アイアンの分厚いインパクト音って知ってる? ナイスショットは『カシャッ』、ミスは『バシャッ』
練習場でのナイスショットは、目だけで判断してはいけない。インパクト音を耳で聞いて判断するのが重要だ。
配信日時:2024年9月5日 09時40分
練習場で、狙いを定めた目標に向かってアイアンショットを打つ。狙い通りにいい感じに落とせたと思いきや、「もし手前が池だったら、池ポチャしていますね」と指摘するのは、かつて世界一にも輝いた宮里藍の父でありコーチの優氏。ちゃんと届いているのに、なんで池ポチャって言い切れるの⁉
「球も上がっていて、軌道だけ見ればしっかり届いていそうでも、“音”を聞くと薄い当たりになっています。インパクトで『バシャッ』と鈍い音がするのはダフっている証拠。練習場の人口マットは手前から入ってもソールが滑ってナイスショットになりやすいため、ちゃんと打てていると錯覚しやすい。でも実際はダフって当たっているため距離が落ちており、手前に池があれば届かずに池ポチャしてしまうというわけです」
球に当たったとき、確かに鈍い音が出ていた気がする。つまり、人口マットに触れたせいで音が濁っていたわけか。
「クラブヘッドが直接ボールを捕らえたときは、『カシャッ』という音が鳴ります。インスタントカメラのシャッター音のイメージですね。このような分厚いインパクトを身に付けるには、小さくカットした厚紙を使った練習が効果的です。球の5センチほど後ろに置き、この紙片を飛ばさずに打てたらダフっていないクリーンなインパクトというわけです。ただ、コピー用紙のような薄い紙ではクラブの風圧でダフらずとも飛んでしまうので、ボールの空箱が最適ですね」
ボールのスリーブケースのフタ部分を2つに切り分けた(4センチ×2センチ四方)くらいがちょうどいいという。これを、球の後方5センチ辺りにタテに置けば準備完了だ。
「紙を飛ばさないように意識するとハーフトップしてしまうかもしれませんが、構わず練習を続けてください。それほどハーフトップとナイスショットは“紙一重”ということ。ドライバーは重心より上で打つことで飛距離が出ますがアイアンは逆。重心より下で打って初めて本当にいい球が出ます。ですから、リーディングエッジ近くに当たるハーフトップはナイスショットの一歩手前。もう少しだけ上手くインパクトできれば『カシャッ』といい音がするはずです」
紙だけに「紙一重」と……。冗談はさておき、もう少しだけ上手くインパクトするためのポイントを教えて欲しい。
「アイアンでは、多くの人が芝と球の接点にリーディングエッジをキレイに入れようとします。しかし、キレるアイアンショットの極意は、球の下部を“ごくわずかに斬り残す”イメージが大切。これを意識すれば、スピンの効いた最高のアイアンショットが打てますよ」
アイアンショットの上達には“聞く力”も重要。「カシャッ」といい音がしているか、一球一球自分の耳で確認しながら練習すると上達が早くなるだろう。
◾️宮里 優
29歳でゴルフをはじめ、独学でゴルフ理論を構築。36歳の時に男子プロトーナメントの大京オープンにアマチュアとして出場。その後、ティーチングプロの道を歩む。子供たちと一緒に楽しみたいとやらせたゴルフだが、結果的に聖志・優作・藍の3人共プロゴルファーの道を選んだ。
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