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勝者に技アリ!
球が曲がり始めたら、成田美寿々はトップでひと呼吸素振りを大げさに行う【勝者に技アリ!】
球が曲がり始めたら、成田美寿々はトップでひと呼吸素振りを大げさに行う【勝者に技アリ!】
配信日時:2022年2月27日 08時00分
2018年アース・モンダミンカップで、シーズン2勝目、ツアー通算10勝目を挙げた成田美寿々。梅雨明けのぐずついた天気の中、果敢な攻めのゴルフを貫いての4日間。スイングの乱れを敏感に感じ取り、不調の波を抑え込みながら戦ったという成田。抑えようとすればするほど、不調はガンコに尾を引いてしまうのがゴルフ。どうやって不調の波を抑え込んだのだろう。それはシンプルなことだった。
成田美寿々のドライバー【2018年連続写真】
「実は初日から、絶好調とはいえない状態でした。雨が降ったり風が吹いたり、優勝争いを意識したりしていると、リズムが悪くなってきます。影響はドライバーショットにすぐに出ました」
当たりが悪くなり芯に当てたい気持ちが強く出て、トップが必要以上に低くなり、どんどん球のつかまりが悪くなったという。低いトップから間のない切り返しで、打ち急いでいたのだ。
「つかまった球が打てなくなってくると、ヘッドを上から入れたくなり、右肩がかぶって外からヘッドが下りてくることになりがちです。そうなると、スイングリズムは悪くなるばかりです。ボールは体の目の前にあってどこへも行かないのに、リズムが早くなってさらに打ち急いでしまうんです」
打ち急ぎに気づいた成田は、すぐに修正をしたという。
「私の修正法は単純です。打つ前に素振りを丁寧に行うだけです。いつもどおりの高いトップをつくったら、いったん体の動きをピタッと止めてから振り下ろします。切り返しの動きを大げさに行うわけです。これで自分本来のリズムが確認できます。球のつかまりが悪いと感じたら、大げさな動きの素振りを行う。これだけで乱れたリズムが正されて、つかまった球が打てるようになります。ラウンド中に調子が悪くなってきたら、騙されたと思って試してみてください」
ショットが乱れてくると、冷静さを失ってしまう。そんなときこそ、単純な解消法が効果を発揮する。単純であれば単純であるほど、客観的に己を見つめ直すことができるというもの。成田はこの試合で、初日から「目標20アンダー」を口にしていた。それには届かなかったが、4日間トータル17アンダーで優勝を遂げた。戦う相手よりも自分の目標に目を向けることで、集中して攻めのゴルフを続けた結果だった。攻め続けられたのは、調子を乱しながらもそれを抑えることができたからに他ならない。そこにひと役買ったのは、大げさで丁寧な素振りだった。(2019年取材)
成田美寿々のドライバー【2018年連続写真】
「実は初日から、絶好調とはいえない状態でした。雨が降ったり風が吹いたり、優勝争いを意識したりしていると、リズムが悪くなってきます。影響はドライバーショットにすぐに出ました」
当たりが悪くなり芯に当てたい気持ちが強く出て、トップが必要以上に低くなり、どんどん球のつかまりが悪くなったという。低いトップから間のない切り返しで、打ち急いでいたのだ。
「つかまった球が打てなくなってくると、ヘッドを上から入れたくなり、右肩がかぶって外からヘッドが下りてくることになりがちです。そうなると、スイングリズムは悪くなるばかりです。ボールは体の目の前にあってどこへも行かないのに、リズムが早くなってさらに打ち急いでしまうんです」
打ち急ぎに気づいた成田は、すぐに修正をしたという。
「私の修正法は単純です。打つ前に素振りを丁寧に行うだけです。いつもどおりの高いトップをつくったら、いったん体の動きをピタッと止めてから振り下ろします。切り返しの動きを大げさに行うわけです。これで自分本来のリズムが確認できます。球のつかまりが悪いと感じたら、大げさな動きの素振りを行う。これだけで乱れたリズムが正されて、つかまった球が打てるようになります。ラウンド中に調子が悪くなってきたら、騙されたと思って試してみてください」
ショットが乱れてくると、冷静さを失ってしまう。そんなときこそ、単純な解消法が効果を発揮する。単純であれば単純であるほど、客観的に己を見つめ直すことができるというもの。成田はこの試合で、初日から「目標20アンダー」を口にしていた。それには届かなかったが、4日間トータル17アンダーで優勝を遂げた。戦う相手よりも自分の目標に目を向けることで、集中して攻めのゴルフを続けた結果だった。攻め続けられたのは、調子を乱しながらもそれを抑えることができたからに他ならない。そこにひと役買ったのは、大げさで丁寧な素振りだった。(2019年取材)
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