打ち急ぐ人は、宮里藍を思い出して! あの“ゆっくりリズム”なら「飛んで曲がらない」
手先でヒョイとクラブを上げてしまいがちな人は、パワーの蓄積ができておらず、飛距離を損している。
配信日時:2024年3月24日 23時00分
女子ツアーの中継を観ていて、「なんで自分より小柄なのにこんなに飛ぶんだろう」と感じたことがあるのでは? かつて世界一にも輝いた宮里藍も、外国人選手に比べて小柄だったが平均240ヤード以上は飛ばしていた。そして、宮里藍といえばゆっくりとしたテークバックが印象的。父でありコーチの優氏は、ここに飛ばしのヒントが隠されているという。
「アマチュアは体をねじるより、とりあえず両手をトップの位置に上げてしまいがち。いわゆる〝担ぎ上げ〟になっていて、それでは飛距離は伸びません。そもそもテークバックの目的はパワーの蓄積。パワーは体をねじることで得られるのです。また、勢いや反動でクラブを上げると正しい軌道から外れてしまいます。だからこそ、テークバックは『ゆっくりリズム』で行い、正しいプレーンにクラブを乗せることが大事なんです」
体をねじりながらゆっくりとテークバック……。言葉では理解できるが、自分ではねじっているつもりができていなかったり、体が硬かったりと、難しいと感じるアマチュアも多いだろう。
「体をねじる際のポイントは肩で、左肩が右肩の位置と入れ替わるぐらいしっかりと上体を回したい。ヒョイと手で上げてできるものではないので、『ゆっくりリズム』を意識しながら、両手ができる限り遠回りしてトップにたどり着くイメージを持ちましょう。『肩を回す』意識が難しい人は、『右肩を後ろに引く』とか『腕を右に回す』、『背中をピンに向ける』など、イメージの仕方を変えてみてください。それだけで、できなかったことが急にできたり、やりやすくなったりしますよ」
ゆっくりとテークバックができたらあとはダウンスイングだが、優氏は、「インパクトのとき下半身が45度ほど開き、腕を振り抜くスペースがあると、ヘッドがグンと加速して飛びます」と教えてくれた。
『ゆっくりリズム』でテークバックすれば、自然とトップでタメが作れて、下半身先行のダウンスイングが完成する。飛距離に悩んていたり、手で打ちにいきがちな人は、まずは〝ゆっくり〟を意識してみて欲しい。
◾️宮里 優
29歳でゴルフをはじめ、独学でゴルフ理論を構築。36歳の時に男子プロトーナメントの大京オープンにアマチュアとして出場。その後、ティーチングプロの道を歩む。子供たちと一緒に楽しみたいとやらせたゴルフだが、結果的に聖志・優作・藍の3人共プロゴルファーの道を選んだ。
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