小さな体で精一杯飛ばす! 下半身リードは青木瀬令奈の真似をしたい
全身の力を余すことなくボールに伝える技術が、青木瀬令奈は非常に高い。そのスイングの特徴についてコーチとしてプレーを間近で見ている大西翔太氏に詳しく聞いた。
配信日時:2024年2月26日 22時30分
昨シーズン、2勝を挙げた青木瀬令奈は身長153センチと小柄だが、2023年のドライビングディスタンスは224ヤードを記録している。ツアーの中では全体89位と飛ばない部類に入るものの、世の飛ばない男性ゴルファーからしたら十分な、いや打ち下ろしでフォローの風でもない限りは滅多に出せない飛距離だ。理由はもちろんスイング効率の高さにある。全身の力を余すことなくボールに伝える技術が非常に高い。そのスイングの特徴についてコーチとしてプレーを間近で見ている大西翔太氏に詳しく聞いた。
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全身を使って振っていこうというのは、2人でいつも話をしています。全身といっても、意識したいのは下半身。お腹や足など、体の中でも特に力の強い筋肉を使って振ることが大切です。手先や小さな筋肉は、微調整程度の意識ですかね。
ただ「下半身を使おう」、「腰を切ろう」とするとスエーに繋がるので要注意。青木プロの切り返しからダウンスイングの形を見てください。切り返し直後からグリップエンドが飛球線後方に向かって動き、踏み込んだ左足と手元が引っ張り合うような関係になっています。こうやって動くと、自然と下半身リードになって効率よく飛ばせる。切り返しから右ヒジを絞ってグリップを真下に落とそうとすると、上体が左に突っ込んでしまいます。
そして全身で飛ばすといっても脱力は大事。かつ、腹筋に力を込めて振りたい。そのためには息を吐きながらインパクトするのがオススメです。練習では声を出してもいいでしょう。息を止めると力みますが、短く強く息を吐くと腹筋が締まります。スイング軸を保ってヘッドが走るようになるはずです。両腕の三角形がキープできるので、ドライバーだけでなく、フェアウェイウッド、ユーティリティやアイアンでもスイングプレーン通りに同じスイングができます。
ダウンスイングの形と、呼吸。ぜひアマチュアの皆さんにも取り入れてほしいポイントです。
■青木瀬令奈
あおき・せれな/1993年生まれ。群馬県出身。昨シーズンのドライビングディスタンスは全体89位と飛ぶ方ではないが、正確なウッド類とショートゲームを武器に自身キャリア初の年間2勝を挙げた
■大西翔太
おおにし・しょうた/1992年生まれ、千葉県出身。青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務めてツアーを転戦。スイング理論に精通し、ジュニアゴルファーの指導も行うなど、多方面で活躍している
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