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    米10勝の松山英樹 スクエアフェースでレベルターンは現代の教科書スイングだ【優勝者のスイング】

    プレーオフシリーズ初戦「フェデックス・セントジュード選手権」で初優勝し、節目のツアー10勝目を飾った松山英樹。そのスイングの凄さ、強みをプロコーチの南秀樹に聞いた。

    所属 ALBA Net編集部
    ALBA Net編集部 / ALBA Net

    配信日時:2024年8月21日 04時15分

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    左手首が甲側やヒラ側には折れずに、ずっと左手首が腕と一直線な状態を作るため、フェース面を長くスクエアに保てる
    左手首が甲側やヒラ側には折れずに、ずっと左手首が腕と一直線な状態を作るため、フェース面を長くスクエアに保てる (撮影:岩本芳弘)
    • 松山英樹のドライバースイング
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    パリ五輪での銅メダル獲得に続き、米国男子ツアーのプレーオフシリーズの初戦「フェデックス・セントジュード選手権」で、2月の「ジェネシス招待」以来の今季2勝目、PGAツアー通算10勝目を飾った松山英樹。輝きを放つそのスイングは、プロの目にはどう映っているのだろうか。

    頭は右に残しても両肩はレベルに回る 松山英樹のドライバースイング【連続写真】

    南がまず挙げたのが、しっかりと大きなトップを作っていることだった。「いまジョン・ラーム(スペイン)など世界のトッププロはトップを低くして、小さく振って安定性、再現性を高めています。一方、松山プロはトップでシャフトが地面と平行になるまで、しっかりクラブを上げて、そこからレベルにターン。大きく振って出力を高めながらも、安定性や再現性も世界トップレベル。身体能力、スイングのセンスの高さも感じさせます」。
     
    大きなトップから、オンプレーンでフェースも常にスクエアなことが曲がらない理由。そのスクエアを保っているのが左手首の動きだ。「左手首が甲側やヒラ側には絶対に折れずに、ずっと左手首が腕と一直線な状態を保っているので、フェース面もずっとスクエアなんです。トップはややレイドオフにも見えますが、トップで右ワキを締め過ぎることがなく、トップの形のまま下ろしてくるので、クラブが寝ることもありません」。クラブが寝てプッシュに悩んでいるなら、トップの右ワキの締まり具合を確認するのが良さそうだ。
     
    松山のスイングの特徴とも言えるのが、ダウンスイングからインパクトにかけて頭を残している点だろう。この動きから上半身の柔軟性と下半身の強靭ぶりが見て取れる。「正面から見ると頭の位置はさほど変わっておらず、右に動いているように見えるのは、左肩の回転がスムーズであり、右腰の押し込みが強く上手いから。これができるのは、背中や肩関節の柔軟性が高く、そして太モモ辺りの筋力が強いからでしょう」。頭を残しつつも肩を回そうとすれば、肩はタテ回転になりやすいが、「松山プロは頭を残しながらもヨコ回転。この動きはなかなかできるものはではありません」。
     
    クラブやボールの進化で、球が曲がりにくくなっている現代。ストレート系の弾道を打つには入射角の安定が求められる。松山も以前よりレベルに振っているように見えると南。「わずかですが、ダウンスイングで右ヒザがボール方向へ出る動きがなくなり、体がよりレベルに回るようになっています。またフォローで右手を押し込むようにしているのは、ヘッドを少しでも長く低く動かしたい表れだと思います。フィニッシュでも以前よりもシャフトの傾きがヨコになっており、よりレベルに振っているのではないかと思います」。
     
    体をレベルに回転させて左手首と左腕が一直線の状態を保って振ることで、長くスクエアフェースを保つことができる。南の推察だが、以前はややタテ振りでフェードを打つ傾向があったが、体をレベルに回してよりレベル軌道で低く長いインパクトゾーンを作るからこそ、ほぼストレートの曲がらない弾道が打てるようになったという。
     
    「レベルターンで長くスクエアフェースを保ち、インパクトゾーンが低く長い。理想的で教科書と言ってもいい松山プロのスイング。これからも活躍が楽しみです」。初の年間王座へ、次戦が待ち遠しい。
     
    ■南秀樹
    プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。新宿中央クリニック所属。

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