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    石川遼はヘソからの切り返しで安定ドローを打つ【勝者に技アリ!】

    石川遼はヘソからの切り返しで安定ドローを打つ【勝者に技アリ!】

    配信日時:2022年2月19日 08時00分

    • レッスン
    2019年長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップで、前週の日本プロゴルフ選手権に続いて2種連続優勝を遂げた石川遼 ヘッドをボールから離して構えるのも、安定したドローを打つコツだという(写真・鈴木祥)
    2019年長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップで、前週の日本プロゴルフ選手権に続いて2種連続優勝を遂げた石川遼 ヘッドをボールから離して構えるのも、安定したドローを打つコツだという(写真・鈴木祥)
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    2019年長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップで、前週の日本プロゴルフ選手権に続いて自身初となる2週連続優勝を遂げた石川遼。初日から首位を守り、大会記録タイの通算20アンダーの完全優勝は圧巻だった。だが最終18番ホールのグリーン上、日本プロゴルフ選手権で見せたような力強いガッツポーズはなかった。大会初日の朝に、義母がガンのため他界していたからだった。

    今も直進化している石川遼の最新ドライバースイング

    試合に出るべきかどうか、ギリギリまで悩んだという。家族で話し合った結果、妻の後押しがあり出場を決めた。プレーをしながらも「気持ちを持っていくのが難しかった」と、試合後に話した石川。そんな精神状態で石川がバーディを量産できたのは「遼くんが頑張っているから、私も頑張れる」と石川の背中を押した義母の言葉があったのは疑いのないところだが、精度が高く安定感が増したショットを打つ揺るぎのない自信がみなぎっていたのも事実だ。ドライバーからウェッジまで底上げされていた石川のショットの秘密を、本人の証言とともに振り返る。

    「インサイドアウトで振る傾向が強かったのですが、イン・トゥ・インの軌道で振れるようになったことでショットが安定しました。これまではフォローでインサイドに振り抜こうとすると、ダウンスイングでアウトサイドから下ろさないとできませんでした。そのためにヘッドが鋭角に下りてきて右にすっぽ抜けるミスが出ていました。今はダウンスイングで鈍角に下ろせるようになり、インサイドから下ろしてインサイドにしっかり振り抜けるようになりました」

    「鈍角なダウンスイングでシャローに振るコツは、体をしっかり回すことです。バックスイングで体が回らないと、ダウンスイングでも体は回りません。上半身と下半身の捻転差をあまり考えずに体を回して振り上げたら、切り返しはヘソの内側の筋肉から始動して上体を引っ張り、最後にクラブのヘッドを動かして振り下ろしています」

    それまではダウンスイングで体の回転が止まることがあったという。だが、ヘソの内側の筋肉を使って切り返すようになってからは、しっかり体が回ってショットが安定し飛距離も伸びたという。そしてもう一つ、安定ドローのコツを石川が教えてくれている。

    「ドライバーはヘッド軌道の最下点より先で当たるようにしたいので、ボールはスタンスの左側にティアップしていますよね。このときボールからヘッドを離して構えて、その位置が最下点だと意識します。ヘッドがボールから遠くなるほど最下点の先でとらえることになるので、ボールがつかまります。逆にヘッドをボールに近づけると、最下点がボールの近くになってつかまりが悪くなります。ドローを打ちたいときはヘッドを離し、フェードを打ちたいときはボールにヘッドを近づける。そうした応用法もあります」

    試合に入ればプレーに集中することはできたが、優勝を目前にした最終18番ホールで義母のことを思い浮かべたという石川。「見てくれているのかなと思った。応援してくれていたと思う。不思議な力を感じたし、自分の力だけで勝てたわけではないと思った」と、試合後にはコメントを残した。中学生のころから交流があったという義母の死だけに、心のゆらぎは小さくはなかったはず。それでも他を圧倒する強さを見せることができたのは、試行錯誤を重ねながら向上し続けるショットの精度、弾道の安定があったからこそだ。石川のスイングに対する探究心はとどまるところを知らない(2019年週刊パーゴルフ取材)
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    勝者に技アリ!

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