上田桃子 スイングのポイントと左足下がりの練習法〜2打目の攻略法アイアン編【動画リンク有】
アイアンを打つ時に上田桃子が意識しているポイントを辻村明志コーチと共に解説!今回はスイングのポイントと左足下がりの練習法をお伝えします。
配信日時:2023年3月18日 11時06分
軸と下半身リード
辻村明志コーチ(以下、辻村コーチ):これは9番アイアンだけども、7番で打つときもやっぱりちょっと上から?
上田桃子(以下、上田):7番くらいになるとシャロー感もほしいので、絶対上からなんですけど、シャローに振りたいです。シャロー目に入ってくると、ちょうどよいドローが打てると思います。
辻村コーチ:クラブの立ち方や入射角を自分の中でコントロールして。入り方をうまくできると、体が自然と閉じていくよね。体が開いたら終わりだもんね。
上田:アマチュアの人って、もうそこからすぐ「切り返し!」みたいな感じなので、ここに入ってくるまでははちょっと静かにするといいと思います。
辻村コーチ:ここは結構プロとアマチュアには大きな差があるよね? アマチュアはここが淡泊というかね。
上田:すぐきちゃう。右手が強いので。
辻村コーチ:ここにちょっとした『ゆとり』と『間』が欲しいよね。アマチュアは『点』、プロは『ゾーン』としてとらえてる。桃子の場合は調子がいい時はハーフウェイダウンでボールを捉えられる感覚があるってこと?
上田:そうですね。
辻村コーチ:それをインパクトまで持ってくる感じなんだね。ボールが乗ってる感覚を大事にする。
上田:特にこの腰から腰あたりは、その感覚や軌道をなぞれるといいです。だから下半身リードはマストです。
辻村コーチ:だよね。スイングって絶対下半身からだもんね。
上田:私自身が今一番気をつけてるのは、なるべく左右差がなく軸の中で体重移動ができるように。
上田:下半身リードさせたいんですけど、スエーしてて下半身リードをするとすごい振り遅れるんです。
下半身はリードしてるんだけど、この軸はまだ右にあるので、戻って来れなくて。そのせいで私みたいにアンダーになる人はたぶん多いと思う。
だから下半身リードだけでもダメというか。やっぱり軸が立った中でしっかりトップを作って、その中で下半身がリードしてくるように。
辻村コーチ:だから下だけいっちゃダメだってことだね。
上田:腰だけを先に捻るような下半身リードはダメ。
辻村コーチ:そうするとやっぱり、刃(リーディングエッジ)が上向いちゃうもんね。ということは、下半身リードで『軸を引っ張ってくる』感覚ってこと?
上田:はい。……って辻村さんに教えてもらいました(笑)。
辻村コーチ:(笑)
上田:私もずっとプロでやってて、下半身リードを特に大事にしていました。プロですら、軸がなくなって下半身リードだと倒れます。
左足下がりのポイント
辻村コーチ:コースに行ったら上がり下がりの戦いだけど、練習場は平たんだから、工夫するよね。左足下がりの状況を自分で作るには、マットを使って。厚みを持たせるためにマットとか、タオルをちょっと下に入れるとかでもいいんだけど、これぐらいの傾斜をつけて。
シャクッてしまうときとか、クラブが立ってこないときとかは、こういったドリルを結構やるよね。
上田:これをやるときには、あんまり上げようとしないことが大事。目線が絶対左足下がりは上がらないので。
上田:上がらないのにあげようとする人が多いんですが、これは球が低くてもいい。スイングの軌道を作りたくてやるので、球が低いのは気にしないです。
辻村コーチ:やっぱり傾斜の中で左足下がりが一番難しい?
上田:一番難しいですけど、意外と左足下がりって球は曲がらないです。
辻村コーチ:ってことは、結局当たったあとに乗って押し込んでる感覚が長くなってるわけだね?
上田:そのときに大事にしていることは、とにかくクラブがレベルに寝てこないように。フェース面が寝てこないで、しっかり立って下りてくることを意識する。そうしてたら絶対に、体が開かないので。体が開くともうフェースが寝てしまうので。
上田:体とクラブ、どっちを意識するかはその人次第でいいと思うんですけど、私の場合は、フェース面とシャフトが立って来るように。
辻村コーチ:前傾が残ったまま、傾斜なりに打っていきたいもんね。どうしても軸が傾いて体が上を向いてしまうと、手の返りが強くなってくるもんね。やっぱりボールをうまく乗せられない、コントロールできない。だからしっかり乗せてる感覚を大事にしてると。
上田:とにかくレベルにクラブが寝てこないようにして振ることを意識すると、打点も良くなってかっこいいフィニッシュが取れると思うので、そこを意識してみてほしいです。
詳細の練習法は動画をご覧ください。
■上田桃子(うえだ・ももこ)。1986年生まれ。9歳でゴルフを始めて、翌年に坂田信弘主催の坂田塾に入門。その後、2005年のプロテストで一発合格すると、07年には『ライフカードレディス』での初勝利を皮切りに、年間5勝をマーク。史上最年少で賞金女王に輝いた。08年からは前年に『ミズノクラシック』優勝で獲得したシード資格で米国ツアーに参戦。その後は米ツアーのシードを失うなど苦しんだが、7年ぶりに日本を主戦場とした14年に2勝を挙げた。そこから2シーズンは優勝から遠ざかったが、17年に再び2勝を挙げ、存在感を発揮した。
2021年6月に結婚を発表。2022年「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」でミセス初優勝を果たした。
■辻村明志(つじむら・はるゆき)。1975年生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとして活躍後、ツアー帯同コーチに転身。 上田桃子・吉田優利・松森彩夏らを指導する、関係者から「辻にぃ」の愛称で親しまれる。
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