平均パット1位の河本結は外側 ボール位置は「左目の真下」でなくてもいい
8月8日(木)発売のALBA898号では、日本では数少ないパッティング専門コーチのひとりで、河本結などを指導している橋本真和に取材している。
配信日時:2008年2月1日 03時00分
「パットに型なし」といわれるように、ツアープロを見てもパターの種類、握り方、打ち方が多種多様に存在する。その一方で、米PGAツアーではスイングコーチとは別にパッティングコーチと契約を結ぶ選手が増えてきた。ショットと同様にパットもデータ解析が進み、劇的な進化を遂げているのだ。
8月8日(木)発売のALBA898号では、日本では数少ないパッティング専門コーチのひとりで、河本結などを指導している橋本真和に取材している。ボール位置は「左目の真下」といわれているけど実際は?
◇
パッティングで大事な要素は、「フェースの向き」「距離感」「ライン」「コロがり」の4つです。それは場面によって優先順位が変わってくる。例えば1メートルは、タッチよも真っすぐ打てた方が入りますし、10メートルはタッチとラインが重要になります。
次に打ち出しについて考えると、フェースが2度右を向いて、クラブパス(軌道)が2度カットだったら、ボールはどこに出ると思いますか? 答えは1.6度右に出ます。打ち出しはフェースの向きが9割で、クラブパスは1割しか影響しません。1メートルは20度くらいカットに打っても、フェースの向きが真っすぐなら入るのです。
私が教えている金子駆大プロが変わったのは、1メートルは外れないものと気付いたときでした。1メートルを外そうと思ったら、インパクトでフェースの向きが2度以上ズレるか、20度くらいのカット軌道で打たないといけない。フェースの2度がどれくらいか見せたら、「こんなに右を向くわけないね」ってなる。それが分かってから、成績がすごく上がりました。
真っすぐ構えられているかどうかは、計測器がなくても確認することができます。3メートルの距離でターゲットと中間地点にもボールを置いて、後方から見て、3個が真っすぐになるように並べます。それで3メートル先のボールに向かって構えてみてください。フェースが右を向きやすい人は、真ん中のボールが“左”に見えるはず。つまり、目線がズレているのです。
そんなときは目線を高くしたり、少しボールから離れたりすると、真っすぐに見えるようになります。反対に真ん中のボールが右に見える人はフェースが左に向きやすいので、少し目線を低くしたり、ボールに近づくといいでしょう。その人が真っすぐに見える目の位置が必ずあるのです。
実際、国内女子ツアーの平均パット部門で1位に立っている河本結プロは、目の下よりボールが外側にあります。米PGAツアーでも絶対目の真下に置いているかというとそうではなく、けっこうバラツキがあって、内側に置いている選手もいるのです。
■橋本真和
はしもと・まさかず/1984年生まれ、三重県出身。日本では数少ないパッティング専門コーチ。最新機器を駆使しながら河本結、河本力、佐久間朱莉、金子駆大(こうた)などを指導している。