お尻を“キュッ”からのヒザを緩めて“ストン”でド安定の重心が完成! アイアンの“シャンク癖”もこれで直せる
ドライバーはいい当たりでもアイアンはミス……。クラブで差が出るのは重心に問題があった。
配信日時:2024年7月16日 22時32分
ドライバーはナイスショットだったのに、次に打ったアイアンはまさかのシャンク。こんな風にアイアンのミスが多いときは、振り方を変えたほうがいいのだろうか。「ドライバーとアイアンでスイングを変える必要はありません。変えるのはアドレスだけで大丈夫」と話すのは、かつて世界一にも輝いた宮里藍の父でありコーチの優氏。アドレスのどこを変えるといいのだろうか。
「アドレスで注目すべきはズバリ“重心”。ドライバーは打てているのにアイアンでシャンクのミスが出る人は、重心がカカトに寄り過ぎていることが多いです。こうしたアドレスではスイングが横振りになってしまう。ドライバーのように宙に浮いている球は横振りでも払い打つことができますが、アイアンの場合は地面にある球を上から捉えたい。それなのに横振りのスイングをすれば、クラブが寝て下りてしまい、シャンクが出るというわけです」
なるほど、カカトに重心がかかり過ぎていたせいだったのか。ということは、ツマ先に重心をかけてアドレスすればいいってこと?
「いいえ、そうすると今度はスイングプレーンが必要以上にタテになりやすいためお勧めできません。そしてこのタイプは肩が水平に回りにくいため、ツマ先上がりからのショットが苦手な人が多い。これは自分の重心をチェックするのに使えます。シャンクが出る人はカカト体重でスイングがフラットになりやすく、ツマ先上がりが苦手な人はツマ先体重でスイングがアップライト気味の傾向がある……という感じです。振り方を変えなくてもアドレスの重心のかかり方が変わるだけで、スイングプレーンはこれほど変化するのです」
ミスの傾向で自分がどちらのタイプか判断できるのは分かりやすい。だが、カカト体重もツマ先体重もダメな場合、どこに重心を置けばいいのだろうか。
「正しい重心の位置は“土踏まず”です。では、どうやったら土踏まずに重心を置けるのか。まずは普段どおりのアドレスを取ってみてください。そしたら足の位置はそのままで、アドレスを解いて普通に立ちます。次に両手でクラブシャフトを地面と平行に持ち、股関節(両太モモの付け根)に当てがいます。このときヒザは曲げず、意識して突っ張っておいてください。そして、当てがったシャフトを後ろに押しながら上体を前傾させます。このときヒザはまだ突っ張ったままです。すると、お尻と太モモの裏がピンと張り、ヒップアップした感じになると思います。この体を“く”の字に折った状態から、ヒザをフッと緩めてやるとストンと土踏まずに重心が落ち着きます」
一連の流れでアドレスし直すと、球の位置が変わっているはず。今まではスイングがフラット過ぎたため球から離れて構えていたが、土踏まずの正しい重心なら、球に近く構えられるということか。これならアイアンで横振りすることもなく、しっかり上から打ち込める。
スイングプレーンがズレているかどうかのセルフチェックに有効な方法。横振り過ぎる、縦振り過ぎると感じたら、重心の位置を見直すといいだろう。
◾️宮里 優
29歳でゴルフをはじめ、独学でゴルフ理論を構築。36歳の時に男子プロトーナメントの大京オープンにアマチュアとして出場。その後、ティーチングプロの道を歩む。子供たちと一緒に楽しみたいとやらせたゴルフだが、結果的に聖志・優作・藍の3人共プロゴルファーの道を選んだ。
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●どんなスイング理論でも全ての人には当てはまらない。関連記事『【診断】手のヒラを擦る? 目を閉じてその場で足踏み? 新感覚の理論で自分に合ったアドレスを見つけよう!』をチェック!