メンタルの専門家が指摘!「目指すべきは直近10ラウンドのベストスコアです」その意図は??【“こころ”で芯喰い】
人間というのは自分のことを過小評価しがち。特にゴルファーはその傾向が強く、潜在能力の半分以下しか力を出し切っていないという。どうすれば本来持っている力を発揮できるのか。その方法を考えていこう。
配信日時:2023年10月30日 02時24分
皆さんは自分の潜在能力というものを考えたことがあるでしょうか。私が見る限り、ほとんどのゴルファーが自身の潜在能力を過小評価しています。数字で示すと、本来持っている力の20~30%が自分の実力だと思っている人が多いようです。
まずは「自分はもっとできる」という気持ちを持つことが大事ですが、「もっとできる」を現実にするためにはどうすればいいでしょうか。ゴルフにおける潜在能力の引き出し方を紹介しましょう。
基準とするのは、直近の10ラウンドのベストスコアと平均スコアです。平均スコアはひとまず置いておき、次の10ラウンドはそのベストスコアより1打でも良くすることを目標にプレーします。ベストスコアが86だったら次の10ラウンドでは85を目指す。仮に1ラウンド目で85以下のスコアが出たとしても、残り9ラウンドの目標はあくまでも85にします。そして10ラウンドをプレーしたら、同じようにベストスコアを引っ張り出し、次の10ラウンドはそれを1打でも少なく回ることを目標にします。毎ラウンド明確な目標を持つことで高いモチベーションをキープすることができ、平均スコアも自然と良くなっていきます。
もし「平均スコアを縮める」という目標だけ立てると、目標そのものがぼやけてしまい、ベストスコアはなかなか出せません。また10ラウンドという区切りを設けず、「ベストスコアを出す」という目標だけでも、何となくプレーをしてしまうことがあり、なかなか平均スコアが縮まらないものです。
10ラウンドのスパンは長すぎるという人は、5ラウンド区切りでも構いません。常に前回のスパンでのベストスコアを更新するつもりでプレーする。そうすればアナタの潜在能力がどんどん引き出されるはずです。
こだま・みつお
追手門学院大学特別顧問。過去25年にわたりツアープロのメンタルカウンセラーを務める。現在、6名のツアープロのメンタル面をバックアップしている。日本スポーツ心理学会会員
※『アルバトロス・ビュー』839号より抜粋
”こころ”で芯喰い