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    ゴルフでナイスショットを出すためのボール位置は? 前後左右に動かした時に出やすい弾道も紹介

    ショットをする時に、ボールをどの位置に置くかということは、初心者だけでなく、中・上級者も悩むポイントです。この記事では、ボール位置を変えることによって起こることやクラブごとの基準となる位置について解説していきます。

    所属 ゴルフライター
    田辺直喜 / Naoki Tanabe

    配信日時:2024年2月1日 03時12分

    • レッスン
    目次 / index
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    1.ゴルフにおけるボール位置の基本的な考え

    ボール位置に“絶対的な正解”はありませんが、基本的な考え方はあります。クラブごとの基準となるボール位置を知り、自分の体格やパワー、スイング、悩みなどに合わせてアレンジしていくことが大切です。

    ボールが右にあれば右に飛び出やすく、左にあれば左に飛び出やすい

    体の中心部分を軸に左右対称な円弧を描くようにスイングできたと仮定すると、スタンスの中央でヘッドはスクエアに戻り、真っすぐ打ち出せることとなります。中央よりも右にボールがあればフェースは開いて当たって右方向に打ち出されやすく、左なら閉じて当たり、左方向に打ち出されやすくなります。

    ボールが右にあればロフトが立ち、左にあれば寝る

    インパクト時のヘッドのロフト角もボール位置によって変化します。スタンスの中央で元々のロフト角で打てているとすると、右ならロフトは立って当たりますし、左なら寝て当たります。ドライバーなど、ロフトの立ったクラブになるほど、ボールを左に置くのは、ロフトを寝かせることで高く打ち上げるためなのです。

    2.クラブ別の基本的なボールの位置

    クラブごとのボール位置の違いは、自分なりのアレンジをする上で絶対に抑えておきたいポイントになります。ここでは、ドライバーからパターまでそれぞれの基本のボール位置を紹介します。

    ドライバーは「左足カカト線上」に置く

    ドライバーでは「左足のカカト線上」が基準のボール位置になります。

    ドライバーは最もロフト角が少なく、ボールが上がりにくいクラブです。そのため、しっかりボールを高く打ち出して飛ばすために、スタンス中央よりもかなり左足寄りにボールを置くわけです。

    通常、左足カカト線上までボールを左に置いてしまうと、まともにインパクトすることができなくなりますが、ドライバーはティアップしてボールを浮かせた状態にしているため、この位置でもクリーンにボールをとらえられます。クラブの特性を踏まえて、最大限飛ばすために考えられた合理的なボール位置だと言えるでしょう。

    ただし、左足寄りにボールを置く分、ダウンスイングで上体が突っ込んでカット打ちになるなど、悪い動きも出やすくなります。初心者ほどその傾向が強いため、最初は左足カカト線上よりもボール半個から1個分ほど右に動かして構えましょう。

    ドライバーのボール位置の基準はツマ先じゃだめ?

    余談ですが、ボール位置を決める際は、ツマ先ではなく、カカトを基準にするのがおすすめです。ツマ先は開いていることが多く、例えば、右ツマ先は真っすぐで、左ツマ先は開いて構えている場合、ツマ先基準でボールを中央に置くと、体の中心よりも左になってしまう可能性があります。カカトであればツマ先のようにズレることがないので、ボール位置の基準に最適なのです。

    フェアウェイウッドは中央より少し左

    フェアウェイウッドは、スタンスの中央よりもボール1個分ほど左が基準の位置となります。ドライバーの次に長く、ロフトの立ったクラブにはなりますが、ドライバーほど高いティアップはしませんし、地面から打つことも多くなるため、スイング軌道の最下点に近い位置にセットした方がボールをとらえやすくなるのです。

    初心者の方など、フェアウェイウッドのようにロフトの立ったクラブを見ると、ついドライバーのようにボールを左足寄りにセットしたくなるかもしれません。しかし、地べたにあるボールを打つことを考えるとかなりイレギュラーな位置になるため、上体が突っ込むカット打ちや手先で合わせるなど、悪い動きが出やすくなります。難しく感じるかもしれませんが、まずは中央よりボール1個分、左の位置で練習をするのがおすすめです。

    ユーティリティは中央か少しだけ左に

    近年、プロアマ問わず使用者が増えているユーティリティは、ウッドとアイアンの中間のクラブで、さまざまな形状がありますが、基本的にはスタンスの中央か、ボール半個ほど左が基準の位置になります。

    フェアウェイウッドは、ソールの面積が大きく、地面に接地してから少し滑る動きが入るため、ボール1個分以上、左でも打てますがユーティリティはボールに直接コンタクトする打ち方が基本になります。そのため、最下点に近い位置にボールをセットすることで、クラブの性能を生かしたショットがしやすくなります。

    アイアンはスタンス中央が基本

    アイアンは番手に限らず、スタンス中央の最下点に近い位置にセットしましょう。ただし、クラブヘッドの構造や番手などによってアレンジを加えることが大切です。

    どのモデルでも番手によって少しアレンジを加えると飛距離と方向性が整いやすくなります。長い番手であれば左に置くことで高さが出しやすくなりますし、フェースもスクエアに戻しやすくなります。一方で、短い番手は右めに置くことで、しっかり打ち込んで番手なりの距離が出しやすくなりますし、フェースの返りすぎによる引っかけを防ぐことも可能です。ポイントは極端に位置を変えすぎないこと。スタンス中央を基準にボール半個ほどの幅で動かせば、スイングに悪影響もなく、良い結果が得られるはずです。

    アスリートモデルのアイアンは中央~やや右

    ツアープロが使うような軟鉄鍛造のマッスルバックやキャビティであれば、スタンス中央にボールを置き、ダウンブローに打っていきます。ロフトを立てるように打ち込んでいき、ターフも取りますので、スタンス中央より少し右でも良いかもしれません。

    “飛び系”アイアンは中央~やや左

    ぶ厚いヘッドでロフトの立った飛び系モデルであれば、中央よりも少し左に置いた方が打ちやすくなります。ソール幅がある分、少し滑ってくれますし、ダウンブローではなく、レベルブローに打つ前提で設計されたヘッドだからです。むしろ右に置いてしまうと、スピンが増えて吹け上がったり、抜けが悪くなったりと不具合が出るので注意してください。

    ウェッジはショットとアプローチで考え方が変わる

    ウェッジも基本的には中央でOKですが、ショットとアプローチではやや考え方が変わります。

    フルショットはアイアンと同じで中央が基準

    ウェッジも、フルショットする際のボール位置は、アイアンと同じ考え方でOKです。ただし、ロフトが寝ている分、ボールをつかまえやすくなっていますので、左に巻く球が多く出る場合は、スタンス中央よりも右にセットすると良いでしょう。

    アプローチは打ちたい球質によって臨機応変に

    グリーン周りのアプローチを打つ場合は、打ちたい球質によってボール位置が変わってきます。まず、キャリーとランが1:1になるベーシックなピッチ&ランの打ち方であれば、ボール位置はスタンス中央になります。それを基準に、ボールをコロがすランニングであれば、ボールは右足寄りに、ふわりと高さを出してランを減らすアプローチであれば左足寄りにボールをセットします。

    ただし、クラブを変えずにボール位置で球質を打ち分けるには、かなりの技術が必要です。最初のうちは、アプローチでもボール位置はスタンスの中央と決めておき、コロがしたい場合はロフトの立ったクラブに、上げたい場合はロフトの寝たクラブといった具合にクラブを替えることでミスの確率を減らせるでしょう。

    パターは「左目の真下」に置く

    パターのボール位置の基準になるのは「左目の真下」です。ドライバーからウェッジまでは足を基準にボール位置を考えてきましたが、パターの場合は少し変える必要があります。スタンス幅やグリップの握り方、使うパターのモデルなどが人によって大きく変わるからです。こういった他のクラブとは違う特殊性から「パターに型なし」という格言もあるほどです。そのため、絶対に動くことのない目を基準に考えると、常に一定の位置でボールを構えやすくなります。

    ちなみにパターの場合、ドライバーのように最下点の先で、アッパーブローにボールをとらえることで、順回転の良いコロがりを得ることができます。そのため、ボールは中央よりも左に置くのが基本となります。

    3.左右だけでなくボールとの距離を考えることも大切

    クラブや目的に応じて、ボール位置を左右にどう動かすべきか、ご理解いただけたでしょうか。ここではさらに、ボールとの距離について解説していきます。クラブは番手ごとに長さが変わるため、ボールとの距離が変わるとどうなるか知っておく必要があります。

    ボールが遠くなるとヨコ振りが強くなる

    ボールが体から離れた遠い位置にあると、スイング軌道はフラットに、つまりヨコ振りになります。ドライバーを例に取ると分かりやすいでしょう。クラブが長い分、ボールが遠くなり、そこに届かせるためにトップの位置も自然に低くなります。

    ヨコ振りのスイングでは、フェース開閉が大きくなりやすいことがポイントです。クラブを水平に構えて素振りをしてみると体感できますが、テークバックでは大きくフェースが開き、インパクトからフォローでは大きく返す動きが入るはずです。ヘッドの運動量が増える分、飛距離が出しやすくなりますが、同時にインパクトのフェース向きがブレやすくなるため、方向性が悪くなります。

    ボールが近いとタテ振りになる

    ボールが体の近くにあれば、クラブを上げて下ろす動きが強くなり、アップライトなタテ振りになります。ウェッジなど、短いクラブは自然とトップが高くなり、ダウンブローに打つ動きが強くなるのはタテ振りになりやすいからです。

    ヨコ振りに比べて、タテ振りは、手首などの動きが小さくて済む分、フェース開閉が少なくなります。ヘッドの運動量が減る分、飛距離は出にくくなりますが、方向性が格段に良くなるのです。

    ボールとの距離は、クラブの長さが絶対的に影響するため、例えば、ドライバーで極端なタテ振りをするのは無理があります。しかし、少しボールを近づけたり、遠ざけたりというアレンジを加えることで、飛距離をプラスしたり、方向性を高めたりできるので、ぜひこの原理は覚えておいてください。

    4.まとめ

    ゴルフにおけるボールの位置には、さまざまな考え方があります。絶対的な正解がないことで、上級者であってもボール位置を変えたりと日々工夫をしながら練習をしているわけです。それがゴルフの難しさでもあるわけですが、練習を重ねて、自分なりのボール位置を見つけられたら、一気に上達して、スコアアップすることも可能です。ぜひ本記事を参考に、自分だけのボール位置を探してみてください。

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