【第9回】西村優菜の“ザ・レッスン” ドライバーのスライス撲滅♯1「インから下ろせるドローの構え」
2000年度生まれの西村優菜は身長150センチと小柄で飛距離が出る方ではないが、ドライバーやフェアウェイウッドといった長いクラブでの正確性はツアーで一二を争う。つかまったドローを持ち球とする西村に、ドライバーのスライスを直す方法を直撃した。レッスン前編はインから下ろせるアドレスの作り方について。 取材協力/花屋敷ゴルフ倶楽部 よかわコース 撮影/田中宏幸
配信日時:2021年10月14日 03時00分
目次 / index
私はタテ(身長)がないから、軸を動かさずに遠心力を使って飛ばすタイプではありません。ヨコの体重移動を使ってボールに力を伝えていきます。バックスイングでしっかり右に乗ってパワーを溜めるのは、ドライバーだけでなく、どのクラブでも意識していますね。
バックスイングでしっかり右に体重移動して右サイドでクラブをさばくことで、ドローボールを打っています。今回はドライバーでつかまったドローが打てるアドレスの作り方を紹介したいと思います。
アドレスの体重配分は、6:4の右足体重
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6:4の右足体重で構えることで、バックスイングで右に体重移動しやすくなる
ドローボールを打ちやすくするために、私はアドレスで5:5ではなく6:4の右足体重で構えています。最初から右足に乗せておいたほうが、バックスイングでスムーズに右に体重移動できるんです。
5:5の体重配分で構えると、トップで左足に体重が乗ってリバースすることがあります。ここから下ろそうとすると、左に突っ込むしかないので、インパクトで詰まってフェースが返せない。スライスや右プッシュのミスが多くなると思います。しっかり右足に乗って右側にスペースを作ることが、つかまったドローボールへの第一歩です。
アドレスで左腰をスライドさせると腰のラインが右を向く
そして、アドレスで左腰を少し左にスライドし、体の右サイドを絞ります。左に体重を乗せると腰が開いてしまうので、6:4の右足体重のまま、左のお尻だけを左に突き出すイメージ。そうすると、腰のラインだけ右を向いてドローが打ちやすい構えになります。
右にスペースができて、インサイドから下ろしやすくなる
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腰のラインを右に向け、右サイドにスペースを作ることで、インサイドからクラブが下りてくる
体の右サイドを絞ることで右にスペースができますので、力で無理にインサイドから下ろそうとしなくても、勝手にインサイドからクラブが入ってくる。アドレスからちゃんとドローが打ちやすい姿勢を作ることが大事なんです。
スライスしやすい人は、足のラインはスクエアでも腰のラインが左を向いて構えている人もいます。これだとインサイドからクラブを下ろすスペースがないので、アウトサイドからカット軌道に振るしかありません。インパクトで手元が浮いてフェースが開き、スライスが出やすくなります。
右足の拇指球に力を入れたままバックスイング
右足に体重を乗せやすいアドレスを紹介しましたが、バックスイングになると、腰が右に動きすぎてスエーしたり、右に上手く乗れない人もいると思います。対処法は右足の拇指球でしっかり地面を踏むこと。右足の拇指球に力を入れたままバックスイングすると、右足に上手く乗ることができます。
【ドリル】クラブを胸の前で振るイメージを作る
トップで右に乗ってしまえば、そこから腕は脱力させて胸の前でクラブを振るだけです。体は開きを抑える準備ができているので、クラブが胸の前から外れなければスライスすることはありません。この“胸の前で振る”動きはヘッドカバーを使って練習することができます。
胸の前でヘッドカバーを持って、目標方向に投げてみましょう。バックスイングでもダウンスイングでもヘッドカバーがずっと胸の前にあれば、真っすぐ飛ばすことができます。変な方向に飛んでしまうときは、胸の前からヘッドカバーが外れてしまっているのです。ヘッドカバーを真っすぐ飛ばせる体の使い方ができれば、クラブを持ったときでもボールを真っすぐ飛ばせますよ。
西村優菜のドライバー後方連続写真
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■西村優菜
にしむら・ゆな 2000年8月4日生まれ。大阪府堺市出身。アマチュア時代は、同い年の古江彩佳、吉田優利、安田祐香とともにナショナルチームで活躍。2020年にプロデビューすると、「樋口久子 三菱電機レディス」でツアー初優勝、翌21年には国内メジャー「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」で早くも2勝目を挙げた。憧れの選手は15年全米女子覇者のチョン・インジ(韓国)。西村のプレー中の笑顔や、ゆったりとしたスイングリズムは、インジを見習っている。
■西村優菜 プロフィール&成績
■西村優菜 特選フォトギャラリー
にしむら・ゆな 2000年8月4日生まれ。大阪府堺市出身。アマチュア時代は、同い年の古江彩佳、吉田優利、安田祐香とともにナショナルチームで活躍。2020年にプロデビューすると、「樋口久子 三菱電機レディス」でツアー初優勝、翌21年には国内メジャー「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」で早くも2勝目を挙げた。憧れの選手は15年全米女子覇者のチョン・インジ(韓国)。西村のプレー中の笑顔や、ゆったりとしたスイングリズムは、インジを見習っている。
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