なぜ森田理香子はツアー撤退前より飛距離が伸びたのか? 3年前の取材で語った「左の壁はいらない」
森田理香子が3年前に語った飛ばしの秘訣とは?
配信日時:2024年3月1日 23時03分
6年ぶりにツアー復帰した森田理香子が「ダイキンオーキッドレディス」で予選通過を果たした。特筆すべきはその飛距離。初日は7番ホールで242ヤード、11番ホールで300ヤードを記録し、平均271ヤードで全体トップだった。森田自身も「飛距離がなければ、ツアーには戻ってこられなかったと思う」と、長いブランクがありながらも飛ばす能力には自信を持つ。
3年前の2021年に、ツアーから撤退していた森田にドライバーの取材を行っている。そのとき、「現役時代はドライバーの平均飛距離が250ヤードだったけど、いまは260ヤードに伸びた」と話していた。そのなかで印象的だったのは「左の壁はいらない」という言葉だ。
「以前はよく言われる左サイドの壁を意識していたので、インパクトを迎えるまでは左ヒザを正面に向けておき、右ヒザを左ヒザに寄せるようにしていました。ところが、これだとインパクトで詰まる感覚がありました」
それに気づいたのはツアーから離れたあと。森田と仲のいい一ノ瀬優希のコーチを務めていた男子プロの谷口拓也(現在は一ノ瀬と結婚)から、「左サイドの壁を作らなくてもいいんだよ」というアドバイスにハッとさせられた。
「インパクトの詰まり感が消えたんです。バックスイングで右に向けたおヘソを、目標に向けるつもりで腰を回しました。インパクトで腰が開き、左ヒザが目標を向いていいぐらいのイメージです。それでもフェースがスクエアならボールは曲がりません」
回転重視のスイングへと変えたことで、34歳となった今も、飛距離では若手に負けていない。ドライバーのスイング連続写真を見ても、体を中心にクラブが無駄なく効率的に円弧を描いているのが分かる。
森田が回転を止めないように意識しているのは右足蹴り。「足が止まると体の回転も止まり、クラブヘッドが右に出て体から離れていってしまう。足を止めると左に振れないんですよね。右足に体重が残るので右プッシュが出る。腕力が強い男の人なら、チーピンが出ることもあります」。
切り返し以降で右カカトを上げて地面を蹴ることで、体の回転を止めることなくクラブを左に振り抜く。「インパクトで合わせにいく動きがなくなり、振れば振るほど飛ぶスイングになりました」という森田が、週末は若手と回ってどんなゴルフを見せるのか、注目したい。
■森田理香子
もりた・りかこ 1990年1月8日生まれ。京都府京都市出身。ツアー通算7勝。08年にプロ入りし、10年の「樋口久子IDC大塚家具レディス」でツアー初優勝。13年には年間4勝を挙げ、23歳で賞金女王に輝いた。18年を最後にツアーから撤退。練習やトレーニングは継続しながらゴルフウェアのプロデュースや、ゴルフ中継の解説などを行っていたが、今年、約6年ぶりにツアー復帰を果たした。
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●ツアーから離れていた時期には、アマチュアへのレッスンも行っていた森田理香子。3年前の取材では、「ドライバーが飛ばない人はボールを見て構えています」と語っている。ではどこを見るのが正解? 関連記事【森田理香子のドライバーレッスン】をチェック!