バンカー名人の上田桃子 距離を出したいとき、トップは大きくフィニッシュは小さくなる【女子プロの寄せ技】
2017年のサンドセーブ女王、上田桃子のピンまで距離があるときのバンカーショットを、プロコーチの石井忍が解説する。
配信日時:2024年7月24日 05時05分
女子プロのリカバリー率は約6割。つまりパーオンしなくても、半分以上の確率でパーセーブしている。そのテクニックを連続写真から学ぶ。今回取り上げるのはサンドセーブ率1位になったこともある上田桃子のバンカーショット。ピンまで距離があるときの打ち方をプロコーチの石井忍が解説する。
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上田選手は昔からツアーでもトップクラスにバンカーショットが上手い。本当に「パーン」と良い音がします。あの音が出るのは大きなトップからヘッドを加速させて、インパクトで力を出し切るから。結果としてフォローは小さくなります。
反対にバンカーが苦手なアマチュアは、怖々と上げるためにトップが小さく、ダウンスイングの途中で「これだと弱いかな」と感じて急に手元を大きく動かそうとする。だからフォローがダラダラと長くなりがち。それだとバンカーショットは上手くいきません。
バックスイングでは右腕を外旋(外側に回す)、ダウンスイングでは内旋(内側に回す)させることで振り幅以上にヘッドスピードを出せます。同時に砂を薄く取れるので、ボールを遠くに飛ばすことができる。さらに、スイング中は左ワキをしっかり締めることによって力が逃げず、スイング軌道が安定します。
■上田桃子
うえだ・ももこ/ 1986年生まれ、熊本県出身。2007年、21歳で当時最年少の賞金女王に輝いた。これまでに国内女子ツアーで積み上げた勝利は17回。バンカーショットには定評があり、17年にサンドセーブ率1位となった。ZOZO所属。
■石井忍
いしい・しのぶ/1974年生まれ、千葉県出身。98年にプロ転向し、かつてはツアープレーヤーとしてレギュラーツアーで戦っていた。現在は『エースゴルフクラブ』を主宰し、プロゴルファーやアマチュアの指導を行うほか、軽快なトークで解説者としても人気を博す。
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