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    【第1回】堀琴音の “ザ・レッスン”「ドライバーの45度右プッシュを安定フェードに変えたクロスの動き」

    もともとドローヒッターだった堀琴音は、ひどいときにはドライバーで右45度の右プッシュを打つほどの不調に陥り、18年にシード陥落。それを安定フェードに変え、21年の「ニッポンハムレディスクラシック」でツアー初優勝を挙げた。琴音をシード復活に導いた『クロスの動き』を教えてもらおう。 <br><br> 撮影/鈴木祥

    配信日時:2021年8月20日 03時00分

    • レッスン
    • 堀琴音
    • ドライバーレッスン
    • 右プッシュ
    目次 / index
    • ドローのときはボールを右に出すために上体を右に傾けていた(写真左)。フェースが開くと45度の右プッシュに。いまは左に打ち出すフェードに変えて、インパクトで上体は真っすぐになりフェースは開かない
    • バックスイングでは左腕を右足の前に出し、インパクトでは右腕を左足の前に出すクロスの動きで振る
    • クロスの動きを取り入れたことで、バックスイングで深く捻転でき、インパクトで上体が右に傾かなくなった
    • バックスイングでは上半身を使って右サイドを後ろに引く
    • 切り返しは下半身から動かし、インパクトでは右足をしっかり蹴っていく
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    45度の右プッシュを安定フェードに改善

    ドローのときはボールを右に出すために上体を右に傾けていた(写真左)。フェースが開くと45度の右プッシュに。いまは左に打ち出すフェードに変えて、インパクトで上体は真っすぐになりフェースは開かない

    ドローのときはボールを右に出すために上体を右に傾けていた(写真左)。フェースが開くと45度の右プッシュに。いまは左に打ち出すフェードに変えて、インパクトで上体は真っすぐになりフェースは開かない (撮影:鈴木祥)

    以前の私はドローを打っていたので、ボールを右に出すために上体を右に傾けてインパクトしていました。下からのあおり打ちでフェースが開くので、右45度の方向にひどい右プッシュを打っていたのです。ゴルフになりませんでした。今はボールを左に打ち出すフェードに変えたので、上体は真っすぐの形でインパクトしています。

    クロスの動きであおり打ちを撲滅

    バックスイングでは左腕を右足の前に出し、インパクトでは右腕を左足の前に出すクロスの動きで振る
    クロスの動きを取り入れたことで、バックスイングで深く捻転でき、インパクトで上体が右に傾かなくなった
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    バックスイングでは左腕を右足の前に出し、インパクトでは右腕を左足の前に出すクロスの動きで振る (撮影:鈴木祥)
    バックスイングの捻転が浅くなるとリズムが早くなって右プッシュが出るし、インパクトの右足の蹴りが足りないときは、引っかかってしまう。そこで私はクロスの動きでスイングを改善しました。

    バックスイングでは右サイドを後ろに引いて、左腕は右足の前に出します。そしてインパクトでは左サイドを引いて右腕を左足の前に出す。左右対称のクロスの動きで振っているのです。
    バックスイングでは上半身を使って右サイドを後ろに引く

    バックスイングでは上半身を使って右サイドを後ろに引く (撮影:鈴木祥)

    これは森守洋コーチに教わった練習で、意識は人それぞれなんですけど、私の場合、バックスイングは上半身で引いて、インパクトは下半身で蹴っていくイメージ。下ろすときには下半身から連動させることが大事。ドライバーを安定させると言っても、下半身を使わないと飛距離は出ません。しっかり右足を蹴ってボールを左に出してフェードさせるだけ。それ以外の難しいことはあまり考えないようにしています。

    嫌なホールに来たときや、あまり曲げたくないときには、素振りの前にクロスの動きを入れて打つこともあるんです。
    切り返しは下半身から動かし、インパクトでは右足をしっかり蹴っていく

    切り返しは下半身から動かし、インパクトでは右足をしっかり蹴っていく (撮影:鈴木祥)

    それまで右に出してドローを打っていたのに、左に出していくフェードに変えて気持ち悪くないですかと聞かれることがあります。私は右プッシュがすごく嫌だったので、それを脱却したくてフェードに変えた。だから怖さとか気持ち悪さはなかったですね。

    最初は大げさに左に出していましたが、それだとスライスが大きくなって距離をロスしてしまう。それをカバーするためにクロスの動きを取り入れたら、曲がり幅も減って飛距離のロスが減りました。だからスライサーにもオススメです。

    堀琴音のドライバー正面連続写真

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    (撮影:鈴木祥)

    フェードは腰を回転させてフェースの開閉を抑える

    ドローヒッターは腰を開かずに、手首を使うフェースローテーションでボールをつかまえる(写真左)。フェードヒッターは腰を開いてフェースローテーションをあまり使わずに打つ

    ドローヒッターは腰を開かずに、手首を使うフェースローテーションでボールをつかまえる(写真左)。フェードヒッターは腰を開いてフェースローテーションをあまり使わずに打つ (撮影:鈴木祥)

    ドローからフェードに改造して体の動きが変わりましたが、フェースの使い方も変わりました。私の意見としては、ドローヒッターはあまり左股関節を開かずに、フェースローテーションを使ってつかまえていく。それに対してフェードヒッターは、左股関節を閉じる動きをしたくない。しっかり腰を回転させて、あまりフェースローテーションを使わずに打ちたいんです。手首の角度を変えるか変えないかがドローヒッターとフェードヒッターの違いかなと思います。

    トップはなるべく高く上げ、上からボールを叩く

    どちらが正解というのはないが、堀自身はトップを高く上げるように意識している

    どちらが正解というのはないが、堀自身はトップを高く上げるように意識している (撮影:鈴木祥)

    これも私の考えですが、ドローヒッターはトップが低く、フェードヒッターはトップが高いイメージがあります。トップをあまり低くしてしまうと右プッシュが出やすいのです。私は松田鈴英ちゃんみたいに高く上げて、上からパチッとボールを叩きたい。手首のローテーションをしない分、上からの重力を利用した方が曲がらないし飛ぶと思います。

    トップを高く上げようとして、腰が反らないように注意

    トップを大きく高く上げようとすると、体が左に傾くリバースピボットの形になりがち(写真左)。これだとインパクトでフェースが戻せずに開きやすい

    トップを大きく高く上げようとすると、体が左に傾くリバースピボットの形になりがち(写真左)。これだとインパクトでフェースが戻せずに開きやすい (撮影:鈴木祥)

    捻転の浅いトップはよくありませんが、高く上げようとして腰が反るのもよくない。腰が反って上体が左に傾くリバースピボットの形になると、インパクトでフェースを戻しづらくなってしまいます。私自身も腰が反る癖があったので、それを解消したくて、クロスの動きを取り入れました。右サイドを引いて左腕を右足の前に出していけば、トップで腰が反ることはありませんよ。

    堀琴音のドライバー後方連続写真

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    (撮影:鈴木祥)
    ■堀琴音
    ほり・ことね 1996年3月3日生まれ。徳島県徳島市出身。20歳だった16年に7000万円を稼ぎ、賞金ランキング11位に躍進。初優勝がもっとも近い選手と言われたが、18年に出場34試合中27試合で予選落ちという大不振でシード落ちした。その後、森守洋コーチと取り組んだスイング改造が身を結び、21年の「ニッポンハムレディスクラシック」で初優勝。シード復活を果たした。

    ■堀琴音 プロフィール&成績
    ■堀琴音 特選フォトギャラリー
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