【この基本を意識して練習しよう!】ゴルフ初心者のための効率アップ練習方法
ゴルフを始めたばかりの初心者の人は、早くうまくなりたいと日々練習に取り組んでいることと思います。しかし、なかには練習方法が分からなくて困っている人もいるのではないでしょうか。本記事では、そんな初心者に取り入れてもらいたい、基本を重視した練習方法を紹介します。
配信日時:2024年10月7日 05時50分
1.初心者が練習で意識すべき基本とは?
ゴルフの上達に近道はありません。練習の積み重ねで一歩一歩上達してゆきます。そのためには基本を守り、手順を追った正しい練習方法が大切になります。
しかし、一度間違って覚えてしまうと上達の妨げになるばかりか、悪い癖がついて、逆にゴルフが下手になってしまうことも。直すのに時間がかかって、ゴルフをすることが辛くなってしまうかもしません。
初心者がまずしっかり覚えておきたい基本は、クラブの握り方、ボールを打つための構え方、そしてクラブの振り方です。
それぞれ、クラブの握り方が【グリップ】、構え方が【アドレス】、クラブを振る動作が【スイング】です。
スイングの基礎作りは、一般的には7番アイアンを使って行います。7番アイアンはドライバーからウェッジのほぼ中間の長さになるため、基礎作りがしやすいクラブだからです。
以下、7番アイアンを前提に「初心者に練習で意識して頂きたい基本」を解説していきます。7番アイアンの練習でスイングの基礎が身についてくると、他のクラブへの応用も比較的スムーズに行えます。
なお、7番アイアンが難しいと感じたら、最初のうちは8番や9番で練習する方法も。「中間のクラブ」の定義が曖昧になってきている事情については、こちらの記事で詳しく説明しています。ぜひご覧ください。
◆「初心者が最初に練習する番手は、結局、何番アイアンがおすすめなの?」
2.【グリップ】
ゴルフクラブのグリップは、クラブとプレーヤーをつなぐ唯一の接点です。握り方ひとつでフェースの向きや軌道、力の伝わり方が違い、方向性や飛距離が変わってきます。ゴルフクラブの握り方は日常でモノを握る感覚とは少し違うため最初は違和感を覚えますが、練習を重ねるとすぐに慣れてきます。
グリップの握り方は、(以下、すべて右利きの場合を前提)右手の小指を左手に重ねるオーバーラッピングか、左手人差し指と右手小指を絡ませるインターロッキングが基本です。
また、自分の目線で見て、握ったとき左手のゲンコツが少し見える程度が基準となる、スクエアな握りです。
握るときの注意点は、クラブを強く握らないことと、長く持ち過ぎないこと。指で支える感覚で握り手のヒラではなく、指で挟むように持ち、グリップの手元側が2cm程空くように余らせて握ります。
グリップの握り方について、詳しくはこちらの記事で丁寧に説明しています。代表的な3つの握り方を分かりやすく説明しているので、ぜひ参考にしてください。
◆「ゴルフグリップの正しい握り方とは? 代表的な3つの握り方と手順、注意点を解説」
3.【アドレス】
アドレスはボールを打つための体勢(体の構え)のことです。美しくて力強いスイングや真っ直ぐ飛ぶボールは、正しいアドレスから生まれます。
アドレスの向きは、ボールと目標(ターゲット)を結んだ線に対して平行が基本です。
並行になっているかどうかを確認しなければならないチェックポイントは両足、両ヒザ、腰、両肘、肩の線。ちょっと多いように感じますが、これらの部位はそれぞれが単独で動くため、しっかり意識しないと、それぞれが違う方向を向く可能性が高くなります。
特に、両ヒジと肩の向きは注意が必要。クラブを自然に握った時点で、グリップの先側(ゴルファー前方のボールに近い側)を握る右手が左手より前に出ているため、両ヒジと肩の線は左を向きやすくなるのです。
両足の位置が、スタンスです。スタンスも、両足カカトを結んだ線が、ボールから目標に向かう線(ターゲットライン)と平行に立ちます。またスタンス幅は短いクラブでは狭く、長いクラブでは広くなります。
ボールの位置は、持つクラブによって変わってきます。ドライバーなら左足カカト内側延長線上が基本で、クラブが短くなるに従って中央側に寄りますが、アイアンは番手に限らずスタンスの中央が基本となります。
したがって7番アイアンもスタンスの中央にボールをおいて構えます。
ボール位置について、詳しくはこちらの記事で説明しています。クラブ別に細かく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
◆「ゴルフでナイスショットを出すためのボール位置は? 前後左右に動かした時に出やすい弾道も紹介」
また本記事では省略していますが、正しいアライメントのセット方法については、以下の記事で詳しく説明しています。ぜひ参考にしてください。
◆「ゴルフのアライメントとは? ミスショットを防ぐアライメントの取り方とコツ」
クラブヘッドは基本、ライ角に合わせてボールにセットします。ライ角とは、クラブの底(ソール)を地面に沿って置いたとき、シャフトが地面と作る角度のことです。長いクラブでは小さく、短いクラブでは大きく作られています。
アイアン(5番〜9番)のライ角は、約60度前後に設定されています。ライ角よりもクラブを寝かせすぎて構えるとフェースの先(トゥ側)が浮いてフェース面は左を向き、ボールは左に出やすくなります。また、立てすぎるとフェースの手前(ヒール側)が浮いてフェース面は右を向き、ボールは右に出やすくなります。
ソール全体が地面に接する状態が「適正なライ角」とされ、適正なライ角は、正確なインパクトとストレートな弾道をサポートします。
ライ角について、詳しくはこちらの記事で説明しています。クラブ別ライ角の数値も記載されているので、ぜひ参考にしてください。
◆「ゴルフクラブのライ角とは何か? ライ角を整えて、スイングも整えよう!」
4.【スイング】
グリップとアドレスを正しくセットアップできたら、クラブを実際に振っていきましょう。
スイング軸
ゴルフのスイングは、スイング軸に沿った体の回転運動で行います。スイング軸とは、前傾姿勢の体の中心、背骨に沿ってイメージした一本の軸のことです。
このスイング軸が、クラブを振る時、回転運動の中心になり、スイング軸を意識することで毎回同じスイングが可能になります。
実際のスイングでは、体重移動により頭や体は左右に動きますが、スイング軸をイメージした回転運動が非常に重要です。
スイング軸については、以下の記事も、ぜひ参考にしてください。
◆「いつでも90が切れる!「スイング軸」が安定する連続素振りには、2ステップが必要」
◆「スイング軸は「30ヤードのコロがし」で作る」
スイングプレーン
スイングプレーンとは、クラブの軌道が通るべき仮想平面です。アドレス時のボールの位置によって角度は違いますが、ボールの位置と両肩で作る面を含んだ大きな平面になります。
全てのクラブはスイングプレーンに沿って動かし、スイングプレーンから外れると、ボールに正確に当たりません。
とはいえ、クラブは常時スイングプレーン上を動いているわけではありません。スイングプレーン上を動かす意識でスイングを行い、特にインパクトゾーンでの動きに注意するといいでしょう。
スイングプレーンについて、詳しくはこちらの記事で説明しています。ぜひ参考にしてください。
◆「【スイングプレーンって何?】スイングプレーンを理解して、理想のスイング軌道を身につけよう」
スイング軌道
スイング軌道は、スイング中クラブヘッドが描く軌道です。正しいスイングでは、長いクラブも短いクラブも、スイングプレーンに沿って動く円軌道になります。
ボールに向かって下りてくるクラブヘッドは、ボールと目標を結んだ線より自分の立っている側、つまり内側(インサイド)からボールに向かい、ボールに当たる瞬間は目標方向を向いてインパクト。ボールを打った後はまた内側へと抜けていきます(インサイドイン軌道)。
このように正しいスイングでは、スイング軸を中心に回転運動をし、クラブはスイングプレーンに沿って動き、クラブヘッドはインサイドインの軌道を描きます。
詳しくは、以下2つの記事をぜひご覧ください。基本のスイング軌道が、なぜインサイドインなのかがよく分かります。
◆「ゴルフでインサイドイン軌道が理想といわれる理由と練習方法」
◆「【脱初心=脱アウトサイドイン?】アウトサイドインが初心者のスイング軌道と言われる理由」
5.打ちっぱなしを使う練習
打ちっぱなしは、実際にゴルフボールを打って、ショット力を養うゴルフ練習場です。打ちっぱなしでボールがしっかり当たるようになれば、コースに出てもひとまず大丈夫です。
3段階の振り幅で練習する
最初からフルショットはせずに、小さい振り幅から徐々に振り幅を大きくしていきます。
「8時-4時」の振り幅
最初の振り幅は、時計の「8時-4時」の振り幅。足幅を1足分程に開き、肩と腕で作る3角形を崩さないように、手首は使わず体の回転で打ちます。スイング中クラブフェースは常にボールを向いていて、インパクトでは目標方向を向いています。
9時-3時の振り幅
当たるようになったら、足幅を2足分に広げて、「9時-3時」の振り幅にします。クラブを腰の高さまで上げてから徐々に、クラブが垂直になるよう手首を曲げてみましょう。これがコックです。
コックについては、こちらの記事で詳しく説明しています。ぜひ参考にしてください。
◆「レッスンでよく聞く「コック」って本当に必要? ゴルフで手首はどう使うべき?【ゴルフのコック完全マスター】」
9時-3時の振り幅では、同時に体重移動や体の回転運動も始まっています。スイング軸やスイングプレーンに対する意識が必要になります。
フルショット
80ヤード位飛ぶようになったら次はフルショットです。足幅を3足分に広げて手元を頭の高さ(トップ)まで上げます。トップまでに右足への体重移動はほぼ終了、スイング軸とスイングプレーンを意識してクラブを振りましょう。
正しい回転運動と体重移動ができれば、スイング軌道はインサイドインで、スイングの終わり(フィニッシュ)では、体(おへそ)は目標方向を向き、体重は左足に移ります。
ゴルフの体重移動については、こちらの記事で詳しく説明しています。ぜひ参考にしてください。
◆「ゴルフの体重移動ってどうするのが正解? プロもやっている体重移動のコツを紹介」
ドライバーの練習
ドライバーの練習も最初からボールは打たず、ティだけを打って感覚をつかみましょう。ティを往復共に打つ練習が効果的です。最初は「8時-4時」から始めて、安定してきたら振り幅を大きくします。
ボールが飛ぶようになったら、備え付けの弾道測定器を使ってみると良いでしょう。各種データが確認できるので、上達具合も分かり練習の張りになりそうです。
打ちっぱなしの効果的な活用方法については、こちらの記事で詳しく説明しています。ぜひ参考にしてください。
◆「ゴルフの打ちっぱなしはどんな場所? 初心者のためのゴルフ練習場の上手な使い方&練習法を徹底解説」
6.自宅でもできる練習
自宅でもできるゴルフ練習もたくさんありますが、特に少しのスペースがあればできる素振りやパットは、自宅での練習にうってつけです。
素振り
ボールを置かずにクラブを振る練習が素振りです。ボールに当てようとする意識や、当てに行こうとする体の動きが入らない分、無駄な動きの無い理想に近いスイングを覚えることが可能です。
アドレスやスイング軸、スイングプレーンの意識など、手順をしっかり踏んで、スイングの素振りを行いましょう。毎日5分や20回のように時間や回数を決めて、繰り返し行えば効果的。安定したスイング軸やスイング軌道を修得して上達も早くなります。
パット
パットも自宅での練習に向いています。できれば市販のパット用マットを購入してください。マットを使って、まずは1メートル程度の短い距離を真っ直ぐ打てる(カップインできる)ように練習します。
スタンス幅は肩幅程度、スタンスの向きはボールとカップを結んだ線と平行にとります。ボールは左目の真下に置いて、フェースはカップに向いて構えます。
ストロークは真っ直ぐ後ろに引いて、真っ直ぐ出してボールを打ちます。使うのは上半身だけ、肩を上下運動させる感覚です。
短い距離を確実に入れるパット練習法については、こちらの記事で詳しく説明しています。ぜひ参考にしてください。
◆「1メートル以内のパットを(ほぼ)100%成功させる方法【初心者ゴルファー必見のパター入門】」
7.まとめ
最初はなかなか前に飛ばない(当たらない?)打ちっぱなしでの練習ですが、そのうちボールが思った方向に飛び出すようにと、練習が楽しくなります。そうなるまでは少し地味かもしれませんが、基本に忠実な練習に取り組んでください。またパットは上級者になっても自宅での練習は欠かせません。初心者のうちにぜひ習慣づけておきましょう。