前回は、スピード感、距離感のお話でした。あそこに転がすためにはどのくらいのスピードで打ち出せばよいかということでした。今回は方向性、グリーンの読みについて考えてみたいと思います。これも前回の最後の話に似ています。カップに入れるためにはどこを通過しなくてはいけないのか?というように曲がる大きさを想像できるようにならないといけません。

　グリーンの読み(どれくらい曲がるだろうかを想像する)の話になります。ボールは必ず高いところから低いところに転がります。傾斜の角度が大きければ、コロがる量も大きくなりますから大きく曲がるということになり、傾斜が小さければコロがる量が少なくなるのだから曲がる量も少なくなります。たまにグリーンの芝目の方向でボールが曲がってしまうこともありますが、まずは傾斜の見極めが大事になります。

　傾斜を読むために、ボールとカップの延長線上で目線を低くして傾斜を見るとどのくらいの角度で左右に傾いているのかが見やすくなります。右が高ければ左に曲がり、左が高ければ右に曲がる傾斜だということになります。次に、ボールとカップを結んだ線のちょうど真ん中くらいのところで、ボールとカップを結んだ線からちょうど90度のところに立ってからラインを見ると、上り下りの傾斜を読むことができます。ボールのほうがカップより高ければ傾斜がカップに向かって下っている事になりますから下りのライン、カップのほうがボールより高い位置にあれば、傾斜が登っている事になりますから上りのラインになります。同じ距離の平たんなところに比べれば、上りのほうが距離を長く打たないと届かないし、下りだと短く打たないといけませんよね？グリーン上で傾斜を読むためには、まずは、カップとボールを結んだ線の後方から見て左右どっちに曲がるかを見る。そして、線に対して直角になるところに移動して上りか下りかの傾斜を見る。さらに、カップからボールのほうを見て左右の傾斜を再確認して、最後にまた90度のところからもう一度上り下りを確認するという具合にボールとカップを結んだ線を1周してラインを見つける癖をつけましょう。ボールの後ろから見る人は100％ですが、1周する人は20％くらいではないでしょうか。

　このくらいの傾斜ならこのくらい曲がるという勘と経験を手に入れましょう。ベテランゴルファーならこのくらいの傾斜ならこのくらい曲がると予想しやすいのでしょうが、ゴルフを始めてまだ日が浅い人はどのくらい曲がるのか見当もつかないでしょう。どれくらい曲がるのかは、傾斜の見た目で予測できますし、もし、目に見えない傾斜を見つけるのであれば、足の裏で感じるのも良い方法です。大きな傾斜のところに立ってみると傾斜がどっちに傾いているかくらいは分かると思います。傾斜が大まかに分かるのであれば、どっちに曲がるのかも大まかには分かっているのです。小さな傾斜でもよく観察してみると、どっちに傾斜しているか分かるようになります。これは訓練すれば誰にでもわかるようになることですので、普段から傾斜を見分ける訓練と、足の裏で傾斜を感じる癖をつけるようにしましょう。傾斜になれる練習法として、実際にボールを転がしてみるということがあります。ゴルフの日の朝早めに練習グリーンに行って、ボールを転がしてみるのです。パターで打つ必要はありません。この傾斜だとこのくらい曲がるのかなとボールを手で転がし投げてみれば良いのです。ボールのスピードによって曲がり幅も変わってきますし、傾きの大きさの違うところに転がしてみるとこれもまた曲がり幅が変わってくるでしょう。その結果を頭にインプットしておくとこのくらいの角度の傾斜の時はこれくらい曲がるんだとすぐにイメージできるようになるのです。