連載
勝者に技アリ!
成田美寿々は跳び箱を飛ぶイメージで下半身を使い飛距離を伸ばした【勝者に技アリ!】
成田美寿々は跳び箱を飛ぶイメージで下半身を使い飛距離を伸ばした【勝者に技アリ!】
配信日時:2022年3月8日 08時00分
2019年シーズン開幕前、成田美寿々は懸命にドライバーの飛距離アップに取り組んだ。その努力は実を結び、ヤマハレディースオープン葛城の最終日には18番パー5のティショットで300ヤードのビックドライブを達成。そして、堂々ツアー通算15勝目を手にした。飛距離を伸ばしたのは、それまで使う意識がなかった下半身を積極的に使い始めたからだという。どのように下半身を使っていたのだろう?
成田美寿々が300ヤード打ったドライバーは?
「ヤマハレディースオープン葛城最終日の最終18番は、オフに取り組んでいたテーマが形となって表れました。そのテーマとは、ドライバショットの飛距離アップと弾道の高さです」
成田はヘッドスピード45m/sを目指し、より強い筋力を求めてフィジカルトレーニングに励んだという。
「オフは毎日120キロのバーベルを持ったスクワットを課して、トレーニングに励みました。下半身を鍛えて積極的に使うことにより、それまで以上にボールにパワーを伝えたかったからです」
飛距離を伸ばすためには、下半身からのエネルギーを効率よく上半身に伝えることが重要だと考えたのだという。
「脚力を鍛えた上で、切り返しで左足を踏み込んだら左ヒザを伸ばしてインパクトを迎えます。いわゆる地面反力を利用するわけですが、跳び箱を飛ぶときをイメージしてください。跳び箱の手前に置いたロイター板を踏む動きと同じです。踏み込んだ反動で上に上がる力を利用するわけです」
つまり踏み込む力が強ければ強いほど、反力の力も強くなるという理屈だ。下半身を積極的に使うということは、クルマのエンジンをもう一つ増やすようなものである。上半身の動きは変えずに操作性のいいハンドルはそのまま使い、エンジンを増やしたぶん飛んで曲がらなくなったのだ。
「バーベルを持ってのスクワット以外にも、取り組んだことがあります。以前は重いものを振っていましたが、軽いものを速く振るトレーニングに切り替えました。ドライバーを逆さに持ってビュンと素早く振る練習です。これはスイングスピードを上げて、飛距離を伸ばすためです」
結果、ヘッドスピードが43m/sから44.5m/sまで上がり、弾道も高くなりキャリーが10ヤード伸びたという。
「そこで気づいたのが、ヘッドスピードを上げるにはクラブをスムーズに振り切ることが重要だということ。私はフォローで左ヒジの使い方がイマイチでした。左ヒジが少し浮いていたんです。それは左打ちの練習で修正しました」
バックスイングの動きは悪くなかったので、左打ちならうまく左ヒジをたたんで振り上げられると考えたのだ。その動きをつかめば右打ちに戻したとき、フォローで左ヒジをスムーズにたためるようになるというもくろみだった。左打ちのバックスイングは右打ちのフォローの動きにつながる。これが読みどおり、うまくはまったという。
それにしても120キロのバーベルを持ってのスクワットとは、かなりハードなトレーニンフを課したものだが、成田は涼しい顔をで話していた。飛距離に対する飽くなき挑戦には頭が下がる。(2019年取材)
成田美寿々が300ヤード打ったドライバーは?
「ヤマハレディースオープン葛城最終日の最終18番は、オフに取り組んでいたテーマが形となって表れました。そのテーマとは、ドライバショットの飛距離アップと弾道の高さです」
成田はヘッドスピード45m/sを目指し、より強い筋力を求めてフィジカルトレーニングに励んだという。
「オフは毎日120キロのバーベルを持ったスクワットを課して、トレーニングに励みました。下半身を鍛えて積極的に使うことにより、それまで以上にボールにパワーを伝えたかったからです」
飛距離を伸ばすためには、下半身からのエネルギーを効率よく上半身に伝えることが重要だと考えたのだという。
「脚力を鍛えた上で、切り返しで左足を踏み込んだら左ヒザを伸ばしてインパクトを迎えます。いわゆる地面反力を利用するわけですが、跳び箱を飛ぶときをイメージしてください。跳び箱の手前に置いたロイター板を踏む動きと同じです。踏み込んだ反動で上に上がる力を利用するわけです」
つまり踏み込む力が強ければ強いほど、反力の力も強くなるという理屈だ。下半身を積極的に使うということは、クルマのエンジンをもう一つ増やすようなものである。上半身の動きは変えずに操作性のいいハンドルはそのまま使い、エンジンを増やしたぶん飛んで曲がらなくなったのだ。
「バーベルを持ってのスクワット以外にも、取り組んだことがあります。以前は重いものを振っていましたが、軽いものを速く振るトレーニングに切り替えました。ドライバーを逆さに持ってビュンと素早く振る練習です。これはスイングスピードを上げて、飛距離を伸ばすためです」
結果、ヘッドスピードが43m/sから44.5m/sまで上がり、弾道も高くなりキャリーが10ヤード伸びたという。
「そこで気づいたのが、ヘッドスピードを上げるにはクラブをスムーズに振り切ることが重要だということ。私はフォローで左ヒジの使い方がイマイチでした。左ヒジが少し浮いていたんです。それは左打ちの練習で修正しました」
バックスイングの動きは悪くなかったので、左打ちならうまく左ヒジをたたんで振り上げられると考えたのだ。その動きをつかめば右打ちに戻したとき、フォローで左ヒジをスムーズにたためるようになるというもくろみだった。左打ちのバックスイングは右打ちのフォローの動きにつながる。これが読みどおり、うまくはまったという。
それにしても120キロのバーベルを持ってのスクワットとは、かなりハードなトレーニンフを課したものだが、成田は涼しい顔をで話していた。飛距離に対する飽くなき挑戦には頭が下がる。(2019年取材)
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