15歳でツアー最年少Vのイ・ヒョソン、ハイトップからの“ベタ足”インパクトで飛距離と方向性を両立【女子プロのアイアン技】
5月の国内メジャー「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」をツアー史上最年少の15歳176日で制したイ・ヒョソンのスイングを、青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太が解説する。
配信日時:2024年9月3日 21時35分
今季、活躍している女子プロたちのアイアンスイングには、アマチュアゴルファーの悩みを解決してくれるヒントがいっぱい。今回取り上げるのは5月の国内メジャー「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」をツアー史上最年少の15歳176日で制したイ・ヒョソン(韓国)。プロ転向を果たし、今週はメジャー連勝をかけて「ソニー 日本女子プロゴルフ選手権」に出場する現役女子高生のスイングを、青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太が解説する。
◇
特徴的なのはショートハイトップです。胸は90度、腰は45度以上回っていながら体の正面からクラブが外れない。すでにトッププロのようなスイングが完成されていて、15歳でこれはスゴイです。
ハーフウェイバックまではフェースをシャット(閉じ気味)に使い、左足体重で縦にクラブを上げています。そして、ダウンスイングでは下半身リードで右腰をしっかり回していくのですが、インパクトは右カカトが浮かずほぼベタ足の形。韓国の先輩プロたち、イ・ボミさん、キム・ハヌルさん、アン・ソンジュさんもベタ足で下半身が静かに動きます。土台が安定するため、飛距離と方向性が両立するのです。
右腰を回転しながらベタ足でしっかり地面を蹴ってボールを押し込むには、右足の甲の上にクラブを置いて打つドリルが有効。右足が早くめくれるとクラブを落ちてしまうので、ベタ足のまま腰を回転できるようになります。
■イ・ヒョソン
2008年11月11日生まれ、韓国出身。2023年に「韓国女子アマ」で優勝の資格で出場した今年の国内女子メジャー「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」で史上8人目のアマチュアVを達成した
■大西翔太
おおにし・しょうた/1992年生まれ、千葉県出身。青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務めてツアーを転戦。スイング理論に精通し、ジュニアゴルファーの指導も行うなど、多方面で活躍している。プロゴルファーの大西葵は実の妹。
◇ ◇ ◇
●グリーンを狙うアイアンショットはダフれば大ショート、トップすれば大オーバーの危険も。関連記事の【アイアンが当たらない人は「右ヒジからお腹に振って」ミート率アップ!】では、ツアー1勝の永井花奈がアイアンで重要な右ヒジの使い方を紹介している。