ボールは残り200ヤードのラフ! この状況で、アナタは何を考える?【心理学者に聞いた】
ゴルフで大事なのは、自分の力を客観視すること。自分を過大評価していなければ、大きなミスをしてもそれをいつまでも引きずることはなくなる。
配信日時:2024年7月9日 22時35分
トーナメント中継を見ていると、“バウンスバック”という言葉がよく出てきます。これは「立ち直る、取り返す」という意味で、具体的には、前のホールでボギーやそれ以上を叩いたにもかかわらず、次のホールでバーディ以上のスコアで上がったときに使われます。
このバウンスバックを実現できるかどうかは、“知的謙虚さ”にあると私は考えています。
知的謙虚さとは、自分のワーストショットを理解して、ミスショットも自分の実力だと受け止め、謙虚にプレーを進める気持ち。メンタルがスコアを左右するゴルフでは、これこそがスコアアップのカギを握ると思っています。
また、知的謙虚さがあるかないかは、コースマネジメントにも影響してきます。
例えば、ティショットがグリーンまで200ヤード地点の深いラフに入った場合、知的謙虚さのあるアベレージゴルファーなら、自分の実力を客観視して、とりあえず花道を狙って、「上手くいけば寄せワンのパーが取れればいい」と考えます。
一方、知的謙虚さのないゴルファーは、「奇跡が起こるかもしれない」と考え、グリーンに届くクラブを振り回してしまいます。
もちろん、そのショットが上手くいく場合もあるでしょうが、アベレージゴルファーがトリプルやダブルパーを叩くのは、だいたい後者のようなケースです。
私は現在、6人のプロゴルファーのメンタルカウンセリングを行っていますが、彼らにも繰り返し、「“知的謙虚さ”を持ってリスク管理をしなさい」と教えています。ナイスショットのイメージを描くことは大事ですが、頭の片隅で、「こういうミスが出る可能性もある」ということを想像しておく。それだけで、あなたのスコアは大きく変わるはずです。
■解説・児玉光雄
追手門学院大学特別顧問。過去25年にわたりツアープロのメンタルカウンセラーを務める。現在、6名のツアープロのメンタル面をバックアップしている。日本スポーツ心理学会会員
※『アルバトロス・ビュー』894号より抜粋
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