悲願の金メダル獲得! リディア・コはクラブの設計図通りに振る完全オンプレーンスイング
パリ五輪の女子ゴルフは、ニュージーランド代表のリディア・コがトータル10アンダーで金メダルに輝いた。リオ五輪の銀メダル、東京五輪の銅メダルに続いて、3大会連続でメダルを獲得した27歳のスイングをプロコーチの森守洋氏が解説する。
配信日時:2024年8月10日 23時18分
パリ五輪の女子ゴルフは、ニュージーランド代表のリディア・コがトータル10アンダーで優勝。これでリオ五輪の銀メダル、東京五輪の銅メダルに続いて金メダルを獲得し、すべてのメダルを手に入れた。12年前に15歳で米ツアー初優勝を挙げてから通算20勝を挙げ、五輪に愛された27歳のスイングをプロコーチの森守洋氏が解説する。
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美しいオンプレーンスイング。バックスイングでは右にクラブを投げるように上げていき、切り返したら今度は左にクラブを放り投げるように振っていく。完全に脱力したスイングです。
実際はクラブから手を離さないんですけど、フォローでは左に力が発生して体が回転していきます。意図的に体を回転させていく選手もいますが、リディアのようにクラブに引っ張られて回っていく選手もいる。本当にクラブに身を任せている代表みたいな選手です。仕事をするのは始動と切り返しだけ。だから息が長い活躍ができるのだと思います。
後方からの連続写真を見ると、ダウンスイングでシャフトがボールを指しながら、右ヒジが体の前に入ってくる。まさにクラブの設計図通りに振る選手です。特別なことをしているように見えるかもしれませんが、前傾角度を起こして、水平にクラブを振った時にはみんなこうなる。それに角度がついて斜めに振っているだけです。
身長は165センチで細身。米ツアーで戦う選手の中では体はあまり大きくありません。世界ランキング1位になった17歳くらいの頃には軟らかいレディスシャフトを使っていました。それだけクラブのしならせ方や使い方が上手い選手です。
■リディア・コ
1997年生まれ、韓国ソウル出身。6歳の時にニュージーランドに移住し、2012年の「ニューサウス・ウェール女子オープン」を14歳9カ月で制し、プロツアー史上最年少優勝(当時)を樹立した。米ツアー「カナディアン女子オープン」では12、13年とツアー史上初となるアマチュアによる連覇を達成。現在までにメジャー2勝を含む米ツアー通算20勝、五輪ではリオで銀、東京で銅、パリで金と3大会連続のメダルを獲得している。
■森守洋
もり・もりひろ/1977年生まれ。静岡県出身。ゴルフを始めたのは高校から。95年に渡米しミニツアーを転戦しながらゴルフを学んだ。02年からレッスン活動を開始し、現在は原江里菜、堀琴音、香妻陣一朗のコーチを務めている。東京都三鷹市にある『東京ゴルフスタジオ』を主宰し、YouTubeチャンネル「森守洋のGolf TV」では、ツアープロや芸能人などへのレッスンを配信中。
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