飛ばし屋の共通点 笹生優花は左にスライドせず“右軸クルン”で回転スピードMAX!【世界で戦うドラテク】
平均267.7ヤードで米ツアーでもトップクラスの飛距離を誇る笹生優花の高速回転スイングを、プロコーチの森守洋氏が解説する。
配信日時:2024年8月27日 22時41分
世界最高峰の米国女子ツアーでは、ドライバーで平均250ヤード以上飛ばし、70%以上の確率でフェアウェイを捉えてくる選手たちがしのぎを削る。今回取り上げるのは「全米女子オープン」で3年ぶり2度目を飾り、日本人初のメジャー2勝をマークした笹生優花。平均267.7ヤードで米ツアーでもトップクラスの飛距離を誇る高速回転スイングを、プロコーチの森守洋氏が解説する。
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笹生さんはトップから骨盤の位置を変えず、右にいたまま振っていくので、非常に回転スピードが速い。切り返しで左にスライドする人より速く回れます。PGAツアーのキャメロン・チャンプも同じような動きをするし、飛ばし屋には多いタイプ。体を右に残すことで、左方向にヘッドを走らせやすいメリットもあります。
体を高速回転させて最後に腕やクラブがついてくるデンデン太鼓のような動きを真似るには、胸を素早く回すこと。結果的に骨盤がスピーディに回転します。
また、バックスイングでクラブが上がっていく最中に体を左に戻していく「行き別れ」で、強いタメができる。笹生さんやカナダのブルック・ヘンダーソンが代表格です。
アマチュアで飛ばない人はトップで一度止まって、エネルギーを受け止めてから戻すので、タメが少なく手首の角度が早くほどけてアーリーリリースになりがち。布団叩きのようにスナップを使って先に手元を引き戻すと、ギャップによって大きなエネルギーが生まれます。
■笹生優花
さそう・ゆうか/2001年生まれ、東京都出身。日本人の父とフィリピン人の母を持ち、8歳からゴルフをはじめる。プロ2戦目となった20年の「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」で初優勝。続く「ニトリレディス」にも勝って、怪物ルーキーとして注目された。21年の「全米女子オープン」でメジャー初優勝を達成すると、以降は米ツアーを主戦場に移す。今年の同大会を3年ぶりに制して、日本勢初のメジャー複数回優勝を挙げている。
■森守洋
もり・もりひろ/1977年生まれ。静岡県出身。ゴルフを始めたのは高校から。95年に渡米しミニツアーを転戦しながらゴルフを学んだ。02年からレッスン活動を開始し、現在は原江里菜、堀琴音、香妻陣一朗のコーチを務めている。東京都三鷹市にある『東京ゴルフスタジオ』を主宰し、YouTubeチャンネル「森守洋のGolf TV」では、ツアープロや芸能人などへのレッスンを配信中。
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●パリ五輪の女子ゴルフは、ニュージーランド代表のリディア・コが金メダルを獲得した。関連記事の【悲願の金メダル獲得! リディア・コはクラブの設計図通りに振る完全オンプレーンスイング】では、米ツアー通算21勝を挙げている効率的なドライバースイングを、プロコーチの森守洋氏が解説している。