連載
勝者に技アリ!
柏原明日架は10時と2時への振り分けで飛距離を打ち分けて初優勝【勝者に技アリ!】
柏原明日架は10時と2時への振り分けで飛距離を打ち分けて初優勝【勝者に技アリ!】
配信日時:2022年2月21日 08時00分
何度も何度も悔し涙を飲んできた柏原明日架が、プロ6年目の2019年ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンでようやく悲願を達成した。最終日、首位に2打差の4位タイスタートからスコアを伸ばしての逆転優勝だった。勝因は「攻め続けた結果です」と、力強く話した柏原。攻めのゴルフを支えたのは、フェアウェイウッドだった。
柏原明日架はじめての口づけにドキッ
「夏が終わった後でも芝がしっかり伸びたラフはやっかいで、アイアンではキャリーが出ないことがしばしばあります。でもソールが広いフェアウェイウッドは、滑ってくれるのでラクに打つことができます。初優勝を遂げたミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンでも大活躍でした。ピンを狙うときも、パー5のセカンドショットでも、7番〜11番ウッドは飛距離をコントロールしやすく、いい仕事をしてくれました」
ピンがグリーン手前ならフルショットで番手の飛距離を打ち、ピン奥なら上の番手でラインを出して攻めたという。飛距離はそれぞれの番手で、プラスマイナス10ヤードを打ち分けた。当時、使用していたのはキャロウェイ〈ローグ〉フェアウェイウッド。4、7、9、11番の4本をバッグに入れていた。飛距離はランを含めて、4番が245ヤード、7番は210ヤード、9番195ヤード、11番185ヤードだ。
「飛距離を出したいときは、フェースを少しかぶせてフックを打ちます。スイングはインサイドアウト軌道で、飛球線上にこちらを向いてある時計の2時方向にフォローを振っていきます。飛距離を抑えて高い球を打ちたいときは、軽くオープンに構えてフェースを少し開き、アウトサイドインのカット軌道で10時の方向に振りスライス回転の球を打ちます。状況によって球筋を変えることで、攻め方の幅がぐんと広がります」
「ボール位置も少し変えています。距離を出したいときは、左カカト内側よりヘッド1個分右に置きます。距離を抑えたいときは、左カカト内側よりヘッド半個分右に。通常はその中間に置きます」
プラス10ヤードはフック回転の球を打ち、マイナス10ヤードはスライス回転の球を打つ。このときに重要なのは打ち出し方向だという。フック回転の低い球で距離を出したいのなら、右にボールを打ち出すことが重要。スライス回転の高い球で距離を抑えたいのなら、左に打ち出す。セットアップとスイング軌道で球筋を打ち分けるのだが、フェースを開いたりかぶせたりすることで、打ち出す方向がさらに確実になる。こうして柏原はフェアウェイウッドでのショットをコントロールし、最後まで攻め続けたという。
「最終日の17番ホールのセカンドショットでした。首位にいる自分に気づき、アドレスで手が震えてきたんです。いったんアドレスをほどき、誰にも分からないように左の太モモを思い切りつねって気持ちを切り替えました。ホールアウト後に太モモを見たら、しっかりアザになっていました(笑)」
多くのアマチュアはグリーンに近づけることばかりを考え、闇雲にフェアウェイウッドを振り回して飛距離を稼ぐことばかり考えがちだ。だが、コントロースする術が分かれば、自ずとそれも変わってくるというもの。柏原のコントロール術をぜひ試してほしい。(2019年取材)
柏原明日架はじめての口づけにドキッ
「夏が終わった後でも芝がしっかり伸びたラフはやっかいで、アイアンではキャリーが出ないことがしばしばあります。でもソールが広いフェアウェイウッドは、滑ってくれるのでラクに打つことができます。初優勝を遂げたミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンでも大活躍でした。ピンを狙うときも、パー5のセカンドショットでも、7番〜11番ウッドは飛距離をコントロールしやすく、いい仕事をしてくれました」
ピンがグリーン手前ならフルショットで番手の飛距離を打ち、ピン奥なら上の番手でラインを出して攻めたという。飛距離はそれぞれの番手で、プラスマイナス10ヤードを打ち分けた。当時、使用していたのはキャロウェイ〈ローグ〉フェアウェイウッド。4、7、9、11番の4本をバッグに入れていた。飛距離はランを含めて、4番が245ヤード、7番は210ヤード、9番195ヤード、11番185ヤードだ。
「飛距離を出したいときは、フェースを少しかぶせてフックを打ちます。スイングはインサイドアウト軌道で、飛球線上にこちらを向いてある時計の2時方向にフォローを振っていきます。飛距離を抑えて高い球を打ちたいときは、軽くオープンに構えてフェースを少し開き、アウトサイドインのカット軌道で10時の方向に振りスライス回転の球を打ちます。状況によって球筋を変えることで、攻め方の幅がぐんと広がります」
「ボール位置も少し変えています。距離を出したいときは、左カカト内側よりヘッド1個分右に置きます。距離を抑えたいときは、左カカト内側よりヘッド半個分右に。通常はその中間に置きます」
プラス10ヤードはフック回転の球を打ち、マイナス10ヤードはスライス回転の球を打つ。このときに重要なのは打ち出し方向だという。フック回転の低い球で距離を出したいのなら、右にボールを打ち出すことが重要。スライス回転の高い球で距離を抑えたいのなら、左に打ち出す。セットアップとスイング軌道で球筋を打ち分けるのだが、フェースを開いたりかぶせたりすることで、打ち出す方向がさらに確実になる。こうして柏原はフェアウェイウッドでのショットをコントロールし、最後まで攻め続けたという。
「最終日の17番ホールのセカンドショットでした。首位にいる自分に気づき、アドレスで手が震えてきたんです。いったんアドレスをほどき、誰にも分からないように左の太モモを思い切りつねって気持ちを切り替えました。ホールアウト後に太モモを見たら、しっかりアザになっていました(笑)」
多くのアマチュアはグリーンに近づけることばかりを考え、闇雲にフェアウェイウッドを振り回して飛距離を稼ぐことばかり考えがちだ。だが、コントロースする術が分かれば、自ずとそれも変わってくるというもの。柏原のコントロール術をぜひ試してほしい。(2019年取材)
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