優勝者のスイング
プッシュもチーピンも出にくいドロー! 天本ハルカの理想的なダウンスイングに注目【優勝者のスイング】
パナソニックオープンレディースで初優勝を飾った天本ハルカ。そのスイングから学ぶべきポイントをプロコーチの南秀樹に聞いた。
配信日時:2024年4月30日 07時19分
1998年度まれの黄金世代として15人目の優勝者となった天本ハルカ。首位タイで迎えた最終日は、8番から5連続バーディを奪うなどして「66」をマーク。混戦を抜け出し、嬉しい初優勝を飾った。
そんな彼女のスイングについてプロコーチの南秀樹は、「高校時代から伊澤利光プロに師事しているとあって、ドローヒッターながら、クラブが下から入りませんね。クラブが寝ないのでドローヒッター特有のミスである、プッシュやチーピンも少ない。またクラブが上から入るのでアイアンショットも上手い」と話す。今季ここまでパーオン率が77.1717%で2位であることも納得だ。
スイングではルックアップがやや早く、体の回転と共に頭が上がっていくのが特徴的で、頭を残してスイングする松山英樹とは対象的。「1つ間違うと手元が浮いてクラブが下から入りますが、それは起きていません」(南)。
参考にしたいのは、クラブを立てて、縦に使いながらもしっかりとボールをつかまえドローを打っている点。それを可能にしているのが、理想的なトップだ。
「ドローを打とうとして、インサイドからの軌道を意識しすぎてスイングを崩している人が少なくないんです。手先でインサイドに引くと、トップでシャフトがクロスする。こうなるとダウンではクラブが寝てプッシュやチーピンがつきまとう。反対に、レイドオフにすると、手元が浮きやすくなってシャンクと隣あわせに。つまり、手先でインサイドからの軌道を作ろうとすると安定感を欠いてしまうんです」。
そこでポイントになるのが、始動からトップまでの動き。飛球線後方からスイング動画を撮ったら、首とボールを結ぶラインと、シャフトのラインに線を引き、その間にクラブや手元が収まるようにクラブを上げていきたい。
そのためには、動き出しでクラブを体で動かすことを意識しよう。「始動でコックを入れずに、両肩とヘッドが作る三角形を崩さずに上半身の回転をスタート。少なくても30センチはそのままクラブを動かし、その後、ヒジを曲げながら腰も回していきます。体でクラブを上げることができれば、ダウンスイングで胸が開きにくくなり、クラブを立てて下ろしやすくなります」。天本のようにインサイドからクラブを立てて、クラブを上げたラインをなぞって下ろすには、体でクラブを上げることが不可欠なのだ。
スマホでも手軽にできるスイング分析。トップまでの軌道と動き出しをチェックし、天本のようなミスの少ないドローを目指してみよう。
南秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。新宿中央クリニック所属
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●チェックポイントをいくつも意識していると、動きがぎこちなくなってしまうことも……。それよりも、「○○○のように振ってみて」と言われた方が、イメージが広がって良いフォームになることがあるのでは? 悩めるアナタには関連記事【豆腐、アイス、弓矢にメンコ……アナタに合うのはどれ〜】がオススメ。一発開眼の可能性を秘めていますよ!
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