普段、練習場で打っている人を見ていると持っている力を出し切っていない人がたくさんいます。だいたい5割の人は力を出し切っていないですね。それは、どんなところから感じるのかというと、スイングのことばかり考えて気持ちよく振り切れていないところとか、もともと、クラブを速く振るということを知らないところですね。

　どちらも、力を出し切れていないというよりも出し方を知らない、忘れてしまったという事なんです。よくある光景ですが、野球をやっていた人は、バットに比べるとゴルフクラブがおもちゃのように軽いのでブンブン振り回せます。野球選手はスイングが速いほうが当たった時に遠くに飛ぶというのを知っているので、思い切り力いっぱい打とうとします。ところが、野球の打ち方とゴルフの打ち方は少し違うので、どスライスばかりです。これを、思い切り振ったままスイング改造をすれば良いのですが、そうもいかず、ゆっくり正しいフォームを身につけようとしてるうちに振れなくなってくるのです。野球選手に限らず、昔は飛んでいた、ヘッドスピードが速かったという人が、今は飛ばない、ヘッドスピードが遅くなったという人は、ただ、速く振る方法を忘れてしまっただけですね。

　あと一つの原因は、もともとクラブを速く振るということを知らないという人になります。極端な話をすると、180cmの80kgでマッチョな人が並みのヘッドスピード、飛距離だったらもったいないですよね。それは、振り方を知らないだけなんです。ゴルフを始めたばかりの人でも、いきなり自分の持っている力を出し切って速く振れる人もいれば、最初は振りづらく、速く振れない人もいます。それは、一言で言うとクラブを振るセンスがあるかどうかということです。始めたばかりだから速く振れないのが当たり前なんだけど、センスがある人は速く振れてしまう、速く振る振り方を知っているということです。

　速く振る感覚を覚える方法、思い出す方法を紹介します。とにかく、いろんなものを思い切り振ってみることです。ゴルフクラブ、バット、練習用の重いクラブ、ゴルフ場の旗竿、ハエたたき、テニスラケット、バドミントンラケットなどなど。思い切り振るときにどう振れば速く振れるのかを考えます。力を入れるというよりはスピードの勝負ですから、必要なところに必要な分だけ力が入っていれば、あとは、楽にリラックスしておかないといけませんね。足をどれだけ動かしたほうが速く振れるのかとか、ホームラン王の王選手のように一本足で打ったほうが速く振れるのかとか、手首を使ったほうが速く振れるのかとかいろいろ工夫してみると分かりやすいはずですよ。

　僕なりの速く振るコツは、スイング中バックスイングに少しも力まないということ。切り返しからダウンスイングでもあんまり力んではダメです。少しなら大丈夫ですが。一番大事なのはインパクトのゾーンのところだけ一瞬だけ力を入れて腕の振りとクラブの振りのスピードを一瞬だけ最高に上げてやるという事です。スイング中全体が素早く振れるという事はありません。実はインパクト前後だけ速くなるものなんです。

是非お試しください。