優勝者のスイング
ただいまトータルドライビング2位の桑木志帆 「左に振って、左にいかない」はどうすればできる?【優勝者のスイング】
「資生堂レディス」でツアー初優勝を挙げた桑木志帆。そのスイングから学ぶべきポイントをプロコーチの南秀樹に聞いた。
配信日時:2024年7月1日 09時03分
プロ4年目の21歳、桑木志帆が初優勝を飾った。昨年はプレーオフで敗れた「資生堂レディス」で最終日に逆転。ショットやパット、マネジメントにメンタル面など、すべての点で成長を感じさせる勝利だった。
桑木のスイングについて、プロコーチの南秀樹に印象を聞くと「左にいかないスイング」だという。「持ち球はフェードで、ポイントは切り返しにあります。レイドオフ気味にヘッドを遅らせて、ゆとりを作りながらもダウンでクラブが寝ていません。加えて、フォローまで前傾や胸の面、カタチを変えずに振っていくのは、体の強さが必要なスイングです」。
ボールにパワーが伝わっているので、アイアンでは縦距離の調整が上手く、今季2位につけているトータルドライビングからも、飛んで曲がらず、ショットが安定していることが分かる。「ゴルフの基本である、“フェアウェイをキャッチし、パーオンさせる”ができているので大崩れすることがないんです」。
そんなスイングからは「左に振って、左にいかせない」を学びたい。まずは「左に振る」という言葉について。「左に振るとはプレーン上にクラブを振っていくという意味。その中で、インパクトでは胸の面が残っているので、左に振る感覚になるわけです。勘違いしがちですが、プレーンよりインサイドにヘッドを振るわけではないのです」。
左にクラブを振ろうとすれば、しっかりと球がつかまるのがプロや上級者で、カット軌道のスライスが強くなるのがアベレージの典型。例えば、右のOBを怖がり、左を向いたにも関わらず、大きなスライスを打っているようなら、左に振り過ぎていることが考えられる。
「左に振る感覚は、クラブを持たない素振りで身に付けられます。両腕を広げて、胸の高さに上げたら、前傾を作りスイングの体勢に。そこから右手を左に付けるように、アドレスの手元の位置を通しながら持っていく。そのままでは左手には届かないので、右腰を押し込み左足に乗っていくと、徐々に右手が左手に近づいていくと思います。この動き、このポジションこそが左に振った形。慣れてきたらスイング同様、下半身を先行させてやってみてください」
前傾を保つ、左足に乗る、右腰を押し込むなど、やってみると体の使い方も勉強になる。自宅でもオフィスでも、すぐにできる素振りをぜひ試してみてほしい。
■南秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。新宿中央クリニック所属。
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