ボールがディボット跡に入っても「運がいい!」と思えるか!?【”こころ”で芯喰い】
自然が相手のゴルフでは、幸運と不運が交互にやって来る。大事なのは、不運のときの心の持ち方。「なんてこった」と嘆いているうちは、いつまでたっても一流のゴルファーにはなれませんよ。
配信日時:2023年10月17日 04時04分
ゴルフに運は付きもの。満足するスコアが出たとき、多くのゴルファーが、「今日は運も味方した」と口にしますよね。運がスコアを左右する大事な要素だ、と考えている人が多いようです。
しかし、皆さんもご存じのように、運というものは自分でコントロールできません。だから、運の良し悪しで一喜一憂しているうちはなかなか本当の力は付かないのです。これはプロゴルファーとて同じこと。ツアープロの中にも幸運を欲しがる選手が多いのですが、「運に頼っていては一生、一流にはなれませんよ」という話をよくします。
私がツアープロたちにいつもアドバイスしているのは、「『運が良ければ良し、運が良くなければなお良し』という言葉を思い出しながらプレーをしてください」ということです。要は、「運が良かったときは、大喜びせずにさらっと受け流し、不運に遭遇したときこそ幸運だと思え」ということです。
例えばボールがディボット跡に入っていたとします。そんなとき誰もが、「なんとついていないことか」と思うはず。しかし、そのたびにガッカリしたり、怒りを覚えたり、気力を失っていたら、精神的に不安定な状態でプレーをし続けることになります。さらにそのガッカリが、ショットを狂わせる大きな原因にもなります。
そんな事態に陥らないために、どんな不運に見舞われても「これは自分の力量を試すチャンス」と考えることが大切。そうすれば心理状態が悪化することはなくなり、逆に集中力が高まってフェアウェイからより良いショットが出たりするものです。
それがミスショットになったとしても、課題が見付かったと思ってそのショットを練習すればいいだけ。幸運から学ぶべきものは何もありませんが、不運はゴルファーを成長させるゴルフの神様からの贈り物でもあるのです。
こだま・みつお
過去25年にわたりツアープロのメンタルカウンセラーを務める。現在、6名のツアープロのメンタル面をバックアップしている。日本スポーツ心理学会会員
※『アルバトロス・ビュー』836号より抜粋
”こころ”で芯喰い