ドライバーでボールをつかまえるとドローで飛距離もアップ!? ゴルフの「つかまる」を解説
ゴルフをしていると時折出てくる専門用語、しかし自分ではよく説明のできない用語はありませんか?今回は「つかまる」という用語について解説します。「つかまる」とは一体何を意味し、そしてどのようにしてボールを「つかまえる」のでしょうか?本記事では、ゴルフの「つかまる」の意味から、その技術を身につけるコツまで解説します。
配信日時:2024年5月8日 09時07分
1.ゴルフで「つかまる」とはどのような状態なのか?
ゴルフのスイングは、自分の体を軸としたクラブヘッドの円運動ですが、そのまま単純に当たればヘッドの形状から右に逸れて飛んでいきます。真っすぐ前に飛ばすためには、少しフェースを左側に返しながらインパクトしないとなりません。
この真っすぐ飛ばすために必要なフェースの返しが、「つかまる」という動きになります。
また、クラブがインパクトゾーンに入った時のフェースの開閉運動のことを、フェースローテーションといいます。
以上をまとめると、「つかまる」とは、インパクトの時に、フェースローテーションを利用してボールが外側に逃げないようにすること。一方で「つかまらない」とは、フェースローテーションが小さく、ボールが外側に逃げてしまうこと、とそれぞれ定義できます。
「つかまえられている」ボールの特徴
ボールが「つかまえられている」と、インパクトの瞬間にフェースが適度に閉じた状態で、ボールにしっかりと接触して捉えられているために、スイングのパワーを効率よく伝えられ、かつ、ドロー軌道(打球が右から左へと曲がること)のボールを打つ事ができます。
また、フェースが適度に閉じた状態で打たれたボールは、バックスピン量が適度に減るために、飛距離も伸びます。ボールを「つかまえる」メリットは非常に大きいといえるでしょう。
2.ゴルフで「つかまらない」と飛距離をロスする
逆に、ボールが「つかまらない」デメリットは何でしょうか。
ボールが「つかまえられていない」と、飛距離をロスします。特に右方向への飛びや、高くて弱々しい球筋が特徴で、ボールが「つかまらない」ことは、ボールが思い通りに飛ばない原因となります。
ここでは、「つかまらない」と、なぜ右に飛んだり、高く弱々しいボールになるのか解説します。
「つかまらない」と右に飛ぶ
「つかまらない」という状態は、クラブのフェースが開いて右を向いた状態でボールにインパクトすることです。フェースが開いたまま打つと、プッシュ(直接右方向へ飛ぶ球)やプッシュスライス(右へ曲がりながら飛ぶ球)が出やすくなります。
フェースが右を向いてボールに接触するため、フェース面でボールが滑り、その結果、右回転がかかってスライスになるのです。また、目標方向よりも右に飛び出しているので、飛距離もロスしています。
「つかまらない」と高く弱々しい球になる
「つかまらない」状態では、フェースが開いてボールに当たるため、フェースの向きが(右かつ)上を向きがちです。その結果、適正な打ち出し角度よりも、ボールが高く打ち出される傾向にあります。
飛距離を出すための必要なエネルギーが正しくボールに伝わりませんし、フェース面でボールが滑ることでバックスピンが多く加わり、飛距離を右方向や上方向に変換し、さらなる飛距離のロスにもつながります。
このような理由から「つかまらない」ボールは、高く弱々しい球になりがちなのです。特にドライバーで遠くに飛ばすためには、吹き上がるような球ではなく、棒球(最高到達点まで直線的に飛んでいくイメージ)のように飛ぶのが理想的だと覚えておいてください。
3.ドライバーで「つかまる」打ち方
ドライバーで「つかまる」打ち方をマスターするには、「小さく上げて大きく振る」というテクニックが鍵となります。
トップでオーバースイングになってしまうと、インパクトで合わせるスイングになってしまい、ヘッドスピードが減速してしまいます。ボールが真っすぐ飛んだとしても、タイミングを合わせるスイングになってしまい、飛距離が出ない球になります。
つかまった飛距離の出る球を打つためには、トップを小さくし、大きく振ることが大切です。具体的にはオーバースイングになっている人は、胸の高さでトップを作ってみてください。バックスイングで勢いがついているため、それくらいの意識でも十分な高さになっているはずです。
フィニッシュはシャフトが背中や首にポンと当たるまで振り切ることが重要です。体が硬く、シャフトが体に当たるまで回らない人でも、その意識を持って振り抜きましょう。ヘッドスピードも上がり飛距離が伸びます。
さらに、ボール位置にも注目します。ドライバーのセオリーでは「左足カカト線上」にボールをセットし構えますが、手元が目標方向に外れやすくなり、腕と体がバラバラになりがちです。
タイミングがバラバラになるのを防ぐためのボール位置は、センターより少し左側(ヘッドをセンターに置いた時ボールがフェースの前)の位置です。ボール位置の起点をスタンスの真ん中にすることで、手元が体の正面に収まり、肩のラインもスクエアにキープしやすくなります。
アドレス位置とトップの位置を変更するだけで、ボールをつかまえやすくなり、右へのプッシュやスライスが出にくくなります。フェースが適度に閉じてボールをつかまえることができると、飛距離も伸びるはずです。
詳しくは『飛ばしたい気持ちがスライスを誘発! 山内日菜子のつかまったドローは「小さく上げて大きく振る」』を参考にしてください。
4.「つかまる」ドライバーと「つかまらない」ドライバーの違い
ゴルフクラブの特性の「つかまる」「つかまらない」は、ゴルファーのスイングに合わせて選ぶべき重要な要素です。
「つかまる」クラブは、フェースが開きやすい人や、フェースをオートマチックに返したいゴルファーに向けて設計されています。つかまりやすいクラブは、ヘッドの重心がネック側に配置されています。そのためフェースの返しを助け、より簡単にボールをつかまえることが可能です。
一方、「つかまらない」クラブは、パワーヒッターまたは力強く振ることでフェースが左に向きがちな人に適しており、トゥ側に重心が配置されています。また、ドライバーの重心が浅い(フェース寄りの)ものが多く、左へのミスを防ぎつつ、風に負けない強弾道なショットが可能です。
自分のスイングタイプを理解し、適切なクラブを選択することで、飛距離や方向性を向上させることができるでしょう。
ALBA Netでは「つかまるドライバー」をたくさん紹介しています。詳しくは『安定したドローが打てる! ナチュラルに球がつかまる最新ドライバー16選』『スライサーの救世主!つかまる最新ドライバー10選』をご覧ください。
5.まとめ
「つかまる」というゴルフ用語は、クラブフェースの適切な開閉の動きを指しており、フェースが右や上を向いたままインパクトを迎えるとボールをしっかりと捉えることができません。結果として右に飛びやすく、力の無い打球になり飛距離のロスにつながります。
安定した精度の高いショットを求める人は、自分のスイングに合ったクラブを選び、正しい打ち方を身につけることが大切です。