“いいスイング=いいスコア”ではない 練習場で陥りがちな「見栄え」という落とし穴、アナタは大丈夫?
練習場では、理想のスイングで真っすぐ高い球で飛ばしたい。しかし、それではスコアは改善しないという。一体なぜ?
配信日時:2024年8月21日 23時32分
一生懸命練習をして、いいスイングで打てるようになったのに、いざ本番になるとほとんど力を発揮できない。かつて世界一にも輝いた宮里藍の父でありコーチの優氏は、「練習でいいスイングをしてもスコアは良くならない。まずは本番への心構えの矯正をしましょう」という。今の実力を最大限発揮するためにはどんな心構えで本番に臨むといいのだろうか。
「仮に実力が80の人と50の人がいるとします。数字が大きい方が実力はあるとした場合、実力どおりなら勝敗は明らかです。しかし、80の人が本番で実力の半分(40)しか出せず、50の人が100パーセントの実力を出し切ったら、勝つのは50対40で、実力が50の人です。そうならないためにも、練習のときから心構えをしたほうがいいいのです」
どんなに上手くても、本番で実力を発揮できなければ、自分より下手な人にも負けてしまう……それはすごく嫌だ。
「では実際に何を変えていくか。試合や大事なコンペなど、勝敗に関わるゴルフでは、起きる時間を改善しましょう。本番当日が5時起きなら、本番までの間、毎日5時に起きること。生活サイクルを本番に合わせることも大事な心構えです。そして、打ちっぱなしなどの練習で重要なのが、1球1球狙いを定めて打つこと。ゴルファーの皆さんは、上手くなるために練習場に来ていると思いますが、“ゴルフが上手くなる”とはどういうことでしょう?」
それはやっぱり、いいスコアで回ることではないだろうか。ベストを更新したいなど、目標スコアを超えるために練習していると思う。
「では実際に、練習場で球を打つときは何を考えていますか? おそらく多くのアマチュアは、『いいスイングをしよう』『いい球を打とう』と、見栄えのいいスイングと高く飛んで曲がらない球でカッコよくやろうと考えているだけです。本来の目標はいいスコアで回ることなのに、いつの間にか形ばかりを追い求めてしまう。これが練習の落とし穴なんです」
確かに練習場では、恥をかかないようにスイングの形にばかりとらわれていたかも……。
「ゴルフの本質は狙ったところにいかにボールを運べるか。そのため、練習場でどんなにカッコいいスイングで真っすぐな球を打ったとしても、目標を定めて打たなければ本番では何の意味もなさない。ですから、アプローチでは複数ある30ヤードのターゲットを順番に狙ったり、アイアンではネット右側の2本目の支柱に打ってみたり、グリップを短く握って縦の距離感にも気を配ってみるなど、1球1球目標を決めて打つことが重要になるのです」
1球1球目標を決めて打つと、こんなに疲れるものなのか。左サイドはOBだと自分にプレッシャーをかけながら打つのも、いい緊張感があって本番に生かせそうだ。本番で力を発揮できない人は、練習から目標を掲げて打つと、いいスコアで回れるようになるだろう。
◾️宮里 優
29歳でゴルフをはじめ、独学でゴルフ理論を構築。36歳の時に男子プロトーナメントの大京オープンにアマチュアとして出場。その後、ティーチングプロの道を歩む。子供たちと一緒に楽しみたいとやらせたゴルフだが、結果的に聖志・優作・藍の3人共プロゴルファーの道を選んだ。
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