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    【誰も言わなかった真実】シニアが習得すべき、体に優しいボディターン(序章)

    元日本プロゴルフ協会A級ティーチングプロ、現在アメリカの日本食レストランチェーンCEO。異色の経歴を持つTOSHI HIRATAが30年のレッスン経験の集大成を語る。超DEEPな骨太スイング論をアメリカからお届け!

    配信日時:2017年5月19日 01時30分

    • レッスン
    目次 / index
    • 体が硬いが飛ばし屋のG・ウッドランド。左足カカト軸で回転を止めず、左足ツマ先の向きは激しく回転する(写真・Getty Images)
    • ハンマー投げのレジェンド、室伏広治。投げ出す時の左足ツマ先は浮き、カカトを中心とした高速軸回転を主体とする(写真・Getty Images)
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    セオリー無視では先の成長に差がついてしまう。付け焼き刃でいいのでしょうか?

    「ゴルフは飛距離じゃない!」

    そんなことを言う人に限って「昔はあそこまで飛んでいたんだ!」なんてね。そして飛距離の追求をやめたときからゴルフがつまらなくなるのも事実です。「永遠に追い求めましょう!飛距離の追求」。いいじゃないですか、私も含めて皆さんはゴルフに生活がかかっているわけではないのですから。

    そのカギとなるのはフォロースルーの大きくとれたボディターン。前回の動画第16回/誰も言わなかった真実「ゴルフは左手主導の方がスピードもパワーも出る」で見せた「右手離し」では驚くほどの大きなフォロースルーがとれていますよね。「ボディターンなんて腰が……」なんて、心配しないでください。テーマが「シニアからの体に優しいボディターン」ですから。

    日本も含めたツアープロの100%近くが体を大きく使ったボディターンでスイングします。そして多くのアマチュアはそれが出来ないで悩んでいます。そこへ「ボディターンは鍛えられた体のプロだけのもの!」と、手打ちを勧めてくるプロや上級者がいることも事実です。多くのアマチュアはその悪魔のような甘い囁き「魔法の言葉」や「奇跡の言葉」に期待し、乗せられることも多いのですが、果たしてそれでいいのでしょうか?

    日本プロゴルフ協会員の基本通りのレッスンは、正直、アマチュアの最も苦手とするところを教えるわけだから、簡単にはマスター出来ません。そんなところへセオリーを否定してアマチュアの犯す過ちがあたかも正しいことのように導いていく。アマチュアにしてみれば「それでいいんだ!それなら簡単だ!」と感じてしまう。よく言えばアマチュア心理に寄り添っているとも言えます。

    しかしその道を辿れば先は見えません。セオリー無視の付け焼刃的な指導はアマチュアの将来の成長をも奪ってしまいかねない。私がこの道に入り30年が過ぎますが、このプロセスはこれまで数限りなく繰り返されてきました。

    例えば、私はこの原稿を書くにあたり、PCのキーボードを両手の3本指でまかなっています。いつまで経ってもキーボードを見ながら打ち込んでいる。画面だけを見て打ち込んでいる人を見ると、神業にも見えてくる。それはブラインドタッチをマスターした人にとって、至極簡単な作業だというのに……。

    原因は、最初のタイピングの基本であるホームポジションを怠ったからです。なぜなら、その方が最初は楽だったから。そして、いま始めた当初のスピードと変わらないままキーボードに向かう自分を深く後悔しています。

    ゴルフもこれと同じことが言えます。基本を無視した我流はやりやすくて楽で最初は上達も早い。しかし、必ずどこかで行き詰まる。「皆さんにはそんな思いをさせたくない」というのが私の本音です。そして誤解を恐れずに正直に言います。

    革新的なレッスンなど存在しない!

    ゴルフレッスン先進国のアメリカでも、新理論は出尽くした感があります。地道なステップを踏むレッスンが正統派なのに、これは読者からすれば地味でまったく面白くない。なぜなら多くのアマチュアは「奇跡の言葉」「魔法の言葉」を望んでいるから。私のレッスンは皆さんもご存知のように「遥かなる道を目指すあなたのために」ということで、すごく面倒に感じますよね?

    でも、上達に決して近道などありはしない。それは、レッスンに真面目に取り組んでいる人間なら分かっていることで、この10数年地道にやってきました。そして今年からALBA.Netのレッスンに登場したわけですが……。でも私は諦めない!

    「シニアからの体に優しいボディターン」。このテクニックは誰でも習得可能です

    体が硬いが飛ばし屋のG・ウッドランド。左足カカト軸で回転を止めず、左足ツマ先の向きは激しく回転する(写真・Getty Images)

    体が硬いが飛ばし屋のG・ウッドランド。左足カカト軸で回転を止めず、左足ツマ先の向きは激しく回転する(写真・Getty Images)

    今回の理論、そして来週紹介する予定の新しいドリルを行えば、多くのアマチュアがプロと同じ感覚でスイングできることに気づくでしょう。もちろん、それを実践したからといって、明日からすぐにコースで使える即効性のあるものではないが、間違いなく80%以上のアマチュアの皆さんが習得可能なことなのです。

    これから紹介するのは「シニアからの体に優しいボディターン」といっても、実は多くのPGAツアープレーヤーも自然習得しています。つまり、老若男女が使えるテクニックなのです。

    それでは、代表的選手の画像を見てもらいましょう!

    ドライバーディスタンスが300ヤードを超えるPGAツアーの飛ばし屋としても有名なゲーリー・ウッドランド選手は、その代表のような動きをしています。彼は飛ばし屋でかなりの筋肉質、そして若干体が硬いようです。

    強烈な体の回転を支えているのは、もちろん、両足のカカトです。彼のトップは体の硬さゆえ、非常に浅いものです。90度くらいしか捻転されておらず、PGAツアーの中でもコンパクトな方です。しかし、ダウンスイングからの強烈なラグ(タメ)と強靭な腕力でクラブを引き下ろしてきます。

    重いインパクトでボールを打ち抜いた後はそのエナジーをカカトで受け止め、回転して逃がしていきます。もし彼がこの動きをしなければ彼の膝は衝撃で簡単にやられてしまいます。この動きは体が柔軟なリッキー・ファウラー選手にも見られるのです。注意してみれば、多くのPGA選手(JBやHoffman)が無意識のうちにこの動作を行なっていることに気付くはずです。
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    なぜ、カカト軸で振ると、体に優しいのか?

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