パターグリップの握り方を見直してみませんか? 代表的な握り方を5種類紹介
「パットに型なし」という言葉があるように、パターグリップの握り方に絶対の決まりはなく、プロを見ても多種多様です。そして、自由度が高いからこそ、自分に合った握り方を知ることが重要になります。「思ったように打てない」「パターに苦手意識がある」という人は、「パターグリップの握り方」を変えることで悩みが解消されるかもしれません。この記事では、特に代表的なパターグリップ5種類の握り方を紹介します。
配信日時:2024年5月10日 07時47分
1.パターグリップの握り方
実はパターの握り方は人それぞれで、パターの握り方に唯一の正解はありません。プロゴルファーを見ても、人によってさまざまな握り方をしています。ただし、基本となる型は存在するので、まずはそれらを押さえておくとよいでしょう。
代表的なパターグリップの握り方は、以下の5種類です。
・逆オーバーラッピング
・クロスハンドグリップ
・クロウグリップ
・アームロックグリップ
・プレイヤー(合掌)グリップ
ここからは、5種類それぞれの握り方を解説していきます。あわせて、握り方を採用しているプロゴルファーも紹介するので、参考にしてみてください。
※いずれの握り方も「右打ち」を想定して解説しています。
逆オーバーラッピング
逆オーバーラッピングは、最もオーソドックスであり、プロ・アマ問わず多くのプレイヤーに選ばれている握り方です。通常のショットにオーバーラッピングという握り方がありますが、重ねる指が逆になるため、逆オーバーラッピングと言われています。まず、両手の親指がパターグリップの平らな面に沿うように真っすぐ合わせて握ります。そして、左手の人差し指が右手の小指の上に来るように重ねましょう。
逆オーバーラッピングのメリットは、手首の動きを抑制し、安定したスイングを可能にする点です。「自分に合った握り方がわからない」という人は、まずはこの逆オーバーラッピングを試してみるとよいでしょう。
逆オーバーラッピングを採用している(いた)プロゴルファーとしては、以下のプレイヤーが挙げられます。
・古江彩佳
・渋野日向子
・松山英樹
・勝みなみ
・タイガー・ウッズ
・ダスティン・ジョンソン
・セルヒオ・ガルシア
・ローリー・マキロイ
・ジェイソン・デイ
・パトリック・リード
・ビリー・ホーシェル
・ブルックス・ケプカ
クロスハンドグリップ
クロスハンドグリップは、右手と左手の位置を入れ替える(右手がグリップエンド側に来る)握り方です。前述した逆オーバーラッピングを逆手にして握るような形をイメージしてください。
クロスハンドグリップはやや窮屈な感じのする握り方ですが、それによって手首をロックできるのが特徴です。ヘッドが暴れなくなるのでストロークの軌道が安定しやすく、フォロースルーも真っすぐ出しやすくなります。右手の力が強く、「手首をこねやすい」と悩んでいる人に向いている握り方と言えるでしょう。
クロスハンドグリップを採用している(いた)プロゴルファーとしては、以下のプレイヤーが挙げられます。
・宮里藍
・畑岡奈紗
・片岡尚之
・石川遼
・稲見萌寧
・ジョーダン・スピース
・アレックス・レノン
クロウグリップ
クロウグリップは、やや特殊な握り方です。左手はオーバーラッピングと同じように握りますが、右手は親指と人差し指でパターを挟むように握ります。このとき、右手の甲は正面を向くようにします。
クロウグリップの特徴は、右手を添えるだけにして、振り子のように動かすことです。これによってパターをよりストレートに振ることができます。グリップの感覚が変わるため慣れが必要ですが、「右手が動いてしまう」という人には効果的です。
クロウグリップを採用している(いた)プロゴルファーとしては、以下のプレイヤーが挙げられます。
・吉田弓美子
・原江里菜
・堀琴音
・コリン・モリカワ
・ブランデン・グレース
・トミー・フリートウッド
・ジャスティン・ローズ
・セルヒオ・ガルシア
アームロックグリップ
アームロックグリップは、パターのシャフトを左腕の内側に沿わせ、右手でそれを押さえる握り方です。左腕とクラブを一体化させ、肩を支点に動かすことがポイントになるので、シャフトに沿わせた左腕が離れないように注意しましょう。
アームロックグリップのメリットは、一定のストロークを保てるという点です。「打ち出す方向が定まらない」という人は、このアームロックグリップを試してみてもよいでしょう。
アームロックグリップを採用している(いた)プロゴルファーとしては、以下のプレイヤーが挙げられます。
・アダム・スコット
・バッバ・ワトソン
プレイヤー(合掌)グリップ
プレイヤーグリップは、両手の高さを揃えて、両手の手のひらを合わせるようにしてパターを握る方法です。左手の人差し指と右手の小指がほぼ同じラインに並ぶように握るのがポイントです。
プレイヤーグリップのメリットは、手先ではなく、背中や体幹など大きな筋肉でストロークがしやすくなる点です。「手打ちパッティングを脱したい」という人は、プレイヤーグリップを試してみてもよいでしょう。
ちなみに、プレイヤーグリップという名称は「選手」を意味する「player」ではなく、「祈り」を意味する「prayer」に由来しています。両手を合わせて祈るように握ることから、「合掌グリップ」とも呼ばれています。
プレイヤーグリップを採用している(いた)プロゴルファーとしては、以下のプレイヤーが挙げられます。
・西村優菜
・堀奈津佳
・申ジエ
西村優菜のパターグリップの握り方については、ALBA TV『トッププロレッスン K's STUDIO 西村優菜編』で詳しく紹介しています。本人による解説が動画でご覧になれます。
2.パターを握る強さは「ゆるめ」が基本
ここまで5種類のパターの握り方を紹介してきましたが、共通して言えるポイントは、基本的に「ゆるく握る」ということです。これは、パターを強く握ると力が入りすぎてしまい、ストロークが安定せず、カップへの距離感も合わせづらくなるためです。
ただし、ゆるく握りすぎるとボールにヒットするときにフェースがブレて、狙った方向へボールを打ち出せなくなるので注意しましょう。パターショットを練習するときは、グリップをゆるめに握ることを念頭に置きながら、程よい力加減を探ってみてください。
3.まとめ
今回は、5種類のパターグリップの握り方を紹介しました。このうち、逆オーバーラッピング、クロスハンドグリップ、クロウグリップの3つについては、ALBA TV『土屋健 パッティングのいろは教えます』でも紹介していますので、あわせてご覧ください。
パターグリップの握り方には正解がなく、実際に変則的な握り方をしている選手もいます。時には人気選手やツアー優勝した注目選手の特徴的な握り方が流行ることもありますが、パターショットの精度を上げたい人、苦手意識を感じている人は、何よりも「自分に合った握り方」を見つけることが大切です。まずは今回ご紹介した基本の握り方を試してみて、それでも「しっくりこない」という場合は、いろいろな握り方を試して、自分に合ったスタイルを見つけてください。