【スコア安定の秘訣】グリーン周りからワンピン以内に寄せるアプローチの打ち方を徹底解説
「ベストスコアを更新したい!」「スコアを安定させたい!」と考えるなら、フルショットを練習するよりもアプローチの技術を磨くことが優先です。グリーン周りから2打で上がることができれば、大崩れは激減! ゴルフレベルがグンと上がります。今回はアプローチショットの基本や状況別の打ち方、効果的な練習法を紹介していきます。
配信日時:2024年9月3日 02時00分
「ベストスコアを更新したい!」「スコアを安定させたい!」と考えるなら、フルショットを練習するよりもアプローチの技術を磨くことが優先です。グリーン周りから2打で上がることができれば、大崩れは激減! ゴルフレベルがグンと上がります。今回はアプローチショットの基本や状況別の打ち方、効果的な練習法を紹介していきます。
1.一番やさしいのは球をコロがすチップショット
グリーン周りからのアプローチの際、まず最初に考えたいのはコロがし(チップショット、ランニングアプローチ)で寄せられるかどうかです。
球を上げるピッチショットやロブショットは、振り幅が大きくなり、ボールを上げにいくスイングのエラーが起こりやすくなります。また、球を上げる打ち方やスピンをコントロールする打ち方に慣れていないと、「どれだけ飛んで、どれだけコロがるか」という距離感もなかなかつかめません。
一方、コロがすアプローチは小さい振り幅で打てるため、インパクトのミスは少なくなります。また、パッティングの延長として考えると距離も合わせやすくなります。
最初の選択肢として検討したいコロがしですが、状況によってはコロがしに適さないシチュエーションがあります。ボールとピンの間に池やバンカーがある時はボールを上げなければいけません。アゴのないバンカーをコロがしていくというケースも稀にありますが、ハザードがある場合は球を上げるアプローチが基本です。
しかし、それ以外の場面では、まず「コロがし」でどう寄せていくかを考えるとスコアをまとめやすくなります。
コロがしで使える番手
ダフリやトップなどのミスが出にくいのはじつはパターです。まずはパターでコロがせるかどうかを判断しましょう。ボールが止まっている芝の状態が良く、ボールとターゲットを結んだライン上に長いラフや凹凸がない時、またターゲットまでの距離がそれほどない時はパターを使うのがベターです。グリーン上でパッティングをするイメージで打てるため、距離感も合わせやすいでしょう。
一方、ライが悪い時や逆目では他のクラブを選択するのがオススメです。パターは芝の上スレスレを動かすため、ヘッドが少しでもブレるとミスになってしまうからです。また、奥にあるピンを狙う時など長い距離をコロがす時は、パターを使うと振り幅が大きくなり、これもミスが起こる原因になります。こういった場面では、パター以外のクラブを使ってコロがしていきましょう。
パター以外でコロがしのアプローチに適しているのは、PWやショートアイアン、ミドルアイアンです。フェアウェイウッドやユーティリティなどロフトが立っているクラブを使う場合もありますが、長い番手は出球が強くなり、スピード感や距離感を合わせるのが難しくなります。
2.コロがすアプローチ(チップショット)の打ち方
上げるアプローチに比べて、ミスが出にくいコロがしですが、軸がブレるとダフリやトップ、ザックリの原因になります。アドレスから軸がブレないように準備をして、これらのミスを防ぎましょう。ここではコロがすアプローチ(チップショット)の打ち方の基本を見ていきます。
スタンス幅は狭く、グリップは短め
まず、スタンス幅を広くするのはミスの元。左右に体が揺れやすくなるからです。拳ひとつ分くらいのスタンス幅を基準に構えると軸がブレにくくなります。
また、通常のショットのようにクラブを長く持つとヘッドの動きを制御できなくなります。いつもより短く握れば振り幅が大きくなりすぎず、スイングが安定してくるはずです。
ボール位置は右足寄り
PWやショートアイアン、ミドルアイアンでコロがす場合に気を付けたいのがボール位置です。スタンスの真ん中にセットするとロフトなりにボールが上がって出球が上がってしまいます。ボール位置はセンターよりも右寄りにセットするといいでしょう。
ただし、右に置きすぎると刃が刺さってザックリしたり、トップすることがあるので要注意。真ん中よりもボール半個から一個分くらいを目安に右側にセットしましょう。
左足重心で構える
アドレスする時は体重配分にも気を付けたいところ。6:4や7:3の割合で左足に加重し、スイング中もこの体重配分を維持すると、ヘッドが上から入りやすくなり、インパクトしやすくなります。
また、右寄りにボールをセットして左体重で打てば、自然にハンドファーストの形でインパクトできるのもメリットです。
振り子をイメージ
スイング中の注意点は、振り幅を左右対称にすることです。右サイドと左サイドの振り幅を同じ大きさにすると、ヘッド軌道が安定して打点がブレにくくなります。また、左右対称の振り幅は、力みや緩みの防止にも効果的。バックスイングが小さいとダウンスイングで強く振ろうとして力むことがあるし、バックスイングが大きいとダウンスイングで緩めてしまうこともあります。
左右対称ならスピード感、力感を変えずに再現性の高いスイングがしやすくなります。腹筋や胸、背中などの大きい筋肉を意識して振り子のイメージでスイングすると、左右対称に振りやすくなります。
3.状況別アプローチの打ち方
ここからは状況別にアプローチの打ち方を見ていきましょう。状況次第ではコロがしだけでは通用しなくなり、上げるアプローチが必要となる場面もあります。また、ライの見極めが重要になる場面もあります。
バンカー越え・砲台グリーン
ラウンド中はボールを上げるピッチショットの方が寄る確率が上がる場面があります。バンカー越え、池越え、砲台グリーン、段グリーンの奥にピンがあるシチュエーションなどです。
ボールを上げたい時は、アドレスの段階からボールを上げる準備をしておくことが大切です。SWなどロフトが寝ている番手を選択し、ボール位置は両足の真ん中あたり。重心配分は5:5で、フェースはやや開き気味にセットします。フェースを開くと球が右に飛びやすくなるので、オープンスタンスで構えておくと方向性が安定します。
スイング中は手首を使わず、スタンスなりに振っていきましょう。この時、球を上げようとするとヘッドが下から入ってトップしやすくなります。目線を低くして目標を確認し、フォローを低く出していくとインパクトが安定します。
ちなみに、さらに球を上げたい時はロブショットという方法もあります。しかし、コックを使ってより大きな振り幅で打つため、この打ち方は技術が必要。ピッチショットでも球は十分上がるので、アプローチに自信がない人はロブショットは控えた方がいいでしょう。
ラフからのアプローチ
ラフからのアプローチでは、まずライを見極めることが大切です。ボールと地面の間に隙間があって球が浮いている時は、ヘッドも浮かせて構え、打ち込まずに振りましょう。上から下にヘッドを動かすと、ヘッドがボールの下をくぐってしまう可能性があるからです。ティアップしてあるボールを打つイメージで、手前の芝ごと一緒に飛ばすと上手くボールにコンタクトできます。
ボールが芝に沈んでいる時や逆目のライでは、ヘッドを上から入れていきます。右足寄りにボールを置いて左体重で構え、ダウンブローでインパクト。フォローを出そうとせず、「打って終わり」の感覚で振ると、インパクトにエネルギーが集中して芝に負けずにボールを飛ばせます。
傾斜地からのアプローチ
練習場と違い、コースではさまざまな「傾斜」に対応した打ち方をする必要があります。ここでは傾斜からのアプローチを見ていきましょう。
左足上がり
右足に体重が乗りやすく、スイング中に右にスエーしやすいのが左足上がりのライ。傾斜に対して垂直に構えるのではなく、水平面に対して垂直(鉛直)に構えるのがコツです。スイング中もアドレス時の重心配分をキープすると、体が右に流れずに軸をキープしたままインパクトできます。
左上がりはダウンスイング以降で体を回しづらくなる点は注意が必要です。左ツマ先を開いてアドレスすると、体をスムーズに回しやすくなります。
左足下がり
球が上がりにくい左足下がりでは、無理に球を上げにいくとダフリやトップが出てしまいます。高い球を打とうとせず、目線を低くして、低い球を打つつもりで打ちましょう。また、右足側が高いため、地面が邪魔でスイングしづらくなる点もケアしましょう。右足を引いてアドレスするだけでテークバックがしやすくなります。バックスイングは傾斜なりにクラブを上げ、フォローはヘッドを上げずに低く出していくのもポイントです。
左足下がりは球が上がりにくく、ボールが止まりづらい難度の高いライ。確実にグリーンに乗せることを優先させ、2パットでOKという気持ちで臨みましょう。
ツマ先上がり
ヘッドのトゥ側が上がるツマ先上がりは、フェースの芯でボールをとらえにくいライです。クラブを短く握ってソール面と傾斜面がピッタリと合うように構えるとミスヒットが少なくなります。
クラブの構造上、トゥ側が上がるとフェース面が左を向く点にも注意しましょう。ボールが左に飛び出すことになるので、ターゲットよりも右を向いて構えるといいでしょう。
スイングはタテ振りではなくヨコ振りのイメージ。体の正面から手元が外れないように、両ワキの根元をキュッと締めてスイングすると打点がブレなくなります。
ツマ先下がり
足元より低い位置にボールがあるライですが、前傾を深くするだけでヘッドとボールの位置を合わせるのはNGです。ダウンスイングで体が起き上がり、トップが出てしまいます。体の前傾だけで調整するのではなく、ヒザを深く曲げて重心を下げ、ボールの位置にヘッドを合わせましょう。
アドレスする時は胸の面を下に向け、スイング中も胸が上を向かないように注意。また、肩や腕に力が入ると体が起き上がるので、上体をリラックスさせてスイングすることもナイスショットを生む秘訣です。
傾斜の打ち方について、詳しくは関連記事より「ゴルフにおける4つの傾斜の打ち方まとめ 難度の高い複合ライの打ち方も紹介」をご覧ください。
ベアグラウンドからのアプローチ
芝が少なく、土がむき出しになっているようなベアグラウンドからは、ダウンブローでボールに直接コンタクトすることが大切です。コロがしのアプローチと同じように、ボールを右足寄りにセットし、左足体重でアドレス。この体勢ができれば上からヘッドを入れやすくなります。
スイング中に右手首がほどけるとヘッドが先行してインパクトがブレるので、右手首の角度を変えずにフォローを低く出していくと、クリーンにボールをヒットできるはずです。
4.練習場でできるアプローチ練習法
最後にプロも採用しているアプローチ練習法を簡単に紹介します。いずれも練習場でできるものなので、ぜひ一度試してみてください。
1ヤードの打ち分けで距離感を磨く
ダフリやトップせずにインパクトできても、距離感が合わなければピンに寄せることはできません。ツアープロの青木瀬令奈は距離感を磨くために“1ヤード・アプローチ”を行っているそうです。
短い距離だからといって、手先でクラブを動かすと1ヤードを正確に打つことはできません。ポイントは大きい筋肉を使って体を回転させることです。小さい振り幅でも再現性が上がり、距離感を合わせやすくなります。
青木瀬令奈の練習法について、詳しくは関連記事より「本番で使わないのになぜ? アプローチの名手・青木瀬令奈は“1ヤード”の距離感を作っていた!」をご覧ください。
ボールをフェースに乗せる感覚が身に付く“右手封印”打ち
右手でしゃくり上げるような打ち方をしてしまう人にオススメの練習法は、竹田麗央も練習に取り入れているクロスハンド打ちです。クラブを逆手で持つと、手首だけでクラブを操作できなくなってカラダ主体のスイングが身に付きます。
この練習法は強く打ち込んでミスをする人にもオススメです。ヘッドスピードや入射角が安定し、スピンが効いたやわらかい球が打てるようになります。
竹田麗央の練習法について、詳しくは関連記事より「勝利を呼び込んだ竹田麗央のアプローチ “右手は何もしない”はクロスハンドで覚えよう」をご覧ください。
5.まとめ
アプローチの基本の打ち方や状況別の打ち方、練習法などを紹介しました。アプローチはスコアメイクのカギを握る重要な要素です。ミスショットが起こりにくい攻め方、番手を選択して確実にピンそばに寄せていきましょう。