米国女子ツアー2年目となる吉田優利。今季初戦となった「ファウンダーズカップ」では初日こそ『73』を叩くも、残り3日間を60台で回り、トータル7アンダーの23位タイで終えた。そんな吉田のスイングを現地で撮影。プロコーチの大西翔太に解説してもらった。
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吉田選手は、体を右に向けたままクラブをインから下ろすことでドローを打っています。ポイントは顔の向き。顔がトップからインパクトまで右を向いたままであれば、胸が開きづらくなります。
クラブを下ろすときは、グリップを真下に落とすイメージ。グリップと体の距離が近づかないので、右サイドのアークを確保できて、シャローに入れられます。後方から見たときに、ハーフウェイダウンで右前腕よりもシャフトが下になっていれば、シャローに入れられている証拠です。
テークバックで下半身の形が変わらないのも吉田選手のスイングの特徴の1つ。右サイドでさばくための準備をしているんです。以前、「下半身はドッシリさせたまま、上体を右に動かして右軸を作るイメージをしている」と本人も話していました。右に動くことでアークも大きくなりますし、ダウンスイングで右サイドを広く使える。下半身主体で振っていてインパクトでは両足で地面を蹴るのでパワーも出せています。上半身がハンドル、下半身はエンジンというタイプですね。
米国女子ツアーでの昨年の経験もあるので、それを生かしてほしいですね。誰よりも鍛錬ができる人だと思うので、ぜひ勝ってほしいと思います。
■吉田優利
よしだ・ゆうり/ 2000年生まれ、千葉県出身。国内ツアー通算3勝。23年にサロンパスカップでメジャー初優勝を達成。昨季から主戦場を米国女子ツアーに移し、2年目に挑む。エプソン所属
■大西翔太
おおにし・しょうた/1992年生まれ。千葉県出身。PGAティーチングプロA級を取得。2015年から青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務めて、5勝を挙げることに貢献。理論的なレッスンでアマチュアにも人気。
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