戦略を楽しむ
「引っかけたけど距離はピッタリ」がありえない理由 飛球エリアは左右対称ではない!【上手い人の頭の中】
ショットをする前に、イメージする飛球エリアによって、攻略ルートは変わってくる。あなたは、どんな方向の取り方をしている?
配信日時:2024年6月5日 04時05分
ショットで狙う方向を定めるときは、ストレートなラインを中心に左右対称の曲がり幅をイメージするのではないでしょうか。しかし実際には右打ちの場合、球がつかまり過ぎて左に引っかけたらランを含めて距離がプラスされるし、当たりが薄くて右にコスったら距離がマイナスになります。つまり、左辺が長くて右辺が短い“非対称の三角形”が、リアルな飛球エリアということです。
クラブは一部のパターを除けばL字型である以上、その原則はフェードヒッターでも変わらないし、番手による三角形の違いはあっても左右対称にはなりません。
自分なりの“三角形”をイメージしてコースに当て込むと、左右にブレたときのリスクを想定できるし、狙いどころが見えてきます。
イラストのような池絡みのグリーンへ打つとき、左のピンを一直線に狙うと左奥に外したら大叩きになりやすいし、左の池に入るキケンも(青い三角形)。その“三角形”を池にかからないよう少し右へ向けると、引っかかればピンに寄るし、コスってもグリーンに収まってくれます。この方がリスクなく攻められるわけです。
この“三角形”の法則から、グリーンの右手前&左奥という対角線の並びに池やバンカーがあると、左右どちらにミスしてもハザードにつかまりやすくて、難易度が高いといえます。逆に、グリーンの左手前&右奥のハザードならば、思いのほか入らないでしょう。
もう一つの例として、左右のドッグレッグに“三角形”を当て込むとどうなるか。左ドッグレッグのティショットで右にミスしても、2打目はグリーンに向かって打てます。しかし、右ドッグレッグで右にミスすると、曲がり角を越えられず2打目は横へ出すしかありません。右打ちの人にとって、右ドッグレッグの方がシビアなことが一目瞭然ですね。
■和田泰朗
わだ・ひろあき/1976年5月10日生まれ、宮城県出身。大学で動作解析や運動生理を学んだ。その後、世界的なゴルフ指導者組織のUSGTFで最高レベルのコーチとなり、のべ3万人を指導した。Seven Brainz所属
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