが飛ぶと思っている人がいます。しかし、クリーンに打つと球は“前”に進んでしまう。一方で、球の下にクラブを滑り込ませてやれば、球は“上”に進もうとします。つまり、“上”に進んだほうが早く水から抜け出せるため、球の手前からダフらせるようにクラブを入れるほうがいいのです」
バンカーのエクスプロージョンのイメージで、リーディングエッジからヘッドを入れて打つ。確かにこれならしっかり水からアウトさせられそうだ。
「ここでもう一つ、ウォーターショットの注意点をお話ししましょう。これは2006年のミズノクラシックで、藍がウォーターショットに挑んだときのこと。実はこれが藍にとって初めてのウォーターショットで、そのときジャブジャブと池に入っていったのです。それを観ていた私はとてもハラハラしました。もし、勢いよく水に入ったことで波が立ち、その波で球が動いたら1打罰になります。ですから、ウォーターショットを打つときはくれぐれも慎重に対処しましょう」
慣れない状況だと、余計なミスを起こしやすくなるもの。ウォーターショットに挑戦する場合は、ルールについても念頭に置いたうえでチャレンジしてみよう。
◾️宮里 優
29歳でゴルフをはじめ、独学でゴルフ理論を構築。36歳の時に男子プロトーナメントの大京オープンにアマチュアとして出場。その後、ティーチングプロの道を歩む。子供たちと一緒に楽しみたいとやらせたゴルフだが、結果的に聖志・優作・藍の3人共プロゴルファーの道を選んだ。
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