さあ大ピンチ! バンカーで目玉に……出すだけなら「トゥから入れる」けど、寄せるにはヘッドをどう入れる?
目玉からのバンカーショットは脱出するだけでも一苦労。しかし、プロのようなテクニックを使えばピンに寄せられる。
配信日時:2024年7月25日 06時21分
バンカーショットの中でも難易度が高い“目玉”。出すだけでも一苦労だが、プロは寄せることまで可能にしている。「カットスピンをかければランを極力抑えられるので、ピンに寄せられます」と話すのは、かつて世界一にも輝いた宮里藍の父でありコーチの優氏。目玉からピンに寄せるスーパーテクニックを聞いた。
「ピンに寄せるバンカーショットの前に、まずは目玉から脱出する方法をお伝えします。最も簡単に脱出させるには、フェースを思い切りクローズに構えてクラブのトゥ側から砂に差し込んでいく必要があります。これは、船の舳先が水を裂くのと同じ役割を果たし、砂の抵抗を最小限にするため。目玉の場合、球の真下までリーディングエッジを届かせることが大切ですからね」
通常のバンカーショットはフェースを開いてヒール側から入れるのがセオリーだが、目玉からの脱出はトゥから砂に入れるわけか。
「通常のバンカーショットと異なる点は他にもあります。まずボール位置ですが、球を左足の前に置いてダフりやすいアドレスにする通常のバンカーショットに対し、目玉ではスタンスの中央にセットします。体重は左足に多くかけ、テークバックではコックを積極的に使って急角度にクラブを引き上げる。これで鋭角に打ち込むことができます。コックが使いにくい人は、ハンドダウン気味にアドレスしてみてください。手首に角度が付くので、最初からコックをしているのと同じ状態になります」
これで目玉からの脱出はできるわけだが、スピンがかからないためピンには寄らない。目玉から寄せることは本当にできるのだろうか。
「スピンを効かせるためには、フェースをスクエアにセットしてハンドファーストに構えます。ハンドファーストならバンスが効きにくくなるため、リーディングエッジを真っ先に砂に入れられる。クローズにセットしたときほどではありませんが、球の真下までクラブを差し込みやすくなります。そして、ヘッドをできるだけ球の近くに入れていき、可能な限り砂を薄く取りましょう。砂を薄く取ればスピンがかかりやすくなるのは、通常のバンカーショットと同じです」
目玉からただ脱出するだけのときと比べて、ピンに寄りやすくなってきた。これをプロみたいにもっと寄せるにはどんなコツがいるのだろう?
「球を中央にセットして左足体重、リーディングエッジはスクエアでハンドファーストに構え、コックを使って上げるのは同じ。この状態からがっつりオープンスタンスにして、スタンスに沿ってアウトサイド・インにクラブを叩きつけるように振る。これで球にカットスピンがかかり、ランを極力抑えることができます」
大事故になりかねない一か八かのショットではあるが、難しいショットに挑戦したいなら試してみるのも面白いだろう。
◾️宮里 優
29歳でゴルフをはじめ、独学でゴルフ理論を構築。36歳の時に男子プロトーナメントの大京オープンにアマチュアとして出場。その後、ティーチングプロの道を歩む。子供たちと一緒に楽しみたいとやらせたゴルフだが、結果的に聖志・優作・藍の3人共プロゴルファーの道を選んだ。
◇ ◇ ◇
●どんなスイング理論でも全ての人には当てはまらない。関連記事『【診断】手のヒラを擦る? 目を閉じてその場で足踏み? 新感覚の理論で自分に合ったアドレスを見つけよう!』をチェック!